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長野 0−0 讃岐
J3/第28節
(19/10/27:長野U)
DAZN



長野スタメン

________齋藤________
木村_______東______三上
______山田__新井______
有永____浦上__遠藤____内田
________阿部________



讃岐スタメン

________福家________
森川______重松_______西
______高木__鈴木______
長澤____麻田__竹内____荒堀
________清水________



優勢に試合を進めながら得点に直結する部分で質を欠いた長野と、
アタッキングサードへの侵入自体が限られた讃岐。
90分のうち7割超の時間帯で、長野が強度で上回った。




長野。
実況によると普段は3バックらしいのだが、
この試合では4バックを選択。
対讃岐という感じは読み取れず、その意図は不明。

ボール非保持4−4−2で「とにかく前から奪う」という意識を前面に出した強度の高い守備を、
キックオフの瞬間から披露。
46分〜75分は全体が間延びしつつも前の選手がその意識を継続していて
危うさが見られたが、
その時間帯を選手交代で乗り切ると、76分以降は再び讃岐を押し込んだ。

讃岐の「3+1」ビルドアップに対して4−4−2化した「2」、齋藤と東が機能。
「3+1」の「1」である高木へのコースを消しながら
パスをサイドに誘導し、
その先で木村・山田、三上・新井がタイトに当たることで讃岐の前進を阻害した。

自分たちのビルドアップでは両SBをやや前に出した2−4−4のような形が多く、
これにDHの片方がCB間に降りて3−3−4のようになるケースも。
いずれにしても、4−4−2で構える讃岐の「2」の外側を利用しての前進を図っていた。

遅攻でも、讃岐の前進を中盤で潰してのショートカウンターでも、
早いタイミングでサイドから斜め前にパスを預け、
受けた選手がHSから中央へとこれまた斜めに仕掛けていくことが多かった。
この攻撃は自分や相手の状態とは無関係に繰り出され、
且つ、仕掛け役の選手の個に頼るばかりで、
時に性急、稚拙に見えた。
ここにもっと約束事が用意されていれば、
今日の前半の強度であれば、得点にまで持ち込めていたと思う。
仕掛けて、苦しくなって、逃げのパスで右に叩いて、
SBの内田が追いつけなかった場面は2度や3度ではなかった。
彼が上がるタイミングまで待って仕掛ければ、
讃岐の守備陣にドリブルと彼へのパスの両方への警戒を強いるわけで、
そうなればフィニッシュへと持ち込める確率も上がるのだけど…。
プレースキッカーを務める有永が左SBに(途中から右SHに)いて、
さて、彼がクロスを上げる場面が何度あったかな?

得点数29の讃岐のサポに言われたくはないと思うだろうけど、
消化が1試合少ないことがありつつも得点数リーグ最下位の24という数字は、
攻撃に関するチームの能力を正確に反映しているな、と思う。




讃岐。
長野のところで書いたけど、「3+1」ビルドアップは
4−4−2化した長野の「2」に上手く制限されてしまっていた。
これについては思うところが2つあって、
長野の「2」の間で背中側にポジショニングした高木が、
何度も「俺に渡せ」と要求していたので、間を通して高木に出せば良かったというのが1つ。
長野の「2」の距離感は、竹内や麻田であれば間を通せる程度だったと思う。
何故トライしなかったのかが不思議。
もう1つは、荒堀と麻田がもう少し開くことで長野の「2」を広げる工夫が欲しかったということ。
讃岐の「3+1」の「3」は、
試合中に相手を見てその距離を調整することを決してしない。
(「決してしない」と強い表現をするほどに、しない)
これが不思議でしょうがないんだよなぁ…。
自分たちが広がれば相手の最前線(今日であれば長野の「2」)も広がって
パスを通すだけの隙間が出来るし、
相手の最前線が広がらずに1列後ろの選手のポジショニングで対応しようとするなら、
圧力が弱まった「3」の両翼(今日であれば荒堀と麻田)が
余裕を持って次への展開が出来る。
フィードしてもいいし、自分で持ち上がって相手にさらなる陣形の修正を強いてもいい。

長野の「2」で「3+1」が制限されたことに対しては以上の2つを思ったのだけど、
今日に限れば、まぁ、制限されたままでも悪くないかな…とも感じていた。
というのも、制限されて上手く前進出来ないながらも、
あれだけの強度で長野が当たって来ているにも関わらず、
「3+1」に長澤や鈴木あたりまでを加えた讃岐の選手は落ち着いてボールを回し、
最後尾で危険な奪われ方(=失点に直結するミス)をしそうな雰囲気が無かった。
長野が後半の早い段階で失速するであろうことはその強度から予想出来たので、
「前半は長野を走らせておけばいい」と思えたんだよね。

事実、46分から75分までは、
長野の前線は前半同様に讃岐のビルドアップを阻害しようとしていたけれど、
中盤の選手が付いてこれなくなっていて、
讃岐は中盤で前を向けるようになっていた。
今日のより大きな問題とすべき点は、
この時間帯の攻撃のクオリティにあると言っていいでしょう。

プレッシャーもそれほどでない中盤でボールを持って前を向いておきながら、
良い形でアタッキングサードへと仕掛けていけたのは何回あったか…。
この試合のキックオフ前インタビューに限らず、
上村監督は「攻撃の準備をしてきた」「攻撃のバリエーションを増やす」というコメントを
よく残しているけれど、
それを存分に発揮出来るハズのシチュエーションなんだけど……。

失点しなかったことの安堵よりも、この部分の落胆の方が大きかったです。



重松。
1トップでないなら左SHの方がいいと思う。
中盤で中央にいると、球離れが遅いことが最大限に弱点化してしまう。
タッチラインの保護がなく360度全方向からから相手が囲ってくるし、
ボックス付近でないからファウルしてしまうことへの警戒心も薄いからね…。

高木。
ここ2試合はコンディションの良さを感じる。
このままシーズン終了までキレキレでお願いしたい。

武下。
本職である右SBでの出場。
守備は破綻なくこなせていたし、
ビルドアップ時の特殊なポジションチェンジにもスムーズに対応
(彼が投入されてからは鈴木が基本的に右に落ちて「3」を形成していた)
柳田の負傷がリリースされ、
荒堀も試合中にテーピングを巻き直すような状態ゆえ、
(ある種情けない話ではあるけど)残り試合も頼ることになりそう。
スクスクと育って欲しい…。





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