佐々木まき絵



諸々あって、教育実習で女子中学校に行くことになった時には
どうなるかと思った。

女性が苦手とかそういうことはないけれど、
自分の20年ちょっとの人生を振り返ってみて、
今の自分にはあの年頃の女の子がいちばん厄介だ…というのが
容易に想像出来たからだ。

しかし、蓋を開けてみたら楽しくてしょうがない日々だった。

数えで10歳にも関わらず超天才且つ人が出来ている先生と
、 少々…かなり……だいぶ、騒がしい面はあるものの
ウェルカムな雰囲気で迎えてくれたクラスの子たちのお陰だ。

とりわけ、佐々木まき絵という生徒には助けられた。

人懐っこくて、本人は無意識だろうけどクラスの子たちと自分との間に
自然に入ってくれた。
女子中学生との距離の取り方なんてわからないからねー。
これは本当に有り難かった。

成績は正直言って芳しくないが向上心が無いわけではなく、
丁寧に教えれば素直に吸収しようと頑張っていたのも印象がいい。
きちんと取り組んでくれる生徒は、勉強を教えるという点でモチベーションになる。

そう言えば、彼女は新体操部に所属してるとか。
時間もなかなか作れなかったし、気恥ずかしいのもあるから
練習を観に行ったりはしなかったけれど
(そもそも、顧問でもない男性教諭(いや、まだ実習生だけど)が
 そういう場所に顔を出すのってどうなんだろう)
彼女のルックスで新体操なんかやってれば他校の男子が放ってはおかないだろうなぁ…。



なんだか、佐々木まき絵のことばかり思い出してる気がするぞ。
大丈夫か、俺。