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ウェールズ 3−1 ベルギー
EURO 2016/QF
(16/07/01:スタッド・ピエール・モロワ(フランス))


「攻め込むベルギーと耐えるウェールズ」という戦前の予想通りな立ち上がり。

守備時5−3−2のウェールズに対して、
ベルギーは最前線にルカクのみを置き(ウェールズ最終ラインで人がダブつく)、
数の優位性を活かしてウェールズの「3」の手前で自由にパスを繋ぎ、
「3」を片方のサイドに寄せては大きなサイドチェンジ。
これにより、「3」の疲弊とスライドが間に合わないところで攻めることを狙いとした。
特に、ウェールズの左サイドを弱点と見ていたか、
カラスコをそちらのサイドいっぱいに張らせておいてウェールズの左WBを引っ張り、
大きなサイドチェンジで彼に預け「3」のスライドが間に合わないところで
カラスコとサポートの選手で2対1を作る、
ウェールズ左WBと左CBの間のスペースに誰かが飛び出す…といったカタチで好機を得ていた。

そうこうしてるうちにナインゴランのゴラッソでベルギー先制。
これはウェールズ苦しいなぁ…と思ったら、
このゴールでベルギーが途端に消極的になってしまう。

ベルギーは守備時4−4−2でセットするもブロックの位置が低く、
中盤の4も前線の2もボールに対するアプローチが乏しい。
これによりウェールズが比較的ラクにボール回しをし、
その中でリズムが生まれ、
彼らもまた相手の左サイドを弱点と見ていたようで、
ボール回しの中からベルギー左SBと左CBを狙い撃ちで攻めて行く。

ベルギーの左SBと左CBは、後半途中でベルギーが変則3バックになるまでの間、
「このレベルの試合でもここまでの穴が観られるんだな」というくらいに
ボロボロにされてしまう。

CKからウェールズが追いつき、更にイケイケの雰囲気で前半が終了。
ベルギーは姿勢なり守備方法なり左サイドなりを手当てしないと後半もやらっれるぞ、
と思っていたら、後半アタマからフェライニが投入される。
お、攻撃への姿勢を強化する選択をしたかに思えたし、
実際にそうだったと思うのだが、
代わってベンチに下がったのは右サイドで役回りをきちんとこなし、
好機の演出に貢献していたカラスコだった。
え、いいのか…?

後半立ち上がり。
フェライニ投入の効果か、ボールを握りリズムよく回せるようになったベルギー。
立て続けに3本、惜しいシュートまで持ち込み「これで行けるか」という雰囲気が漂うが、
ウェールズ後半最初のカウンターを見事に決められ逆転を許してしまう。

ロブソン・カヌのターンは確かに鮮やかだったが、
3人が同時に釣られてしまったのは…。

こうなると、あとは最後までウェールズの流れだった。

ボールを握り攻め込むベルギーだったが、
中央に寄っていたり、(主にアザールだが)球離れが悪かったりで、
ウェールズが待ち構えてるところに仕掛けていっては跳ね返される展開。
左SBを下げての変則3バックで前線を増やすも焦りが増すばかりで有効な崩しは見られず、
終了間際にはカウンターから3失点目で終戦…。


ベルギーのポイントは、やはりカラスコを下げたことかなぁ。
これにより相手の弱点である左サイドの守備を突く攻撃が無くなり、
ピッチ上の選手たちが得意な(だけど相手もわかっていて構えているところへの)攻撃のみになってしまった。
この状態で崩し切れるほどの能力差ではなかったということだね。
…まぁ、フェライニ投入で掴んだ流れの中で先に点を取れていれば、
この交代も議論の対象にはなれど最大のポイントにはならなかったのだろうけどね。

自分が出てきて、狙い通りに好機を作れて、さぁ行くぞって雰囲気の時に、
一発目でスコーンとやられてしまったフェライニはちょっと可哀想だったね。
(とはいえ、その失点シーンでのフェライニの守備は大概だったわけだが)





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