menu＞football＞match
鹿児島 １－１ 讃岐
Ｊ３／第27節
（23/09/17：白波）
DAZN
鹿児島スタメン
＿＿＿＿＿＿＿＿藤本＿＿＿＿＿＿＿＿
米澤＿＿＿＿＿＿端戸＿＿＿＿＿＿五領
＿＿＿＿＿＿山口＿＿木村＿＿＿＿＿＿
野嶽＿＿＿＿岡本＿＿戸根＿＿＿＿＿星
＿＿＿＿＿＿＿＿松山＿＿＿＿＿＿＿＿
讃岐スタメン
＿＿＿＿＿＿＿＿赤星＿＿＿＿＿＿＿＿
高橋尚＿＿＿＿＿後藤＿＿＿＿＿＿下川
＿＿＿＿＿＿岩本＿＿江口＿＿＿＿＿＿
奥田＿＿＿奈良坂＿＿宗近＿＿＿＿川﨑
＿＿＿＿＿＿＿＿今村＿＿＿＿＿＿＿＿
ボールを握って崩しにかかる鹿児島と、それを受ける讃岐という構図で試合は推移。
鹿児島らしい攻撃が終始展開されながらも讃岐がそれほど好機を許さなかったことを鑑みれば、
ドロー決着は妥当な結果だと言えるだろう。
鹿児島。
鹿児島らしい、レーンと列を人が動きまくる流動的な攻撃は
エンタテインメント性が高くて面白い。
最終的には左ポケットに米澤を走り込ませたい意図を強めに出しつつ、
左外と左HSは野嶽と米澤の２人が互いに入れ替わりながら使用。
右HSでは星が偽SBから最前線への飛び出しまでをこなし、
右外は五領の仕事場。
この２レーンは人が固定されていたけれど、
五領がフリーでボールを受けるために
中央～右HSで他の選手がアクションを起こして讃岐の選手を引っ張り、
岡本、戸根、山口らから彼へのパスコースを創出するさまには
計算された美しさがあった。
山口は八面六臂の活躍。
ビルドアップでは３列目での受けと最後尾に降りて３枚スタートする際の一角を担い、
ボールがハーフウェーラインを超えれば中央～左HSでボールの逃し口になりつつ
野嶽が高い位置にまで攻め入れば左外にまで出張して
その後方を埋めて被カウンターに備えていた。
木村は中央レーンにステイして讃岐の守備がサイドに全振り出来ないようにしつつ、
山口が前に行く必要が生じた場面では
さりげなくその後方に戻ってリスクマネジメントを行う。
端戸は１列降りてビルドアップの際の中央レーンでの引き出し役を担ったり、
最前列で讃岐DFラインと駆け引きしたり、
サイドで仕掛けが出来そうな場面ではスッと近づいていって「＋１」となり
コンビネーション発動を手助け。
彼が持つハブ役としての能力を遺憾なく発揮できるチームに来たな、という印象。
ビハインドがある展開で順次前の選手を代えていく中で、
スタメンが見せていた流動性は失われていったけれど、
スタメンで相手を動かしまくった後に、
サイドにスピードスター、ドリブラーを投入出来るのも強み。
同点ゴールはCKから鈴木のヘッドだったけど、
追いつけそうという雰囲気を追いつけるに変えたのは
69分に投入されて右SHで躍動した武だと思う。
８月下旬に大嶽監督から大島監督への交代があったものの
チームとしての基本的な考え方に変わりはなく、
ゆえにこうした鹿児島らしさも既に研究されている感があって
讃岐にも粘り強く守られた。
だけど、抱えてる選手の特長にマッチしたいいサッカーが出来ているし、
これを続けて質を更に高めていくことが、
結局は昇格に繋がるのだと思う。
讃岐。
鹿児島の攻撃に対して守備網が決定的に乱されるようなことは殆どなく、
全体でよく守れていたと思う。
守備に注力せざるを得ない中で、
（前半の一部の時間帯で右サイドでの保持を見せられたことを除いて）
攻撃がシンプルに赤星に長いボールを入れることが中心になったのは
仕方ないでしょう。
よく守れたけどいい攻撃は見せられなかったという意味で、
実質的にはスコアレスドロー、引き分けは妥当な結果だなと思う。
…思うんだけど。
現実的には上手いこと先制出来たわけで、
リードがありながらも逃げ切れなかったのは悔しいし、
逃げ切りの目を自ら小さくしていった感のある戦い方には疑問が残る。
ポイントは２つ。
１つ目は、赤星をベンチに下げたあともゴールキックや自陣深くからのFKを
それまでと同様に素直に蹴っていたこと。
前線の優位性は既に失われているのだから、
地上戦で短く繋いでいく選択は出来なかったのか。
（チームとして地上戦が出来ないわけではないのは、
シーズンを通して試合を観ている人ならわかっていると思う）
案の定、競り合いを任された岩岸の頭の上から相手のCBに跳ね返され、
（岩岸には一切責任が無い）
せっかくのマイボールが即座に相手のボールに変わり、
ボールを保持しながら一呼吸つくことも叶わずに
相手の攻撃に晒され続けることとなった。
２つ目は、あれだけサイドからの突破を浴びてどうにかCKに逃れる展開が続きながら、
同点にされるまでベンチが手当てをしなかったこと。
武の投入と彼の仕掛けで鹿児島の右サイドが活気づいていたことと、
対面する奥田と高橋尚の疲弊は誰の目にも明らかだったのに…。
高橋尚を左SBに、岩岸を左SHに降ろす５－４－１化とか、
（開幕してからしばらくの時期だったら５－４－１化はしていたように思う）
奥田に代えての武下投入で
あのサイドを助けてあげることは出来たでしょう。
（こうした状況で武下を使わないのなら何のために彼を連れて行ったのか）
前述したように引き分けによる勝点１は妥当だと思うけど、
１しか得られなかったものが３得られるシチュエーションになっていたにも関わらず、
３を得るために最善を尽くせたとは言い難い試合運びをしてしまったことが、
非常に残念です。
menu＞football＞match