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福岡 3−2 新潟
J1/第21節
(25/06/21:ベスト)
DAZN



福岡スタメン

________碓井________
____北島______紺野____
藤本____秋野__松岡____橋本
____安藤__田代__上島____
________小畑________



新潟スタメン

________谷口________
奥村______長谷川____ゴメス
_______星__宮本______
橋本____稲村__舞行龍___藤原
________田代________



福岡の整備されたハイプレスと新潟が築き上げてきたビルドアップが
真正面からぶつかった前半と、
福岡が狙い通りに試合を「寝かせた」後半と。
まったく異なる2つの45分間が楽しめた試合となった。



福岡。
試合開始早々に先制点を献上してしまっし、
質の高さで相手を褒めるべき2−2となる同点弾も浴びたものの、
前半はハイプレスからのショートカウンターが面白いようにハマッた。

新潟右CB舞行龍の外側と縦を消す北島、
新潟右DH宮本を消しながら左CB稲村を牽制する碓井、
新潟左DH星を消しながら最終ラインを見張る意識は他の味方選手より弱めで、
そのことによりショートカウンターに移った時に余力を残せていた紺野、
(違いを作れる彼に余力を残しておくプレスの設計は、キム監督、「見事」の一言)
新潟左SB橋本への縦スライド突撃に躊躇が無い橋本。
ここまで名を挙げた4人が短い浮き球等で回避されようものなら
そのボールが届く先に誰よりも速く寄せていく松岡。

彼ら5人、とりわけ北島と橋本の働きは素晴らしく、
新潟が「年に何本かは起きても仕方ない」と織り込みのロストを
前半だけで何度か引き起こし、うち2つをゴールに結びつけたのは特筆されていいでしょう。


そして、もうひとつ見事だったのは後半の変貌ぶり。

流石に消耗してハイプレスが失速する、
選手交代をしながら続けても質は保てない…という読みと、
前半だけで3−2はリードしてはいるけどオープンに過ぎるという心情か、
HTで上島アウトの前嶋インで3−4−2−1から4−2−3−1(守備時4−4−2)へ、
ハイプレスからミドルブロックを敷く守備へと変更。

新潟が簡単にハーフウェーラインを超えてくることを許容しながら、
運動量と強度を保つために交代も先手で打ち(秋野と紺野に代えて重見と名古)、
しっかり試合をクローズ。

左SBに前嶋を置いての采配も絶妙だった。
ビルドアップ時右SB橋本ステイの3+2にして前嶋を前に出して、
ゴメスが付いてくれば彼の体力を削げるし自ゴールから遠ざけられて良し。
付いてこなければ左SHに投入された名古と数的優位で左サイド攻撃が出来て良し
…という構造。
(ゴメスは結局前嶋の動きには付き合わず、
 カウンターの持ち上がりなどで前嶋がチームを助ける場面が3度くらいあった)


キム監督の采配と、
前監督である長谷部茂利の4年間の指揮のもと、
様々な采配に応えられる柔軟性を身につけてきた選手たちによる、
見事な勝利だったと言える。






新潟。
前半は、彼ららしいビルドアップが福岡にすっかり壊されてしまった。
誰が出ても後方から繋ぎ倒すサッカーは「新潟スタイル」として定着しているが、
この日の前半の福岡のように出てくるチームに対しては、
ピッチ内で誰かが(DHかCBが望ましいでしょう)リーダーシップをもって
有効なボールの動かし方、安全なボールの逃がし方を
いちはやく決定、意思疎通させる必要があるのだろうな…と感じた。
(新潟でそれが出来るのはおそらく怪我明けで途中出場となった秋山なのだろう、とも)

それでも前半のうちに
「縦スライドしてくる福岡右SB橋本のウラ」
「松岡を動かしておいて空いたスペース」
を見つけて、
長谷川、奥村にそこを活用する意識が見られたことを考えると、
「新潟スタイル」は単にスタイルなだけでなく、
やはり一定以上の質があると評価すべきだとは思うが。


後半、相手陣内での保持の時間が長くなるも崩し切ることが出来なかったのは、
積年の課題であり、
質が保証されているアタッカーを大金払って買えるチームではないツラさがあるが、
これは
(「新潟スタイル」に適応出来ることを最低限として)
特長の異なる選手を抱えてその組み合わせで工夫していくしかないだろうね…。


シーズンも折り返して勝点と順位が気になり始めるところだけど、
ブレずにやり続けるしかないかな。




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