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G大阪U-23 2−2 讃岐
J3/第11節
(19/06/09:吹田)
DAZN



G大阪U-23スタメン

______食野__高木______
川崎______________白井
______芝本__長尾______
西村____高橋__松田____奥田
________林_________



讃岐スタメン

________我那覇_______
西___佐々木____池谷___渡辺
________永田________
荒堀____竹内__武田____柳田
________清水________



スタメンにユース所属選手が6人、平均年齢が18歳代のG大阪U-23と
スタメンに30代が6人、平均年齢が29歳代の讃岐。
前節までの17得点中10点を60分以降に記録しているG大阪U-23と
前節までの7失点中5失点を60分以降に記録している讃岐。
対象的な数字を示す2つのデータが説得力を持つ試合となった。



G大阪U-23。
食野はトップで「売り出し中」と言っても差し支え無さそうな亮太郎ではなく、
ユース所属で弟の壮磨。

全員が、基本的な技術がしっかりしていて、且つ、速さと量の伴った走力を持っている。
加えて、志向しているサッカーがユースから一貫しているゆえだと思うのだけど、
流動的なメンバー編成にならざるを得ないU-23チームでありながら、
ショートパスを繋いで崩すスタイルにブレが無く、
この日ピッチに立った14人がきちんとチームとして整っていた。

試合開始当初は両SBを上げた2−4−4でビルドアップをしていたんだけど、
讃岐の4−1−4−1に対しサイドに追いやられてばかりの状況をみて
前半半ばからはSBの片方が最終ラインに残った3人でのビルドアップに変更。
これが見事に奏効する。
讃岐の運動量が落ちたことや守備の連携のマズさ(讃岐のところで書きます)も
もちろん影響していたものの、
この変更で中央レーンで前進出来るようになると、
そのまま中央への楔を入れて崩す、
あるいはサイドに振って崩せれば崩す、駄目なら中央へ戻す…と
常に崩しを意識しながらの押し込みで試合を支配。
2点のビハインドを追いついたのみならず、
逆転してもおかしくない雰囲気の中でタイムアップの笛を聞いた。

ユースの選手はこれからJ3のレベルに慣れていくだろうし、
かなり上位に食い込んでいくんじゃないですかね、これ…。




讃岐。
「なるべくボールを握る」「高い位置で奪う(奪い返す)」がある程度表現出来ていたのは、
またも前半半ば過ぎまで。
相手が対応してきた時のバリエーションの無さと、
繰り返される、運動量低下に伴う後半の失速は
早急に改善されなければならないでしょう。
加えて今日は、後半にピッチ内での守り方の意思統一がままならず、
ディフェンシブサードにかかる辺りで相手に余裕を与えてしまい、
それが45分もの間まったく修正出来なかった。
DFラインがさらされる状況で技術のある相手にあれだけの余裕を与えてしまっては
やられてしまうのも道理である。

後半の守備について詳しく書く。
G大阪U-23のところでも書いたように、
彼らのビルドアップに対して前半半ばまでは上手く守れていた。
ところが、彼らがビルドアップ時の並びを変え、
「最後尾に余裕を持つことでこちらの最前線を剥がし、
 IHを引き出したところでそのウラに入ったDH(芝本、長尾)に預ける」
というやり方に変えると、
これに対して有効な守り方がまったく出来なかった。
(後半途中で池谷を前に出した守備時4−4−2に並びを変えるも、
 中盤の4と前の2の連携がまったく取れておらずに
 やられ方としては同じ現象が続くこととなった)
4−1−4−1で守る讃岐はIHが引き出されてそのウラを相手DHに使われると、
ボールよりも自陣側に残る布陣は4−1−2で、
(逆サイドのIHはボールホルダーと同じライン上にいるものの、距離があるので守備に関与出来ない)
2は両サイドだから中央の広大なスペースに永田1人が晒される。
一方でボールホルダーより讃岐ゴール側にいるG大阪U-23の選手は
2トップ、両SH、片方のDH、片方のSBである。
良い状態でボールを持つG大阪U-23のDH(芝本、長尾)は豊富な選択肢を持つことが出来る。
自分で中央を運んで永田を引き出す、
永田の脇に楔を入れる、
数的優位が生まれているサイドへ散らす…。
多く見られたのは2つ。
1つ目は池谷のウラで芝本がボールを持つ状況で、
これにより讃岐の右SHは
「芝本を止めに行くのか」「このまま左SB(左SH)のマークに付くのか」を迫られ、
結果、崩されていった。
西は交代に追いやられ、市村もまるでいいところが無かったゆえんである。
2つ目は永田の脇に入ったトップへの素早い楔。
この楔にSHが「3人目の動き」で讃岐DFラインのウラへ抜け出したり、
楔の落としを受けた選手がサイド深くへ展開したり…といったパターン。
まぁ、最後の部分の崩され方はさておき、
DFライン、永田、林、市村としては、守るのがとても困難な状況がずっと続いたということ。
よく同点止まりで踏みとどまった…とみるべきかも知れないほどに。

では、どうすれば良かったのか。

(外野、しかも素人が机上で語る)手段は様々あると思うんだけど、
スコア状況と双方の運動量や動きのキレを鑑みれば、
「後ろの選手もしくはベンチが
 『奪いに行くな』『後方でブロックを築くぞ』と
 我那覇(木島良輔)、ワタル、池谷に強く言うこと」
が、最も良かったのではないかと思う。

前半で既に、人数が揃ってる中で中央をパスで割られて失点しているので、
後方に構えてスペースを消したところでまたやられたかも知れないけど、
少なくとも、押し込まれたとて相手の好機の数は減らせたハズである。
即ち、失点の確率も減らせたハズでは、と。

上村監督には、今こそ
「やりたいこと、やれること、やらなければならないこと」の整理と
(それは、そのように判断する基準の見直しを含む)
具体的な方策の落とし込みをお願いしたい。



2点を先行しながらも追いつかれてドローで終わってしまったこと。
追いつかれるに至るサッカーの内容。
昇格を見据えた時に敗戦した次の試合が引き分けに留まったこと。
…諸々、けっこうダメージが大きいなぁ、と思うのだけど、
最後はこの試合で良かったことを挙げて雑感を終えようと思う。

1つ目は、ワタルと永田の位置を入れ替えても機能することが実戦で示されたこと。
正直、永田の運動量が前年、前々年に比べて落ちてきている中、
より運動量の必要なIHではなくアンカーに置いてチームが機能するのであれば、
それに越したことは無いと思う。
アンカーでパスを散らしていたワタルには、IHでより決定的な仕事を期待しよう。

2つ目は、サイドチェンジの意識がこれまでよりもあったこと。
(少なくとも片方の)SHにドリブラーを配しているわけだし、
サイドチェンジが出てきてアイソレーションさせる場面は
もっと増えていいよね。
この試合がそのきっかけになればいいと思う。

3つ目は、渡辺が覚醒したかも知れないことと、荒堀の調子が上がってきたこと。
渡辺に関してはこれまでも書いてたけど、
先のサイドチェンジも含めて、
スペースを与えてあげる、サイドチェンジでアイソレーションのシーンを作ってあげることで
やはりいいものを持っていることが証明された。
攻撃で気分良くやれてる時は守備にもいい影響があるのだろう、
今日はこれまでの試合の中ではいちばん守備も出来ていた。
これからもガンガンやって欲しいね。
そして荒堀。
この試合までの低調ぶりは何だったのかという動きだった。
もともと左サイドもこなしている選手だけあって
(本来は右サイド専従の)市村が入った時よりも左肩上がりの攻撃がスムーズになるし、
前半の「白井には絶対仕事させないマン」ぶりも心強かった。
昨季終盤に相当するような大活躍を、これから頼むぜ。





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