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八戸 5−1 讃岐
J3/第16節
(19/07/14:ダイハツ)
DAZN



八戸スタメン

________谷尾________
_____三田____中村_____
佐藤___新井山__前田____國分
____穂積__近石__小牧____
________山田________



讃岐スタメン

________重松________
森川______池谷_______西
_____佐々木__永田______
荒堀____麻田__竹内____市村
________清水________




攻守に躍動した前3枚に中盤と後方がそれを支えた八戸と、
動きが重く、細かなミスの多さと無策により失点を重ねた讃岐。
八戸は、試合後に参加することになっていたという地元の七夕まつりに、
ホームでのゴールラッシュという手土産を用意することが出来た。



八戸。
前3枚で讃岐のビルドアップを牽制、ミスを誘っておいて、
ボールを奪うと即座にウラを狙う速い攻撃。
裏抜けする選手と遅れて入る選手、その距離感や角度は洗練されていた。
ウラを取られることを警戒して讃岐のDFラインが素早く後退すれば、
その動きにより生まれるアタッキングサード手前のスペースをWBで有効活用。
アーリークロスに前の3枚が反応する形を作っていた。
この、効果的な2つの攻撃の使い分けは見事だった。

守備では、前述のように前3枚で讃岐のビルドアップを牽制しておいて、
DHないしSBに入るところ、
トラップした瞬間を狙い強烈な圧力をかけて度々ボールを奪取。
最前線から引いて受けようとする選手に対してはCBが付いて行き、
激しい当たりで前を向かせなかった。
(小牧、近石のハートマークは重松、木島徹也を苛立たせていた)

相手が変化してきた時に攻守両面でどうなるのかはわからないけど、
今日の試合のような(おそらくこれが「自分たちの」)戦い方が出来た時の破壊力は
よくわかった。

谷尾は、来年はJ2昇格を狙うチームかJ2下位のチームにいてもおかしくないと思う。
あと、佐藤の左足はやっぱりJ2以上レベルだと思う。
(西に3回ほどぶち抜かれてたけど)メンバー見て何で八戸にいるのかと思ったもの…。




讃岐。
ビルドアップの一翼を担っていた柳田が欠場ということもあってか、
4−2−3−1でスタート。
右DHの永田が右に降りてくることで、
柳田が出場していた時と同じ3+1でビルドアップする体制を用意してきた。
この判断自体は良いものだったと思う。

問題は、試合が始まってみてから。

全体的に動きが重い。
さほど圧力を受けてるわけでもないのにパスがズレ、トラップも大きくなる。
相手のビルドアップ対策と自分たちに起因する機能不全への対応、修正がまったく出来ない。


ビルドアップについて。

前述のように、「3+1」といういつもの形を用意したんだけど、
「3」である麻田、竹内、永田が近い距離(ゴールエリアよりも少し広いくらいという近距離)に
留まっていて、
相手の前3枚が容易にハメ、二度追い、讃岐DHに入った時のプレスバックが出来る状況を
自分たちで作ってしまっていた。
「3」は最低でもボックス幅と同等くらいの距離を取って、
相手の前線守備を広げる、自分たちのパスコースを作らねばならないだろう。
これは何もこの試合に限ってやらなければいけなかったことではなく、
「定石」である。
八戸の前3枚が強烈な圧力をかけてきたわけでもないのに、
怖がってしまっていたのだろうか。
今季ここまでの試合を見れば、
麻田や竹内には定石通りの距離を取っても十分にパスを回せる技術レベルがあるのは
間違いないと思うのだけど…。

そして永田の低調さ。
今日は特にプレイが遅く、
ここ数試合目立っていた「後方からボールを狩られる」場面の多かったこと…。
永田は極端に自分の足元でボールを持つ選手なので、
後方から狩られやすいタイプだとは思うんだけど、
普段の永田であれば、寄せてくる相手を察していなせているんだよね。
それが出来ないほどに低調であるということ…。
前半のうちに赤星へと交代したことも、致し方ない出来だったと思う。

赤星は赤星で、降りてくる時の身体の向きに問題があった。
左利きの彼が中央側を向いた半身で降りてくることで、
自分より左側に居る麻田、竹内からのボールを受けても、
自分より右サイドに居る市村と西にワンタッチで出すことが出来ないんだよね。
相手からすれば、
「降りていく赤星からワンタッチで出るボールは中央方向に限られる。
 市村と西のマークは捨てて赤星に圧力だ!
 トラップした瞬間に狩れればそのまま讃岐ゴールに雪崩込めるぞ!」
となる。
赤星はもっと身体を開いて(相手ゴールに正対するような向きで)降りて来なければいけなかった。
で。
このレベルのことが出来てないのに降りていく役で起用されたというのは、
永田のあまりの低調さによるぶっつけだったのではなかろうか。

「3」の距離が近過ぎる問題と永田、赤星の個人的な問題で
いつもの「3+1」ビルドアップが上手く出来ないぞ。
どうしよう。
…ベンチは特に何もしなかった。
ピッチの選手たちも自分の判断で何かをすることは無かった。
どちらも、この何試合か見続けてきた光景だ。
これが続くというのは凹むぜ…。

監督は本当に引き出しが無いのか。

降りる役を佐々木に代えてみるとか、
佐々木を中央から移動させて前方へのパスコースを創出するとか、
森川が復帰してる(しかも荒堀を上げることで森川を中に入れて重松との2トップ状態にしてる)のだから
彼を目掛けて蹴ってみるとか、
相手が3バックなんだからサイド奥へ蹴ってみるとか、
相手の前3枚が1トップ2シャドーなんだから
こちらを「3+1」ではなく「2+N」にして出方を伺ってみるとか。
(麻田と竹内に対して谷尾以外の選手が前に出てくるのか伺う)

やり方はあるんじゃないかと思うんだけど…。

そして、ピッチ内の選手も自主的にそれらのやり方を模索してみても
いいんじゃないかと思うんだよね…。
竹内とか市村とか「経験」あるハズだよね…。
それに基づいて自分たちでどうにか出来ないものなのかな。
自分たちの判断でプレイしたら干されてでもするのだろうか…。

前節(vsC大阪U-23)で久しぶりにビルドアップが上手く行ってたのは
相手の守り方の問題で自分たちが変化したわけではないのは、
きちんと振り返れているんだよね…?



ビルドアップ以外のことについても、幾つか。

チーム全体に感じた、身体の重さ。
アウェイが続いてることが要因なのかな。
行った先でもJ2の時より環境は悪いだろうし…。

パスのズレ、トラップミスの多さ。
前線の選手に関しては八戸の圧力もあったけど、
ビルドアップの部分でのそれは、身体の重さに起因しているように思う。
前述したけど、
八戸がビルドアップに対してかけた圧力は
普段であればいなせるような「牽制」くらいのものだったと思う。

ハイラインを敷いた/敷き続けた判断。
言わずもがな、ハイラインはハイプレスがかかっている前提のもの。
身体の重さでプレスがかからない状態でハイラインを敷いては、
ウラ取られ放題なのも道理。
パスのズレ、トラップミスが出た時にも当然ウラを取られる。
出来れば1失点目、遅くても2失点目でやめて欲しかったけど、
ずっと続いてたよね…。
ウラを取られたボールに清水が「カミケン」を2度発動させても、
この失点数になるほどに…。

市村と西の、攻守における連携の悪さ。
攻撃面においては、
使われるタイプの市村とドリブルが得意な西の組み合わせなので、
ここが上手く行くとはもとより思っていなくて、
市村が後ろでしっかり備えることで西が思い切り仕掛けられればいいなと思っていた。
前半に3度ほどあった西の単騎突破は、そういう面があったと思う。
チームとしてのビルドアップの低調さに引っ張られた面は考慮すべきだけど、
市村と西が同時に大外に張ってしまうことが多くて
西の仕掛けの数を増やせなかったことは残念。
守備面においては、
WB(佐藤)に対してSH(西)とSBのどちらが付くのか問題が
まったく整理されていなかったのがとても残念だった。
「どうすんの?」から結局市村が遅れて佐藤へと出ていくことが多かったんだけど、
ここで佐藤に余裕を与えてしまったがゆえのピンチが何度あったか…。
(アーリークロスを許す、
 市村が出ていったスペースに三田らが流れて来てその選手に竹内が引っ張り出されて…となる)
ボールの状況次第で臨機応変にすべきではあるけれど
(試合中に市村と西でコミュニケーションを取ってどうにかして欲しかった)
「基本的にどっちが相手WBを見るのか」は予め決めておくべきことだと思うし、
これは、ベンチにも大いに責任があると言えるでしょう。
市村はチーム事情で慣れないポジションを何とか埋めるという起用法をされている中、
Webを見る限り讃岐サポに可哀想な言われ方をしてるな…と思ってたんだけど、
本職の右SBで出場したこの試合においては、「それは言われてしまうよ」と思ってしまう。

荒堀。
この試合に限らない話。
行けるという判断のもとで行ってると思うんだけど、
SBの選手なのに一発で相手と入れ替わられてしまうような
インターセプトへのトライやアプローチの仕方は、
控えてもらいたいな…。
トランジションを売りにしてるチームでもないしさ…。

重松。
相手のガツガツした当たりに笛が吹かれなくて苛立ってたのはわかる。
けど、一発レッドになるようなことは駄目だわ…。
アタマ冷やそう。
戻ってきたらゴール量産頼む。

森川。
お帰り。
待ってた。
今日はまだ本調子とは行かなかったけど、
これから頼む。

林。
前節、交代でベンチに下がる際に左の腿裏を気にしていたので、
嫌な予感がしていた。
的中のベンチ外…。
オオゴトでないことを祈る。

柳田。
まさかのベンチ外で驚いた。
怪我…なのか?
次節はスタメンであって欲しい…。
余談だけど、もし怪我であれば、前節の不可解な市村の配置が説明出来てしまうんだよなぁ…。
・林と柳田が怪我だ
・でも交代枠1枚しか残ってない
・林の方が重傷っぽい
・じゃ、交代枠は林に使おう
・柳田が怪我で走るのはしんどそうだし、投入するのは市村にして右SBだ。
 これでしっかり守ろう。
 柳田もベンチに下げたいけどとりあえず右SHに残るだけ残って無理はするな
[Q.E.D.]

上村監督。
シーズン序盤は
「最初はロングボールで相手を押し下げよう」
「相手が3バックだしFWをサイドに流れさせてそこに当てていこう」
みたいなことが出来ていたと思うんですよ。
そして、それらがあったからビルドアップがより有効だった、と。
現状、ビルドアップにこだわり過ぎて、相手からすれば潰すべきが1つなのでラクなのでは。
色んな攻撃を混ぜてみるか、
ビルドアップにこだわり続けるなら、新たな引き出しの提示を。
とりあえず「1列飛ばしのパス禁止」みたいに見える現状が変わるだけでも、
だいぶ違ってくるのでは…と思います。
それと、この2試合の、サブにFW3枚というのは…。
1枚削って鈴木を入れておくことで
対応できることの幅が格段に広がると思います。




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