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横浜FC 1−5 川崎
J1/第5節
(20/07/18:ニッパツ)
DAZN



横浜FCスタメン

______斉藤__一美______
_____瀬古____松浦_____
松尾______佐藤______中山
____小林__田代_星______
________南_________



川崎スタメン

長谷川____ダミアン_____家長
_____大島____脇坂_____
________田中________
登里____車屋__谷口____山根
_______ソンリョン______



ピッチ上が将棋の盤面と化した前半、
横浜FCの若さが躍動した後半の立ち上がりを経て、
川崎が自力の違いを見せつけて勝利した。




横浜FC。
最後尾からボールを繋ぐスタイルを志向していて、
それは川崎のハイプレスを前にしても貫けるほどに整備されていた。
川崎のSBが縦スライドを躊躇するWBの立ち位置や、
タイミング良くアンカー脇に降りてきて最後尾を助けるIH、
相手アンカー脇に楔を打ち込むことも交えたり、
3バックの自分たちに相手が3トップを当ててきても
DFラインに人を降ろすことなくGKを使ってのプレス回避…。
ところどころ川崎に圧力に屈したり単純な技術の足りなさでパスがズレこそはしたものの、
見事なビルドアップでした。

そうしてミドルサード出口付近までボールを運んでからは、
ドリブラーによる果敢なサイドアタック。
特に左サイドは流れてきた斉藤も加わって破壊力抜群だった。
46分から60分までの勢いは、
山根を引っ張り出す松尾の絶妙なポジショニングでの受けと、
そのウラを有効活用した斉藤による執拗な左サイドアタックによりもたらされていた。
大卒ルーキーの瀬古のサポートも含め、
若い左サイドが王者・川崎を苦しめるさまには、
自然と応援の声が出てしまったよ…。

守備では、基本的にはWBがDFラインに吸収される5−3−2なんだけど、
前半の半ばまではなるべく中山を下げないようにして星が長谷川を見るようにしたり、
追いついてから川崎に振り回される中では
HSで少し引いて受ける選手に対してHVが前に出て潰すことを徹底したり
押し込まれっ放しにならないための工夫も見せていた。
たぶん、他のチームを相手にした時もこうしたアレンジをしているのだと思う。

戦い方としては、持てる駒の能力を目一杯引き出すものが出来てるんじゃないかな。
あとは、駒の能力ということになるけど、
若い選手が多いのでシーズン中にもグッと伸びることが期待出来そう。
今季が通常のレギュレーションで行われていても、
残留争いに巻き込まれることは無かったんじゃないかな…。

噂の生え抜き・斉藤光毅は、松尾と共に痛快だったし、
近年えげつないほどの選手供給ぶりを見せる明大から加入した瀬古は
渋いポジショニングが光っていた。
ポジショニング、足元、ボール保持時の判断が危ういものの
素材の良さを感じさせた星…。

今日は俊輔だったけど、
ベンチのベテラン枠も松井やイバ、レドミ、そしてカズと、
ビッグネームだったり数シーズンに渡って貢献度の高い選手が争う状況…。

いやぁ、サポは、今、実に応援し甲斐があるだろうねぇ。






川崎。
昨季の「密集上等、俺達の技術でこじ開けてみせる」から
「しっかり幅取ってもう少し技術をラクに、ラクゆえに高精度に、発揮しようぜ」へと
転換を図っていた。
WGで幅を取ってSBがIHでサポート。
サイドでボールを握って、
そのままポケットに侵入するパターン、
ボックスの高さで中央への横パスを入れて相手を動かしてからコンビネーションのパターン、
ファーへクロスを入れてそこから折り返すパターン等で
押し込んだ相手を揺さぶる。
昨季まで同様にビルドアップはスムーズなので、
まぁ、普通に強いよね。

問題は中盤守備。
今日は横浜FCがフォーメーションの噛み合わせを利用してたけど、
それが無くても、3センターの守備力はハッキリ言って強くない上に、
WGも積極的なプレスバックでサポートだ!みたいな雰囲気は(押し込んでる時のネガトラを除いて)無い。

中央は田中が空けないようにしてるので、
その脇を狙われがちながらもまだいいとして、
46分〜60分の山根が滅茶苦茶しんどい思いを強いられたように、
守備面でSBにかかる負担は相当なものだと思う。

これに何らかの手当をするのか、
クリーンシート出来なくても勝てばいいとするのか。
後者だろうね。
風間八宏の後を受けた鬼木達は、
一度は守備のバランスを整えたけれど、
その揺り戻しと昨季は引き分けが多かった(勝ち切れなかった)こととで、
今季は攻撃に振れてるのだと感じる。




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