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イラン 2−1 日本
アジアカップ/QF
(24/02/03:エデュケーション(カタール))
DAZN



日本スタメン

________上田________
前田______久保______堂安
______守田__遠藤______
伊藤洋___冨安__板倉____毎熊
________鈴木________




前半はやや日本、後半は完全にイランのペースで試合が推移。
何とか延長まで逃げ込んで体勢を立て直したかった日本だったが、
終了間際の与PKによりベスト8で大会を去ることとなった。



日本。
・放送席によれば相手のストロングは右サイドの攻撃にあるらしく、
 そこをケアするための左SH・スタメン前田だったモヨウ。
・そのスカウティングと前田起用の理由の推察はズバりで、
 前田は前線での鬼のネガトラから運ばれた際の凄まじいプレスバックまで、
 守備面でとても効いていた。
・そんな前田に代えての、67分、1−1の状況での三笘投入は「勝ち越してこい」というメッセージ。
 前田はまだまだ動けていたし代えなくても…という意見もわかるけど、
 前田がカバーしてくれる範囲外のところから決壊しかかっていたこともあるし、
 勝負に出るという森保判断は常識的だったと思う。
・とはいえ、後半はあまりにもやられていたので、
 守備面での手当も同時に行うべきだったのではとも思う。
・具体的には、守田か遠藤を下げてでも中盤でのセカンド回収力を取り戻す必要があったかと。
・後述するが、右SHの堂安も代えたいところだった。
・これを書いてるのが2月6日の午前中で、
 それゆえに板倉に対する声が大きいのは知っているが、
 板倉がそれでもどうにか守れていたように見えていたし、
 板倉に代えて谷口なり町田なりを入れていたとしても
 イランが右から対角線に蹴って板倉毎熊を狙う意識は継続してただろうし、
 日本がセカンドを拾えない状況も変わらず続いていたでしょう。
 セカンドを拾えれば守備機会が減って攻撃機会が増える。
 手を入れるべきは守田か遠藤だったのでは、と。
・そもそもの疑問として、伊東純也を失い右SHの担い手が久保と堂安の2人になってしまったのに、
 当の2人をトップ下と右SHで同時にスタメン起用していたのは何故なのか。
 大会序盤に調子の良さを見せていた南野をトップ下に置き、
 久保と堂安はどちらかがベンチスタートで良かったのではないか?
・バーレーン戦の、久保と堂安がそれぞれ左にズレて行っての左サイド攻撃が、
 良いものとして森保監督の頭に残っていたのだろうか?
 しかし、この日の左SHは前田であり、
 前田は流麗なボール回しを行うには足元や判断が不足しており、
 カットインから右足を振り抜く怖さも無い。
・選手たちも、
 守田がミドルサード出口くらいの高さで左の大外、
 前田は左のHSで最前線、
 久保も堂安もバーレーン戦ほどには左にズレず、
 伊藤洋は基本は後方で逃げ口に徹する
 …というバランスを自分たちで見出していた。
・これを一定以上機能させて守田の先制ゴールまで生んでいるのだから
 大した選手たちだと思うが、
 (イランがバーレーンより守れることも含めて)
 やはりバーレーン戦ほどには押し込め、
 相手に
 「全然守れないことはない」
 「相手の左SHに守られてるけど裏を返せば彼の起用は俺たちを恐れてる証拠」
 と思われていたんじゃないかな。
・ようやく堂安も交代させたかった話を。
 イランが右から左への大きな展開を多く見せる中で毎熊と板倉がギリギリの守備を強いられ、
 必然、堂安も自陣に戻るプレーが多くなり疲弊していった。
 仮にセカンドを拾えたとして、戻ってからまた出ていく足が残っていたとは思えない。
 ここで効いて来るのが、久保と堂安を同時起用のスタメンとしてしまったこと。
 いざ堂安を代えたくなっても、ベンチに右SHを託せる選手がいなかったのだ。
 サカつく脳で語れば、菅原を入れて毎熊か菅原を右SHに置く手があったかとは思うけど…。
 仮に森保監督が堂安をベンチに下げる時は、浅野が右に投入されていたのだろうなとも思う。
 個人的には浅野のサイド起用はいい加減諦めて欲しいし、
 森保監督も実際に三笘と南野を投入するタイミングで
 (あるいはその少し後でも良い)
 浅野を右サイドに入れなかったのは、
 守備に引っ張られる試合展開の中では浅野のサイド起用は危険と
 思っていたからではなかろうか。
・というわけで、
 個人的には板倉よりも先に手を付けるべきだったポイントとしてDHを挙げたいし、
 それよりも更に前の問題として、久保と堂安を同時にスタメンとして送り出したのはミスだったと
 言及しておきたい。
・あの後半を見ながらも、
 「このままだと呑み込まれかねない」みたいな実況ツイートをしつつも、
 それでもどうにか延長まで逃げ込んで、最後は勝つものだと思ってた。
 無念。






イラン。
非保持時は4−2−3−1と4−1−4−1を行ったり来たりしながら
日本に中盤中央を使わせないように管理。
保持時にはトップ下と左SHの選手が前に出てCFと共にバイタル幅で3人がごちゃっと並ぶ4−3−3へと可変。
相手の出方に応じてアンカーやIHが1列降りながら保持と前進を図りつつ、
最前線の3人に早めに当てるパターンと、
広大なサイドのスペースにSBやIH化した選手が飛び出していきクロスに繋げるパターンとが
メインの攻撃方法なんだけど、
日本のところでも書いたように、
右サイドから大きく左に振るパスを使い毎熊と板倉のところで20に勝負させることが
大きなチャンスに繋がるとの気づきをチームで共有して、
後半の比較的早い段階からこの攻撃を多用するようになった。
また、この攻撃から生まれ得る状況として
日本に跳ね返されてのセカンドボール発生が想定されるんだけど、
そこでしっかり日本に勝ち続けたのも大きかったと言える。
日本にもっと対応の仕方があったのではという疑問が残るのは確かだけど、
彼らが素晴らしかったのはそうした疑問以前に認識されるべきでしょう。




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