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日本 2−1 スペイン
W杯/GL(3)
(22/12/01:ハリファ国際(カタール))
フジ



日本スタメン

____25____
__15___11__
5__13_17__14
__3_22_4__
____12____

日本の背番号付き選手リスト


スペインスタメン

21___7___12
__25___9__
____5____
14__4_16__2
____23____

コスタリカの背番号付き選手リスト




「スペインがボールを握って押し込み、日本がそれ耐える」。
誰もが想像していた構図で90分中85分が展開されたが、
45分までと50分以降で構図以外の何もかもが異なり、
試合を決したのは「空白の5分間」だった。
日本、ミッション完遂。



日本。
・基本的な考え方は3−4−2−1だが、
 現実を見ての前半:5−2−2−1、後半:5−4−1で
 スペインの攻撃を待ち構えた。
・前半の、対スペインのビルドアップは「2−2−1」が五角形を形成。
 頂点の前田が背中で相手アンカーのブスケツを消しながら2CBを牽制し、
 IHの鎌田、久保は相手CB→IHのコースを切りながらSBを牽制。
 DHの守田、田中は基本的に中央レーンの管理を担った。
・誘い出す意図も含めたスペイン最後尾〜中盤のパス回しの中で、
 時折鎌田が色気を出して持ち場を離れるようになると、
 当然ながらあっさりと外されてガビを起点にスペインが好機を作り出す。
・この状況に対する日本の左サイドの判断は「鎌田行くな、馬鹿!」ではなく、
 「谷口が出てガビを潰す」であった。
 ここで上手く守れれば外された鎌田が逆に浮く格好になり、
 カウンターに移れるという目論見だったのだろう。
・実際に奪ってみせた後は、
 スペインのネガトラの速さだったり
 鎌田自身のフィーリングの悪さだったり、
 サポートに走る長友の質だったりで
 効果的なカウンターに至れたことは皆無と言って良かったが、
 谷口は淡々と、そして確実に、前に出た際には相手を潰し続けた。
・右の久保は鎌田のような色気は見せずに上手く守っていたが
 それでもやはり動かされてしまうことがあり、
 ペドリを起点とされる現象が数度起きていたが、
 こちらは板倉が谷口と同じ仕事をすることですぐに対応した。
・長友がウィリアムズに敬意を払い過ぎていたこともあって、
 失点シーンを含めピンチの殆どはスペインの右サイドから訪れていたが、
 3CBを中心としたボックス内の頑張りで被決定機の数はそれほどでもなく、
 前半はどうにか0−1で折り返すことに。
・HTで2枚替え。
 GL突破のために最悪でも同点にはしておかなくてはいけないわけで、
 長友→三笘は理解出来るのだが、
 前半、よく守れていて少ない攻撃時にも落ち着きを見せていた久保が、
 堂安と代えられてしまったことには驚いた。
・後半開始と同時に日本はハイプレスを敢行。
 前田を筆頭に力強いフォアチェック/競り合いからボールを奪い、
 わずか5分ちょっとで逆転に成功してみせた。
 マ、マジかよ…!!
・逆転したあとはサッと5−4−1撤退守備に移行。
 足の鈍りが懸念される前田を浅野に、
 右サイドに蓋をするために鎌田を冨安に、
 クロージングで田中を遠藤に、と、
 的確な交代策を施しながら見事に逃げ切った。
 す、凄い……。
(あと、遠藤お前短時間だとはいえ出られる状態だったんかーい!)
・スペインと言えども慌てることはあるし、
 ビハインドでプレーが雑になることもある。
 それに対し2−1としたあとの日本は冷静で、
 精神的な優位性・余裕を感じさせながら受け切れていた。
 圧倒的にボールを握られてはいたものの、
 中央の人垣が乱されるようなことはほぼ無かったし、
 ゆえに被決定機もほぼほぼ無かったと言える。
・特筆すべきは2つ。
・1つ目は右WB(実質右SB)として投入された冨安。
 万全ではない(からこその途中出場)ながらも
 対面したファティを完封。
 隣接する板倉との間を突いてくるプレーにも危なげなく対処し続けた。
・2つ目は左WB(リード後は実質左SB)として躍動した三笘。
 間違いなくこの大会のハイライトとなる、
 ゴールライン際のボールを残した(どころか折り返してアシストにした)プレーはもちろんのこと。
 対面したアセンシオを完封、
 特に彼が左足に持ち替えた時に徹底したケアを見せた守備力は
 SBとして最初から相手を迎え撃つ形であれば計算できるレベルであることを示したし、
 低い位置で奪ってから失わずに味方に繋ぐ、
 時に得意のドリブルで大きく陣地回復してみせたことも圧巻だった。
 浅野へ左足でラストパスを送った、カウンターでの左サイドぶち抜きも
 語り草となるのに十分なもの。
 45分間+AT、素晴らしいパフォーマンスだった。
・この冨安と三笘の働きは個々で取り上げても称賛に値するものなんだけど、
 「中央は人垣を築かれているのでまずはサイドからズレを作るぜ」というスペインに対し
 それを許さなかったという意味でも大きなものだった。
・ドイツ戦と比べて采配も納得できるもので、
 「空白の5分間」が出来過ぎであることを加味しても、
 この試合の森保監督は評価されていいだろう、






スペイン。
・基本的な考え方は4−3−3。
 押し込まれた時などにどうなるかは
 そういうシチュエーションが誇張抜きに皆無だったために不明。
・ボールを握り、短いパスで相手を動かしながら全体で押し込むという
 誰もがイメージするこの20年間くらいのスペインのサッカーを体現。
・前半の日本に対しては
 「ブスケツ(アンカー)を消してくるのね。オッケー、じゃ、これで行くわ」と、
 WGの幅取りで日本のSBをピン止めしつつのCB、SB、IHのボール回しを中心に
 好機を探っていた。
・0−1としたし、
 ボールを上手く奪えそうな雰囲気がしないし、
 日本の3CB全員にイエローカードを突きつけるしで
 やっぱ強えわという印象。
・2−1とされてからは日本が5−4−1に変化したこともあり
 なかなかIHを活かした攻撃が出来ず、
 日本のところで書いたようにサイドも蓋をされてしまったために
 所謂「Uの字のボール回し」が増え、
 時間を追うごとに焦りと苛立ちが顕になっていった。
・スペインのサポーターからすれば「事故った」試合と括ることになるのかな…。





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