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讃岐 0−1 鳥取
J3/第25節
(19/10/06:Pikara)
DAZN



讃岐スタメン

________木島徹_______
森川___福家____重松___中村
________佐々木_______
荒堀____麻田__竹内____柳田
________清水________



鳥取スタメン

_________林________
_____三沢___ガブリエル___
魚里____福村__可児____上松
____高畑__井上__池ヶ谷___
________北野________



戦い方、球際、対応力で上回った鳥取が順当に勝利を収めた。
讃岐は、与PKは不運だったと言えるが、
全般、覇気を感じられない戦いを披露してしまった。




讃岐。
鳥取のビルドアップと左サイドの活用になかなか対応出来ず、
自分たちのビルドアップは阻害された上にその対応策を間違えてしまい、
前半はかなり苦しんだ。
後半に入りフォーメーションを変えることで盛り返したように見えたが、
人選のミスマッチと鳥取の素早い対応により
可能性を感じさせたのは50分辺りから70分辺りまで。
良くてスコアレスドローという試合を演じ、与PKにより力尽きた。

必要に応じて可児と福村が最終ラインまで降りてビルドアップを始める鳥取。
まず、この動きに対して讃岐は誰がどこまで付いていくのか、
どの形になったら圧力を強めるのか等が整理されていなかった。
そうしてるうちにミドルサード手前までボールを運ばれると、
左サイドに高畑(可児、福村)を底に魚里と三沢による三角形が出来上がり、
これによるボール回しで翻弄されてしまう。
最終的には魚里のスピードを活かした突破からのクロスという形で崩され、
度々ピンチに陥っていた。
中村と柳田が苦しむ中、佐々木、重松、状況により竹内までもが
この三角形の阻害に加担するが、
そうなると鳥取もガブリエルまでが左サイド〜左HSに加勢してきて
安定したボール回しから後方に戻しやり直しを図るのだった。

讃岐がすべきだったのは可児と福村の制限か、
3バックに猛烈な圧力をかけるかだったのでは、と思う。
(後半になって4−4−2にシフトして後者を選択することで一時持ち直したのだが…)

また、鳥取は讃岐の「左肩上がり」「3+1」ビルドアップに対して、
「3」に1トップ2シャドーを揃え、「1」佐々木には基本的に可児が付いていき、
左の荒堀と右の中村には対面するWBが捕まえる形を採用してきた。

これに対し為すべきは「3」の人数を増やす、IHが降りてくる(相手DHは一人になっている)等が
あると思うのだけど、
20分ほどが経過したあとに讃岐が採った策は、
柳田を三沢の前に、佐々木をガブリエルの前に立たせてピン留め、
竹内、麻田と共に四角形を形成するというものだった。
これ自体はそこまで悪手だとは思わないのだけど、
これをやるのであれば、
竹内と麻田は林一人では追えない距離を取って、
2人のうちどちらかがドリブルで前に運ぶ、
フリーな状態から良いパスを供給するというもののハズなんだけど…。
ピッチ上に描かれたのは
林、三沢、ガブリエルの3人で竹内、麻田、柳田、佐々木の4人を見張れる
コンパクトな四角形だった。
当然、ビルドアップが改善されず。

3バックの相手に対してサイド奥に長いボールを蹴るような工夫もなく、
前半は可能性を感じさせずに終えることに。


後半になり、4−4−2に変えた上で前から奪いに行く姿勢を見せたのは
攻守両面でいい修正だったと思う。
2トップ+両SHの最大4人で鳥取最後尾に圧力をかけることで
自由なビルドアップを許さなくなったと共に、
鳥取が守備面でどのように対応するか決めきれないでいた時間帯には
右サイドでひし形を作れるようになり、得点の匂いも漂うようになった。

誤算だったのは中村の負傷交代。
代わって出場した高木は明らかに動きが重く、
言ってしまえばダントツで本日のワーストプレイヤーだった。

加えて痛かったのは、鳥取が中村の交代と同時に適切な手当てを行なったことだろう。
可児に代わって登場した大屋は讃岐の4−4−2化により生じていた問題を、
経験と正しいポジショニングとで、一人で解決してみせた。
具体的には、
ビルドアップ時に左サイドで讃岐右SH高木が追ってこれない深い位置まではっきりと降りて
ボールの逃しどころになりながら自身で組み立てを始めたことと、
左HSに入って重松が寄せるかどうか迷う絶妙な位置で
受けて捌いてをしていたこと。
守備においては、予め高木寄りに位置しておいて中央へパスを誘導、
プレスバックしてくる三沢と共にそのパスへと鋭く寄せることで
可能性が生まれていた讃岐の右サイドを鈍らせたこと。
左SBとDHでプロとしてのキャリアを積んできた彼の、見事な振る舞いだったと思う。

中村の交代と大屋の登場で盛り返した勢いを削がれたあとは、
前半ほどではないもののジリ貧の展開に。
荒堀の与PKは責められないだろう。
良くてスコアレスドローという試合の流れを、
良い方向に持っていくだけの粘り腰が無かったということ。


荒堀。
どんまい。

森川。
今日は中盤で確実に繋ぎたいところでのパスミスが多かったね…。

重松。
木島徹、福家との共存の中で守備仕事ばかりやらせて申し訳ない。

上村監督。
ベンチに控えGKを入れなかったのには純粋に驚きました。
(この件に関しては批判めいた感情はゼロで本当に純粋に驚きました)
攻め達磨に転じる決意なのかな、とも思ったり。
試合開始前のインタビューで
「鳥取のやり方が読み切れないので始まってみてから」と
語っていたのだけど、
決め打ちまでは行かなくても数パターンは想定していたのだろうから、
15分くらいで適切な対応をして欲しかった。
(鳥取のやり方が想定外だったのだろうか…)
高木の投入は、彼の経験値に賭けたのかな…。
彼のコンディションは、あまりにも悪かったけれど…。
就任時に口にした
「選手が90分終わったときは倒れるくらいの本当に一生懸命勝ちに対して、相手に対して戦う」
「見に来てくれるお客さん、サポーターさんが気持ちよく帰れるよう、
 がんばったな、いや負けたけど楽しかったな、引き分けたけど楽しかったな」
は、前節のような試合だと思うんですよね。
ちょっと、そこからは遥か遠い90分ばかりになっていると感じます。




鳥取。
(鳥取に限らず)讃岐との試合以外は観ていないので何ともなんですけど、
上村監督の試合前インタビューを信じるなら、
色んなバリエーションを持っているということなんですかね。
それが得点でリーグ3位(前節終了時)の攻撃力を支えているということなのかな…。
で、バリエーションの中から、
讃岐を相手に今日のやり方を選択したのは正しかったと思います。
前半の内容のまま推移しても、0−1ないし0−2くらいで鳥取が勝った試合だな、と。

大分から育成型期限付き移籍で高畑を獲得したのは当たりですねぇ。
しっかり繋ぐ中で予めWBを押し出したいサッカーをするのに、
うってつけの選手。
魚里のスピードを高い位置で発揮出来るようになるし、
大分としても育てたいタイプのCBなので、鳥取とWIN-WIN。
期限付き移籍ってのはこうでなきゃ!という例だと思います。

可児に代えて大屋を投入した采配も見事だったなぁ…。





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