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川崎 0−2 浦和
FUJIFILM SUPERCUP
(22/02/12:日産)
日テレ



川崎スタメン

チャナティップ_ダミアン____家長
_____大島____脇坂_____
_______シミッチ_______
登里____車屋__谷口____山根
______ソンリョン_______



浦和スタメン

______江坂__明本______
伊藤______________関根
______岩尾__柴戸______
馬渡__ショルツ__岩波____酒井
________西川________



コンディションが途上且つ試運転だった川崎と、
この試合に向けて用意してきたものが明確だった浦和。



川崎。
昨季のスタイルをベースにしつつ
今季は細部を更にブラッシュアップしていく…ということだと思うんだけど、
コンディションが途上なのをさておくにしても、
リーグ序盤の戦い方が難しくなるだろうなという部分が幾つか露呈した。

・チャナティップをどう組み込むか問題
そもそも獲得を疑問視しているのがJリーグウォッチャーとしての和泉彼方なんだけど、
左WGでスタメン出場も(相手が酒井宏樹であることを差し引いても)
縦に突破していく選択肢はやはり無いようで
(突破したとしても左足が無いしね)
カットインだけ警戒しておけばいい状態なので、今の所まったく怖くない。
左SBが常にチャナの外側を回るんだというのが確立されれば少しは違うだろうけど…。
後半は左IHで、
引いて受けてサイドチェンジとか、細かなパスワークのハブになるとか、
チャナらしいプレーが攻撃面では出てたと思うけど、
このポジションでは守備面での懸念が左WGよりも大きい。
彼を川崎で活かすなら、
4−2−3−1のトップ下とか4−4−2のSTになると思うんだけど、どうかなぁ…。

・左WGどうするんだ問題
マルシーニョとチャナの併用になるんのだろうとは思うけど、
昨季からの破壊力低下は否めないよなぁ。

・ジェジエウ不在時をどう乗り切るのか問題
実はこれがいちばん大きな問題だと思っている。
車屋ももちろん一定以上の質を持つ良い選手だけど、
やはり「被カウンター時に数的同数をしのいでくれる(どころか奪い切ってくれる)」
という面においては、
ジェジエウにはだいぶ見劣りする。
そして、それでは川崎が川崎のサッカーをする上では困るのだけど、
何故困るのかがハッキリわかるシーンが、
この試合で出てしまった。
(わかっちゃいたけどやはり…という確認が出来たという意味ではこの試合で良かったとも言えるが)
2失点目、
後方に出て五分になったボールを明本と競って、
収められてしまったシーン。
明本が頑張ったのは間違いないけれど、
どれだけ相手が頑張ってもこれをマイボールに出来ないと、
川崎としては相当にしんどい。
左WG問題もあって得点力がおそらく昨季より低下する。
後ろで耐えて勝点を拾っていく試合が増えるだろう中で、
耐えきれないとなると…。
0−2となったあとにスクランブル的に採用した(ように見えた)3バックを、
基軸に考えた方がいいのかも知れない。
加えてもうひとつ。
谷口が右CBに回ることで右サイドからの前進がほぼほぼ無くなっていたことが、
左WG問題を考えなければいけない川崎の攻撃を更に難しくしている。
左利きの左CBと左SBが重用されるのと同じ理由で、
右CBも右利きであった方がスムーズなのだ。
不在の右CBジェジエウに代わって車屋が左CBに入り左CB谷口が右CBに回るのは、
ボール保持や前進の部分に影を落とす。
ましてや川崎は、ボールを握って全体で押し込んで、
何度もやり直しをしながら縦に横に相手を揺さぶって崩していくチーム。
ボールの回りがスムーズでないエリアが、ピッチ上にあるのは大きなマイナスである。
シーズン序盤のジェジエウ不在がわかっていながら
右利きの即戦力CBを獲得しなかった川崎。
鬼木監督がこの問題をどのように解決するか、注目したいと思います。






浦和。
4−4−2を基本的としながら
川崎のビルドアップ時にはDHの片方がシミッチを潰しに出て行く、
(その際には関根伊藤が引いてトレス・ボランチ気味に変化)
関根はHS受けからの前進ないしキープで大外に酒井が駆け上がるレーンを用意し
最終的には酒井がクロッサーになり
2トップに加えて大外から伊藤も飛び込んで行く、
蹴り出す場面ではなるべく右奥に蹴る
…といった約束事を徹底して、
川崎のところで書いた川崎の問題点を上手く突きながら試合を進めた印象。

試合直後のインタビューで
「もうちょっとボールを握りたかったが」とリカルド監督が口にしていたけど、
それは開始早々の先制点が影響したかなと思う。
ボールを握った時の左サイドがどう変化するのかも観たかったけど、
今日この試合を勝つためには、選手は良いパフォーマンスをしたと言えるでしょう。

試合のテンポをコントロールする岩尾と、
無尽蔵のスタミナとボールを狩るんだという意識、それに見合った強度を見せていた柴戸、
不慣れなハズの左SHでしっかりフィニッシャー役の動きをこなしていた伊藤が
印象に残った。

今日はスタメンに名を連ねていなかった選手の顔ぶれを見れば、
恐らくは、対戦相手やシチュエーションによって
目まぐるしくやり方を変えるチームになるのだろうと思う。
どれだけそれがハマるかは未知数と言えるけど、
明らかに「サイドで受けてドリブル」だけではなくなった関根や、
「左SHでフィニッシャー」をこなした伊藤を見る限り、
大いに期待して良いのでは。




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