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沼津 1−2 讃岐
J3/第32節
(24/10/13:愛鷹)
DAZN
沼津スタメン
鈴木______和田_____津久井
____持井______佐藤____
________菅井________
濱_____中村__井上____安在
________武者________
讃岐スタメン
________赤星________
____岩岸______森_____
森川___長谷川__吉田陣___内田
____奥田__宗近__西野____
________今村________
前半は沼津が保持をして讃岐が受けるという予想された構図で推移。
沼津が首尾よく先制するも、
後半開始からギアを上げた讃岐が逆転に成功。
沼津の「先制した試合は勝率100%(10勝0分0敗)」を打ち破ってみせた。
沼津。
この試合では安在が偽SB化することはほぼ無かったものの、
4+1でスタートするビルドアップがハマらない時には
主に右IH佐藤が気を利かせてアンカー菅井を助け、
確実な保持から前進に繋げていた。
チーム全体で
「こうボールを動かせば相手がこう動くから、そしたらこのパスコースが空くよね」という
理解の共有が出来ていて
特にHSにおいて後方から列飛ばしの縦パスを刺すことを可能にしていたり、
ショートパスを主体としてはいながらも
執拗にDFラインと駆け引きする和田の動き出しを見逃さずにスペースへ蹴る選択も持っていたり、
体を張れる鈴木、テクニシャンの持井、クロッサーとなれる濱、
後方に気を配れる佐藤とスペースを得られれば仕掛けられる津久井、後方待機も前方支援も出来る安在という
特長の異なるユニットを左右に用意していたり…と、
多彩な攻撃を仕掛けられる下地が揃ったスタメンが狙い通りの機能を一定レベルで発揮していて、
讃岐もよく守れているけどやはり手強いチームだなと感じた前半だった。
しかし、罠は後半に待っていたと言える。
せっかくのリードを早々に追いつかれ受け身になってしまったこともそうだし、
勝ち越しゴールのために投入した交代選手が讃岐の守備に却ってハマることになってしまったこともそう。
後者について具体的に書くと、
分類するならラインブレイカーである和田から
ボックスストライカータイプである中野にCFが代わったことで、
ハイラインを維持する讃岐のDFラインにかかる負荷が軽減されてしまった。
齋藤の左クロスに中央でヘッドで合わせた場面が象徴的だけど、
中野はボックス内で瞬間的にマークを外す能力は高いものの、
ハイラインと駆け引きしてウラのスペースにボールを引き出す能力に関しては和田よりも劣る。
ハイプレスに連動してのハイラインで守る讃岐DFラインとしては、
より神経を使うのは和田の方であることは明白。
そういう意味で相手をラクにしてしまう交代であったと言える。
彼の特長を活かすべく繋ぎながら前線へとボールを届けられれば良かったのだが
後半になり前から奪う意識をより強めた讃岐に対してそれが叶わなかったことが想定外だったか。
前線へとボールを届けられなかった影響は齋藤にも出ていて、
前を向いた状態で足元へ渡せれば無双してくれる彼も、
その能力を発揮する機会はほぼ無かった。
76分以降の得点がリーグでもかなり多いというデータが実況で紹介されていて、
それは齋藤の存在とキャラクターの異なるCFの使い分け(前回対戦時は和田→川又のリレー)に拠ると思うのだけど、
讃岐の、特にこの日の後半のパフォーマンスには和田→中野の交代は悪い方向に作用したな、と。
そう言えば、附木がベンチにも入ってなかったのは何だったんだろう。
中村もまったく蹴れない選手ではなかったけど、
附木がいたらダイナミックなサイドチェンジから右WGが受けて仕掛け…みたいな場面が生まれて
厄介だったと思うのだけど。
讃岐。
この日の前線は「セカンドユニット」の3人でスタート。
出場停止の吉田源の代役には森川が選ばれた。
4+1でのビルドアップで入ってきた沼津に対して
前線3枚は両SBとアンカーへ入るボールを警戒。
CBが保持する分には構わないという「牽制」レベルの守り方を選択。
沼津の工夫もあってある程度は縦パスやスペースへ蹴られての背走を強いられるも、
許容範囲に収めていたと言える。
…それだけに、前半終盤の相手のクイックリスタートからの失点は残念だったし、
オフサイドでは?との猛抗議は残り時間のメンタルへの悪影響が懸念されたが、
HTでこれをリセット、後半に向けてメンタルを切り替えられたことは
この試合における讃岐側の大きなターニングポイントだった。
強度の高い後半の入りに成功し早々に同点に追いついただけでなく、
同点に追いついてからすぐの宗近、長谷川への連続警告でも動じることがなく
矢印が自分たちに向いていたままとなり、
結果として逆転ゴールやハイプレス・ハイラインという自分たちのサッカーの遂行に繋がったとみる。
沼津のところに書いたように、沼津の選手交代と讃岐の守り方とが「ハマッた」ことも
後半の内容の大きな要因であることが間違いないが、
改めて、(技術だ戦術だという話を踏まえた上で)メンタルの大事さを感じる試合となった。
また、この試合で大野が復帰したことは残り試合に向けて明るい材料。
大野をCFに据えることで丹羽のシャドー起用が可能になり、
これに伴い森川のポジションを動かせることは
試合終盤のサイドの守備力担保に好影響がある。
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