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柏 4−2 浦和
J1/第27節
(25/08/22:三協)
DAZN



柏スタメン

________垣田________
____渡井______小泉____
小屋松___中川__山田____久保
____三丸__古賀__原田____
________小島________



浦和スタメン

________松尾________
関根_____サヴィオ_____金子
__グスタフソン__安居______
長沼_ホイブラーテン_ボザ___石原
________西川________



保持して押し込んでの柏とそれを受け止める浦和という構図。
前半の浦和の「してやったり」も、柏の許容範囲内だったのかも知れない…。
後半に更にギアを上げた柏と失速した浦和と、
90分を終えてそれぞれが見た景色は、コントラストの激しいものとなった。



柏。
リカルド監督とフロントの勝利と言っていい90分間だった。

開始早々のセットプレーと終了間際の疑似カウンターとで
0−2というスコア上は苦しい展開だったものの、
内容自体は前半から良いものを見せていた。

浦和の守り方を受けて3+2スタートのビルドアップを
原田と古賀の間に山田が降りる4+1に変更して、前進は常にスムーズ。
(山田は前回観た時とは別人のようにこのチームでのボランチをモノにしていて、驚かされた)

浦和が割り切って組んだ4−5(時に4−6ないし5−5)ブロックに対し、
その外側を丁寧に回しながらサイドで数的優位を作り崩しを伺う。
シャドー、WB、ボランチ、HVの4枚による保持は
SB、ボランチ、SHの3枚で守る浦和を常に後手に回らせ、
且つ、中央レーン及び逆サイドにスライドを強いて疲弊に繋げていた。

4枚によるパス回しからのポケットを取りに行く動きや
ボックスに平行な横パスを交えた崩しのコンビネーションも見事だったし、
左では小屋松、右では久保と単騎で仕掛ける役割を担う選手にその体勢が整った時の、
周囲の選手の邪魔しなさも素晴らしかった。

放送席が指摘していたように
浦和のブロックを強引にこじ開けるための手段としての
ミドルシュートが不足していたのは唯一不満点に感じられていたが、
後半の彼らを見れば、前半は敢えて打たなかったのだと確信を持って言える。

HTで投入された瀬川と杉岡は、
前者が垣田と比べてよりゴールへ直接的な積極性を見せ、
後者が大外の小屋松に預けた際に必ずアンダーラップを仕掛けることで
浦和のブロックを前半以上に縦にも動かしていく。

また、浦和の疲弊も相まってか、
更に細谷、仲間&小西を順次投入してゴールへの最短距離を採用するようになって行く中で
サイドにかける人数が減って行ったのも見逃せなかった。
(特に左サイドは、小屋松と杉岡の2枚で浦和の右サイドを翻弄)

サイドにかける人数が減るということは。
中央で構える選手が増えたり(細谷投入後の瀬川)、
崩しの中で生まれた中央のギャップに遅れて飛び込む選手を生んだり、
跳ね返された時にボールを回収して二次攻撃三次攻撃に繋げる選手を残したり出来るようになるということ。

後半半ば以降の浦和の成す術なく押し込まれる感じは、
彼らの疲弊や選手交代に伴う問題がありつつも、
柏のこうした変化が大きく影響していたと言える。


書き出してみると必然性すら感じる試合展開ではあったが、
まー、ホームで前半0−2が終わってみれば4−2勝利というのは
ぶち上がりまくるだろうし、
前節、岡山に手痛い敗戦をした直後に。
順位が近い浦和相手に、
この劇的勝利というのも強烈なインパクトだ。

これでノッて行かなければウソでしょ、という勝利でした。
お見事!






浦和。
渡邊と小森を欠く中で、
考え得る最も良いメンバー、戦い方、スコア状況で前半を終え、
有り得ると思われた中でも最悪と言っていい後半を過ごしてしまった。

前半。
柏の3+2スタートに対し4−4−2セットから金子を前に出しての人数合わせで
柏にビルドアップの変更を強いて、
その後も放送席の指摘の通り金子がやや前に重心、
関根がやや後ろに重心という感じでミドルブロック〜ローブロックを敷き、
(放送席では久保のケアを長沼独り任せにしないという意図を解説していたけど、
 どちらかと言えばカウンターに出ていく際に
 「運べる」上に「運べない流れになってもロストしない」金子を
 前目に残しておきたかったというのが、
 理由としては大きいのではなかろうかと思う)
(あと、単純に関根サイドの原田の方が金子サイドの三丸よりも深い位置に侵入してくるので、
 その対応も含めて関根は後ろに重心がかかってたとも言える)
柏のサイド保持から崩しに対しても粘り強く守れていたと思う。

セットプレーからの早々の先制点が無かったとしても
前半のような試合展開を予想していただろうから、
その中で擬似カウンターからあげた43分のゴールは最高に痺れただろうね。


問題は後半。
柏が前半のままでも2点を守りきれたかやや怪しかったと思うけど、
ギアを上げてよりゴールに対して直接的に向かって来られた時に、
対処する術が無かったのはキツかった…。

クラブワールドカップでも観た、
選手交代と共に攻守の質が下がっていくさまはなかなか切なく、
松尾に代わってサンタナが登場した時の
攻守両面で期待出来そうにないなというあの感じったら…。
(彼に能力が無いという話ではなく、
 この試合展開と構図においては彼が活躍出来る要素は無いという話)

また、同点弾を浴びた後の、
前線〜2列目の選手の足の動いて無さというのももどかしかった。
放送席が「これは浦和のシーズンを通しての問題」としていたけど、
その通りなんだろうね。
ファイティングポーズをとれないまでも、
クリンチしに行く姿勢は見せないといけなかったのに、
それも出来なかった。



スタメン争いに割って入れないまでも
ベンチから出てきてもう少し何か出来る選手を連れてこれないフロントの問題なのか、
同じ失速の仕方を繰り返す監督のやり方の問題なのか、
まぁ、どちらか一方だけとは言い難いように思うけれど、
「監督のサッカーを表現出来る選手をたくさん揃える」ことをやっていた柏に、
こうも鮮やかに逆転勝利を許してしまうと、
前者にへの言及が強くなるだろうなとは感じる。




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