menufootballmatch




琉球 0−0 讃岐
J3/第12節
(24/05/03:タピック)
DAZN



琉球スタメン

________白井________
____富所______岩渕____
幸喜____平松__岡澤____上原
____藤春__鈴木__森_____
_________東________



讃岐スタメン

______岩岸__赤星______
吉田源_____________高橋
______岩本__長谷川_____
奥田___奈良坂__宗近____内田
________今村________



琉球のサッカーを受け止めてひっくり返すことを志向した讃岐。
その狙いは一定以上の効果を見せ、
琉球にとっては消化不良な、讃岐にとってはポジティヴな、
スコアレスドローでの90分間となった。



琉球。
ボール保持時にはIH、WB、左HVが前に出ての2−3−5へとシフト。
前の「5」が相手DFラインと駆け引きしながら
ウラを狙う動きと少し引いて受ける動きを分担してギャップを作り、
配球役の「3」からのスルーパスやワンツーによる中央突破、
サイドからは早いタイミングでのグラウンダーのクロスで崩していくというサッカーを志向。

この試合ではスコア出来なかったし、
好機に至る数も保持してた比率から言えば少なかった(と感じてるハズだ)けど、
やろうとしていることに迷いは無く、
これを続けるのみという印象。

ひとつだけ気になった点は、
このサッカーにおける藤春の左HVはミスキャストであるということ。
どうしても彼を使いたいのであれば、
左WBに置くか、
2−3−5化したあとに左サイドでローテーションを行い彼を幸喜がやっていた位置に移動させるか(代わりに幸喜が降りてくるor幸喜が岩淵の位置にズレて岩渕が代わりに降りてくる)
あるいは相手陣内へとハッキリ押し込んだあとで
森を「3」に上げて彼を「2」へ落とすか。

いずれにしても、「3」に配球能力に乏しい藤春がいると、
守る側としては彼がボールを持つように仕向けることで
一呼吸おける、体勢を整えられる、奪いどころとして狙えるといった効果が期待出来るわけで、
それらは琉球としては望ましいものではないハズ。

左HVを普段から藤春がやっているのかどうかは知らないけれど、
普段からやっているのであれば、
本職ボランチの選手を起用するなどした方が
相手にとってはより嫌な2−3−5になると思う。


守備時には5−4−1化するのが基本線のようだけど、
讃岐が最後尾からじっくり攻め上がるといった機会は限られており、
考察する材料に乏しいので言及はナシで。






讃岐。
2−3−5化して押し込んで来る琉球に対して、
5−4−1化して受け止めてからカウンター、
自分たちの保持時も前進はロングボール中心といった、
昨季に回帰したかのようなサッカーを披露した。

この回帰へと至る決断には複数の要素があるように思われる。

・奈良坂の(再)加入により、奥田を左SB起用出来る状況が整った
・GWに伴う連戦で一定の出場時間シェアが必要という判断
・琉球の2−3−5を受け止めるのに5−4−1守備が適切という分析
・ここ2試合、川西と前川をボランチに並べておきながらも
 今季目指していたサッカーからは程遠い内容となってしまっていて、
 自信を失いつつあった

これらのことを受けて、
「自分たちはきちんと積み上げれば事を成せる。
 昨季、守備で得たその経験をなぞることで自信を取り戻そう」
といった考えのもとでの、
この試合での、昨季への回帰だったように感じた。

スタメンとして送り出された選手たちはこれによく応えたと思う。

赤星は空中戦を中心に身体を張り続け、2度の惜しいシュートにまで至ったし、
岩岸も4−4−2における2トップのまま相手最後尾を追い回す役割と
5−4−1化で左SHに降りて自陣に構える役割を献身的に遂行。
攻守両面で赤星との距離感も良かった。
右サイドでは高橋も労を惜しまない走りで攻守に貢献したし、
一旦DFラインに入ったところから前に出て、
推進力のあるドリブルで何度もファウルを受けた吉田源や
相手の「5」との駆け引きの中で
ボックス内にまでは下がらずに我慢を続けたDFラインも、
優れた配球役(平松、岡澤)を前に
中央を閉じるのか圧力をかけに出るべきかを迫られ続けた2DHも、
要は全員を、称えたい。

回帰しようと思ってパッとこの内容をやりきれるなら、
このチームはまだ大丈夫。
ここからもう一度、今季目指すとしたものの比率を増やしていくだろうけど、
そのさなかで選手間で意識がズレてまとまらなくなる可能性は低いだろう。

そう思わせてくれる試合だった。




menufootballmatch