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G大阪 0−1 町田
J1/第8節
(25/04/02:吹田)
DAZN



G大阪スタメン

____ジェバリ__ヒュメット___
________宇佐美_______
____鈴木______美藤____
________ラヴィ_______
黒川____福岡__中谷____半田
________一森________



町田スタメン

________セフン_______
____相馬______西村____
中山____下田__前______林
____昌子__岡村_ドレシェビッチ
_________谷________



フォーメーションの噛み合わなさを互いに活かしながら
五分の内容で過ごした前半を経て徐々に町田が試合の支配力を強め、
終盤のG大阪の反撃も凌ぎ切った。



G大阪。
町田対策なのか、怪我人の影響と新戦力を組み込むための策なのか、
昨季良いシーズンを過ごした4−2−3−1はなく
4−4−2ダイヤモンドでこの試合に臨んだ。

美藤がラヴィの手助けをしながら「2+1」ないし「2+2」で繋ぎ始め、
高い位置に押し上げた黒川を鈴木経由で使ったり、
右サイドに流れたヒュメットに預けたり、
フリーマンの宇佐美を起点にしたり。

普段やっていない戦い方でありながらもある程度機能させることが出来ていたのは、
ポヤトス監督のサッカーにおける原則が選手に浸透しているからであろう。

例えば、右ポケットへのランを見せる美藤は新鮮に映ったが、
これも、
ピッチ上のこの位置で、
こうしたボールの動きの中であれば、
自分はこうすることがチームとして必要だ
…という理解のもとなのだと思う。

守備面でも、
当初はオ・セフンへのロングボールのセカンド回収の意識からか
鈴木、美藤が下がり目に構えていたものの、
そのことで宇佐美の脇からボールを運ばれることが続くと、
2人はその手当てのための縦スライドを早いタイミングで行うようになった。

この試合の中盤ダイヤモンドは鈴木、美藤、ラヴィの知性により成立していて、
だから前半の割と早い段階で
「鈴木と美藤の負担が大きくて90分持たなさそうだけど、
 ベンチに2人の代わりが出来る選手はいない。
 倉田がどうかな…くらい。
 なので、途中で戦い方を変えることになるだろう」
と予想出来た。

58分に鈴木に代えて満田を投入した時点で並びを変えた方が良かったと思うのだけど、
満田はそのまま鈴木の担っていた左に入り、
そしてそのポジションでは機能せず、チームとしても停滞してしまった。
宇佐美に代えてアラーノを投入する80分までの22分間が非常に勿体なかった…が、
これはラスト10分にバランスを崩してでも点を奪いに行くための我慢の時間帯だったのかも知れない。
(アラーノを右に投入、美藤が左に、満田がトップ下に移動したことで
 80分以降はアラーノ、ジェバリを中心に町田のボックス内にいい形で迫る回数を増やせた)

鈴木、美藤、ラヴィに続く人材の難しさはあるけれど、
山下、ウェルトンを欠く中においては4−4−2ダイヤモンド…というか2トップは、
ひとつの選択肢になりそうではある。
(半田をここのバックアップに回すというテもアリか)


3月8日に獲得したばかりのヒュメットは、
ジェバリと似たタイプと言えるかな。
ジェバリほどにはポストが上手いとは言えなさそうだけど、
苦手としてる感じてもないし、
サイドに流れて受けることもする。
ポヤトスは好まないだろうけど、
ジェバリと並べてる時にはもっと2人目掛けてハイボールを蹴ってもいいし。






町田。
今季は3−4−2−1が基本フォーメーションになっているのね?

どうしてもオ・セフンにハイボールを当ててから…という印象になるけど、
フォーメーションの噛み合わせと町田のシャドーのサイド奥への飛び出しへの警戒とで
G大阪のSBが町田のWBに素早い縦スライドが難しいことを理解して、
左では下田と中山での保持、
右では林を見せておいて後方からドレシェビッチの攻撃参加というパターンも見せていた。

そして、オ・セフンはやはり強さを見せていて、
後方からのハイボールを収める・スラすことで
彼が勝つことを信じて動き出している相馬、西村に好機を提供。
「的」が彼1人であっても、
良い時のオ・セフンは手強いということを改めて感じさせた。

守備面では、
G大阪のビルドアップに対して
CFオ・セフンがG大阪アンカーのラヴィを消し、
2シャドーの相馬と西村がG大阪の2CBを牽制することから始まったんだけど、
G大阪(主に美藤)が知性を発揮することで
相馬、西村のケアするポイント、必要な運動量が増える流れに。
しかし、ベンチに相馬、西村の役割を託せる選手が控えているからか、
守り方については変えずにシャドーが根性を見せる選択をしていた。
(この選択で決壊しないのだからよく鍛えられている)


43分に生まれた相馬の素晴らしいFKが決勝点となって勝利したけど、
仮にスコアレスのまま試合が進んでいたとしても、
町田が敗れる流れはちょっと想像しづらかったのは、
G大阪が負荷の高い鈴木、美藤、ラヴィを失うと同じやり方を維持できない=バランスが崩れるのに対して、
町田が負荷の高い相馬、西村を失っても同じやり方=バランスを維持出来るからなんだけど、
抱える選手たちをどのようなベクトルで振り分けるのかという難しさって、あるよね…。

戦い方のバリエーションを優先するのか、
ひとつのやり方で選手を代えても質を保てることを優先するのか。


バリエーションを幾つか持ちつつも、
メインのやり方では選手を代えても質は保てるのが、
現実的に作り得る強いチームなんだろうな。




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