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柏 1−1 新潟
J1/第12節
(25/04/26:三協)
DAZN



柏スタメン

________垣田________
____渡井______小泉____
小屋松___山田__熊坂____久保
____田中__古賀__成瀬____
________小島________



新潟スタメン

________長谷川_______
奥村______高木______小見
_______星__秋山______
堀米____稲村__ゲリア___藤原
________吉満________



ハイプレスでリズムを掴んだ新潟と、それを掻い潜る術を見つけてペースを握った柏。
わかりやすく流れが行き来した試合は終盤のオープンな展開を経てドロー決着。



柏。
リカルド監督のチームらしく、
整理されたボール回しで最後尾からショートパスで前進して行き、
アタッキングサードでは小谷松の左サイド単騎突破と
右サイドでのコンビネーションによる仕掛けで
ポケットを攻略していくスタイル。

守備時には5−2−3からの5−4−1が基本なのかな。
この試合では押し込まれることは少なかったので、
5−2−3である時間帯が長かった。
なお、新潟の最後尾保持に対してこの5−2−3はそれほど有効ではなく、
「3」のサイドの選手の背後且つ「2」の選手の外側を上手く活用されて突破を許し、
前5枚が背走する/SB化したWBが迎撃に出る場面が散見された。
もっと強く奪いに行く姿勢を見せるか、
牽制もせずにミドルサードのスペースを埋めるかした方が、
新潟相手には有効だったのではないかな。

どういう狙いと経緯でそうなってるのかはわからないのだけど、
山田のボランチ起用は(少なくともこの試合では)よろしくなかった。
熊坂をケアしながらハイプレスを掛けてくる新潟に対して、
前進の手助けになろうとしていたのは理解出来るものの
その立ち位置が悪く、
序盤に柏が上手く前進出来ない要因となっていた。
彼は、右SHで試合に出てた時のランの質には素晴らしいものがあったけど、
最後尾からの前進を3列目で助ける仕事への理解度については、
現時点では全然足りていないと思う。
(なので、リカルド監督のような志向の監督が何故彼をボランチ起用したのかがわからない…)

この状況を変えたのは小泉。
(前半はベンチサイドだったのでベンチからの指示を受けてのことなのか
 純粋に彼の知性によるものなのかはわからないが)
右シャドーのポジションから周囲に指示を与えながら降りてきて
3ボランチの右のような立ち位置をスタート位置に変え、
成瀬を右SB化させ、且つ、自分より高い位置に押し出した。
これにより、3+2で始めていた柏の最後尾保持の形が
形の上では2+3スタートになり、
(小泉は奥村の注意を引くだけで直接ボールには関与せず、実質的には2+2)
古賀からSB化した成瀬へのパスコースを創出。
成瀬への展開が為されたあとは後方から右サイドの攻撃をサポートし、
成瀬、久保、流れてきた渡井との連携でスムーズなコンビネーションを披露していた。

20分辺りからの小泉のこの振る舞いにより、試合のペースを握った柏。
前半のうちの同点弾は必然だったし、
32分の同点弾のあと、前半の残り時間で逆転まで有り得る流れだった。
(そして、この流れの中で逆転出来ないところが今の柏が課題としてるところなのかなとも思う)
後半は、改めてプレスの強度を上げて来た新潟に対して
チームを落ち着かせるのにある程度時間を要し、
以降は逆転ゴールを狙い木下投入を伴い2トップへ変更するなどした中で
比較的オープンな試合展開を受け入れ、
それほど好機を作れないままに試合終了の笛を聞いた。

木下投入で2トップ化する際にジエゴも同時投入で4−4−2でやってみた方が
攻撃面でも面白かったと思うし、
ゴメスを押し込めることで守備面でも寄与出来たんじゃないかなと思うけど、
どうだろうね。
(いっそ仲間も左SHに同時投入した方がオープンな流れを制せたかも知れない)


とりあえず言えることは、
この崩しの形と細谷、垣田、木下という前線を抱えていることを考えれば、
もっと点を奪えて引き分けを勝ちに出来てもおかしくないということ。






新潟。
基本的にはボールを握りたいチームであることは間違いないんだけど、
この試合ではプレッシングにより柏の前進を壊すことで
流れを掴んでしまおうという意志が強く感じられた。

その選択をした要因として3つのことが思い浮かんだ。
・柏を分析する中で
 自分たちが押し込まれる形になったら守りきれないという判断があったのかも知れない
・怪我人や次節まで中2日という日程を考慮
・右CBゲリアの足元にそこまでの信頼が無い

この試合の新潟を観ていていちばん気になったのは、この3番目。

ボール回しの中であまりゲリラに預けたくないような雰囲気を感じたし、
秋山が状況に関わらず(←重要)ゲリラと稲村の間に降りていたのは
これが理由なのではないか。

秋山が常に最後尾からスタートとなれば中盤の支配力、展開力は弱まる。
ロングボールを選択肢に持たないチームである以上、
中盤での支配力の弱体化は大きな問題となるわけだが、
やむを得ずそれを受け入れなくてはいけないのであれば、
高い位置で奪い切って攻撃を完結させてしまおうという考えが出てくるのは理解出来る。


(当たっているかどうかはさておくとして)
この前提に立って試合を振り返ると、
試合の入りは素晴らしかったたし、
後半のアタマにチームを締め直せたのも評価出来る。
前半をリードした状況で折り返せれば最高だったけれど、
それが出来るチームであればこの試合を終えて1勝6分5敗の19位ではないよね…。





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