バッテリィズ(アキラ/まき絵)

アキラ/まき絵
「どうも〜」

まき絵
「バッテリィズでーす!
 よろしくお願いしまーす!」

  アキラ
「お願いします」

  まき絵
「この前弟から聞いたんだけどね、
 今度、実家でハムスターを飼おうかっていう話が
 出てるんだって〜」

  アキラ 「へえ、いいじゃない。
 ハムスター、可愛いし」

まき絵
「でしょ〜。
 それでね、アキラ、ああいう小動物、好きじゃない?
 だからさー、注意したらいいこととか教えてもらおうと思って」

  アキラ
「なるほどね。
 いいよ、私が知ってることなら」

  まき絵
「ありがと〜」

  アキラ
「う〜ん、そうだね…。
 まず、一番注意しなくちゃいけないのは室温の管理かな」

  まき絵
「室温」

  アキラ
「そう。
 ハムスターは室温が5℃から10℃くらいになると低体温症って言って
 冬眠したみたいな状態になっちゃうから、
 一年中、ある程度部屋を暖かくしておかないといけない」

  まき絵
「ふむふむ」

  アキラ
「それでいて暑さも苦手にしてるから、
 25℃以上にならないように気をつけて」

まき絵
「ワガママ!」

  アキラ
「まぁ、そういう環境に生息してる動物だからねぇ」

  まき絵
「わかった」

アキラ
「あと、湿った場所も不得意だから、
 湿度は40%から60%の間でコントロールして」

  まき絵
「ワガママ!
 え、それじゃあ梅雨とか全然駄目じゃん」

アキラ
「そこはデリケートとか言おうか(苦笑)」

まき絵
「人間とはだいぶ違うんだねぇ」

アキラ
「むしろ近いところ探すのが大変じゃないかと思うけど」

まき絵
「他には?」

アキラ
「夜行性だから、
 手から餌をあげたいのであれば
 そのタイミングなんかは向こうに合わせる必要があるね」

まき絵
「え、夜行性なの!?」

アキラ
「そうだよ」
 
まき絵
「嘘でしょ!」

アキラ
「私がここで嘘なんかついてもしょうがないでしょ」

まき絵
「じゃあ、あれ、思い切り嘘じゃん!」

アキラ
「あれって?」

まき絵
「とっとこh……」

アキラ
「わー!わー!わー!」

まき絵
「何?
 どうしたの、急に大声で」

アキラ
「具体的な作品名とか出さないの」

まき絵
「別によくない?」

アキラ
「よくない」

  まき絵
「んー、わかった」

アキラ
「わかってくれてありがとう」

まき絵
「でも、あれ、めちゃめちゃ昼間から走り回ってるじゃん」

アキラ
「んー…、まぁ、そうだねぇ…」

まき絵
「昼間から全開だよね」

アキラ
「これはどう宥めたらいいだろう」

まき絵 「え、じゃあ、あれも嘘?」

アキラ
「嘘呼ばわりはやめようか」

まき絵
「♪だーい好きなのはー」

アキラ
「わー!わー!わー!」

  まき絵
「今度は何?」

アキラ
「歌はね、色々と面倒だからナシの方向で」

まき絵
「そうなの?」

アキラ
「そうなの」

  まき絵
「わかった、じゃあ歌はやめとく」

アキラ
「ありがとう」

まき絵
「やめとくけど、ひまわりの種が好きなのは?
 あれも?」

アキラ
「あれは…あれはって言うのも変な話だけど、
 あれは本当」

まき絵
「本当なのね、あぁ、良かった。
 あんな大人気アニメなのに中身嘘でしたってなったら
 小さい子たちが傷つくよ」

アキラ
「そのピュアさに驚くなぁ…。
 でも、確かにそうかも知れないね」

まき絵
「でしょ?」

アキラ
「うん、そうなんだけど…。
 この流れだと言いづらいな」

まき絵
「え、何?」

アキラ
「ハムスターって、
 縄張り意識が強いから多頭飼育には向いてないんだ」

まき絵
「タトウ…シイク?」

アキラ
「何匹も一緒には飼えないってこと」

まき絵
「そうなの!?」

アキラ
「…うん」

まき絵
「歌、歌!
 歌わないけど!
 あの2曲目のエンディングテーマもだし、
 作品の中でもバンバン友達と遊んだりしてるのに!?」

アキラ
「…何かごめん」

まき絵
「いや、アキラが謝ることはないけどさ」

アキラ
「そうだろうけど」

まき絵
「どっちかって言ったら作者に謝って欲しい」

アキラ
「何てこと言うの」
 
まき絵
「だってそうでしょ。
 可愛くて、元気て、友達たくさんでって、
 皆イメージしたと思うよ、とっとこで」

アキラ
「そういう子供は多いかも知れないね」

まき絵
「それなのに実際のハムスターは
 寒いの駄目、暑いの駄目、ジメジメも駄目、
 タトウシイク?も出来ないって、
 どういうことなの、これ」

アキラ
「なるほど、考えたこと無かったけど、
 そういう捉え方したら『どういうことなの』ってなるかもね」

まき絵
「『かもね』じゃなくて確実になるでしょ」

アキラ
「まき絵の捉え方を考えたら
 トドメになるような注意点があるんだけど、聞く?」

まき絵
「まだ何かあるの?
 聞く、聞く」

アキラ
「…よく脱走する」

まき絵
「そこはとっとこと同じ!?
 もう飼うのやめるように実家に連絡する!」

アキラ/まき絵
「どうも、ありがとうございました」