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京都 1−1 鹿島
J1/第35節
(25/10/25:サンガ)
DAZN



京都スタメン

原_______長沢___トゥーリオ
____平戸______ペドロ___
________齊藤________
須貝___宮本_アピアタウィア_福田
________太田________



鹿島スタメン

______鈴木__セアラ_____
エウベル________チャヴリッチ
______三竿__舩橋______
小池__テヒョン__植田____濃野
________早川________



入れ込み過ぎに思えた京都がしかしその勢いを持って
互角に近い展開だった前半のうちに先制するも、
ドラマは後半の最終盤に。
後半は押し込みに押し込んでいた鹿島が執念の同点弾で
優勝争いの主導権をその手に留めることに成功した。



京都。
原、長沢という長身2枚を揃える前線に手早く放り込み、
そのセカンドを拾って雪崩込んでいく攻撃と積極果敢なハイプレスで
鹿島に襲い掛かる試合の入り。

荒々しい球際で25分までに原、長沢、齊藤の3人が警告を受け、
これは自滅の流れかと感じさせるも、
チョウ監督が第4審を通じて主審とコミュニケーションを図ってからは
(フルパワーで走り続けることが可能な時間との折り合いも合ったのだろうけど)
強度、迫力が落ちたとは感じさせないまま上手く立ち振る舞えるように。

ボールホルダーを追い越していく動きが全体に浸透している中で、
この試合の、特に前半では出し手が冷静な判断と高いパスの質を保てていて、
先制点にまで漕ぎ着けてみせたのは素晴らしかった。
(トゥーリオや平戸ならともかく、
 長沢があの難しいパスコースを選び、実際に通してみせるとは
 彼のプレースタイルや普段のプレーぶりからはちょっと想像し難いよね)


後半は一転してひたすら受け身に回る試合展開に。
鹿島のやり方、スコア状況、前半のペースによる消耗などが原因なのだろうけど、
もう少し、保持する時間や形、カウンターの脅威を出せていれば、
逃げ切りは為せたかもなぁ…とは思う。
(その意味で、山田の投入はもう5分早くても良かったと思う)

クロスに対するGK太田の判断と処理の質や
64分に投入された中野の攻守における連続性のあるプレーぶり、
74分の3枚替えによる3−4−3への変更によるメッセージなどは
良いものではあったが…。


とは言え、
今季のリーグ戦で首位争いを演じてきたのはフロックではないことを、
現在首位の鹿島を相手に示してみせたのは間違いない。

残り3試合で首位・鹿島との勝点差は5。
残す相手の顔ぶれを見れば簡単なことではないが…
横浜FM(残留争いの渦中)、
横浜FC(残留争いの渦中)、
神戸(勝点で並ぶ)
…勝点3ずつ積み上げて鹿島に圧力をかけるしかないし、
それがまったくの不可能ではないと思わせるチームになっている。






鹿島。
前半の半ば辺りまでは京都にお付き合いしてロングボールを多めに過ごすも、
「この試合の京都」を見定めてからは
足元で繋ぐ形を増やして保持からのサイドアタックへと切り替えて行った。

GK早川の足元、テヒョンと舩橋の展開力は上々だったし、
濃野が右HS、チャヴリッチが右外とレーンの棲み分けを決めていた右サイドの連携は流麗で、
度々、チャヴリッチと須貝の1対1を作り、そこからクロスという形で好機を創出。

保持やショートパスへのこだわりを押し出しているチームではないにも関わらず、
前半の京都に対して繋ぐ選択をし、それを実行出来るのは流石である。


予想される後半の構図から、HTで舩橋に代えて知念を投入。
押し込んで、守備も相手陣内で奪い切るまでをやり、
そして攻め続けるのだという意図を感じさせたし、
実際にそういう展開に持ち込んでみせたのは素晴らしい。

交代策で特に効いたのは、
72分にエウベルに代えて左SHに投入した松村を、
81分の2枚替えの際に右SHへ移動させ、
左SHに鈴木を落とした判断だと思う。

順次投入した選手のキャラクターはもちろんあるにせよ
(最終的には田川と徳田の2トップになっていた) 前半がそうだったように、
この試合では崩し、クロスは右サイドからが有効であり、
スピードを生かした突破が武器の松村をそちらに移し、
組み立てに関わることも出来るし、
無論、フィニッシャーとしての能力にも疑いのない鈴木を左に落としたことが、
最後の最後に結果となって表れたのだから見事としか言いようがない。


「自分たちに追い縋る相手に勝点3を与えない」。
これが出来るチームの強さよ。




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