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沼津 １−０ 讃岐
Ｊ３／第16節
（22/07/09：愛鷹）
DAZN



沼津スタメン

瓜生＿＿＿＿＿＿渡邉＿＿＿＿＿＿佐藤
＿＿＿＿菅井＿＿＿＿＿＿徳永＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿濱＿＿＿＿＿＿＿＿
大迫＿＿＿＿篠崎＿＿藤嵜＿＿＿＿安在
＿＿＿＿＿＿＿＿武者＿＿＿＿＿＿＿＿



讃岐スタメン

＿＿＿＿＿＿＿＿重松＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿川�ｱ＿＿＿＿中村＿＿＿＿＿
臼井＿＿＿＿後藤＿＿松本直＿＿＿内田
＿＿＿＿田尾＿＿遠藤＿＿長谷川＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿高橋＿＿＿＿＿＿＿＿



走力と強度で上回る沼津が優勢の時間を長く保ち、
讃岐にさしたる好機を与えずに勝ち切った。
試合終了後には先制にして決勝点の渡邉が
サポーターにまだリリースの無い移籍を報告する「珍事」。



沼津。
渡邉に当てるロング／ミドルパスと、
渡邉を囮にして最前線に飛び出していく菅井や徳永に合わせるミドルパスとを、
ピッチ中央でのボール保持からタイミング良く繰り出していた印象。
SBは幅取り役。
ミドルサード出口付近までは進出するものの、
讃岐WBを引き付けるための存在で深い位置を狙うことはなく、
チーム全体で「勝負はボックス幅」という感じだった。

勝負する場所が共有出来ているということは、
ボールの失い方も共有出来ているとうこと。
讃岐の跳ね返しに対してしつこくセカンドボールを拾って
二次攻撃三次攻撃に繋げられていたのは、
DFライン４人を除く最大６人が
ボックス幅で意図を共有出来ていたことも大きいとみる。


守備では４−３−３のままハイプレスを仕掛け、
配置の噛み合わせもあり讃岐を困らせることに成功していた上、
讃岐が途中からビルドアップを変更して
後藤と松本直で中央を割ろうとしていたことにきちんと気づいており、
先制するとサクッと４−４−２セットに変更して中央を締め、
万全の体勢を敷いていた。
讃岐のビルドアップ変更は前半の終わり際からだったと思うんだけど、
４−３−３でも何とか守れていたし、
自分たちが点を獲るには４−３−３である方が確率が高いということで
先制するまで４−４−２への変更を待ったのだろうね。

４−４−２の左SHだと
「４−３−３の左WGから中に入ってハブ役になり
　飛び出していく徳永らと共に相手守備陣を混乱させる」
役割を担っていた瓜生の良さが出せないであろうことと、
もう守りに重心を置いていいという判断とで
本職DHである鈴木をすぐさま左SHに投入した采配も見事だったと思う。


今日のサッカーが対讃岐用に準備したものでなくベースとしているものであるなら
渡邉を移籍で失うのはかなり痛いと思うけど、どうなるんですかね。






讃岐。
何も出来ないというわけではなかったんだけど、
あらゆる局面でちょっとずつあるいはけっこう負けていて、
その積み重ねで試合を支配されてしまった…という印象。
PKの判定自体には疑問があるのだけど、
GKが高橋でなければ少なくとも２点は流れから奪われていたので、
勝敗を決定づけたとは思わないです。

練習からハードワークを課していて
「切り替えの部分ではＪ３でいちばんになるんだ」という意気込みでやっているなら、
今日のような試合でもっと走れなければいけないなと思います。
不意を突くような徳永らの飛び出しにもしっかり付いて行く、
クリアが相手に拾われる場面でも寄せと押し上げを怠らず圧力をかける…等。
また、後半になって沼津の２＋１（濱）のビルドアップに際に
「一旦の逃げ口」となっていたSBに対して
こちらはWBが縦スライドして奪いに行くんだというアクションをしたのも、
その選択をするなら前で奪い切るところまで持っていかないといけないと思います。

この試合で出来たこと。
自分たちの３バック＋２DHでスタートするビルドアップが
沼津の３トップ＋２IHにハマッてしまい困っていたのを、
長谷川と遠藤の２バック状態にした２＋２スタートへと変更して
ハーフウェーを越えられるようになったことと、
後藤、松本直が前を向けた時に相手のバイタルが濱だけであることをきちんと見極めての、
中盤中央で縦パスによる前進。

これを踏まえた上で良くなかった点は、
先制点を奪われた直後に相手が４−４−２に変更して中央を締め始めたのに
こちらは２＋２を継続してそのまま中央から行ってしまったこと。
先制されるまでは中央に縦パスを刺すことで
前半よりも得点の雰囲気を漂わせていたけれど、
そのイメージに引き摺られてか、
変更を施して待ち構えている相手に対して突っ込んでいく形を続けていては、
なかなかこじ開けることは出来ないよね。
３＋２に戻すとか、
２＋２を継続するにしても、
後ろを２にするために田尾が左に開いてやや高めにポジショニングしていて
渡辺悠と吉田を加えた３人で相手のSH＋SBに数的優位を取れるのだから
左から前進していくとか、
そうした工夫をして欲しかった。

この試合ではこうした感じでボックス幅でどうにかしようという意識が強くて、
サイドの高い位置に運んでクロスという場面が少なかった。
１トップが重松から松本孝になった、
相手が中央からの前進を締める守り方に変えた、
伊従を投入してパワープレーの選択肢をベンチが示した…と、
「サイドからクロス」をチーム全体で強調していいポイントが３つもあったのにね。

苦しめられた相手の４−３−３ハイプレスに対しては修正を施せた。
ただしそれには35〜40分かかった。
71分からの相手の４−４−２変更には修正が出来なかったし、
46分から71分までの中央からの攻撃のイメージに自分たちが引き摺られてしまった。
なかなかレベルの高い話になるとは思うけど、
相手の変化に気づいて即座に修正し、
状況に応じて柔軟に攻め方の選択を変えられるようになりたいね。



中村。
もうちょい時間がかかりそうかな…。

吉田。
仕掛けるところ、キープするところのメリハリがあって良かった。

渡辺悠。
待望の復帰。
自身がサイドを突破出来ない時に、
逆サイドが見えていたのはとてもいいと思う。
次はサイドチェンジの質、キックの選択だね。

西村監督。
バランスは崩さずに、
チームが前進した先にある課題に取り組んでいくよ、
というスタンスだと感じています。
今、「引いた相手をどう崩すか」という課題に
ボールを確実に保持しながら押し込んでいくために
後藤をDH起用してると思うんですけど、
もうちょっとプレーメーカーよりのDHが欲しいんじゃないかな…と想像してます。
ここ２試合外れている西本もそういうタイプではないし…。
長谷川を戻すのか、鯰田になるのか、
復帰してくれば岩本という選択肢もあるのか…。
新たなバランスの構築に期待してます。
…あとは、WBももう一枚欲しいだろうなぁ。
武下、出て来い！

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