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讃岐 0-0 鹿児島
J3/第36節
(25/11/16:丸亀)
DAZN



讃岐スタメン

________大野________
____後藤______前川____
上野____岩本__江口____左合
____附木__小松__内田____
________飯田________



鹿児島スタメン

アンジェロッティ__河村______
吉尾______ _______田中
______渡邉__山口______
杉井____岡崎__千布____青木
________山内________



互いにウラ狙いの意識が強く五分に渡り合った前半を経て、
後半は地力の差で鹿児島が押し込む時間を長くするも、
讃岐がこれを凌ぎきってのスコアレスドロー。
残留に向けて必死の讃岐には貴重な「プラス1」、
自動昇格圏に望みを繋げたい鹿児島には手痛い「ロスト2」となった。



讃岐。
4-4-2の鹿児島に対して基本フォーメーションは3-4-2-1を継続。
非保持時には前川を右に落とし後藤を前に残す5-3-2に変化して、
守勢に回る機会の多さは覚悟しつつもカウンターは諦めない姿勢を見せて試合に入った。

15分という早い段階で小松が負傷交代となるアクシデントがありつつも、
SBも高い位置を伺う鹿児島に対して「奪ったら素早く前へ」の意識をチームで徹底。
大野、後藤が相手CBと駆け引きをすることはもちろん、
中盤の選手も雪崩込むように前方へスプリントをかけるさまが見られ、
好機、決定機の数でも劣っていなかった。

また、守備面でも、ウラ狙いを最終戦とする相手2トップに対して
その動き出しを警戒しながらも可能な限り高いDFラインを保ち、
中盤を圧縮して守る意識が感じられ、
この戦い方も一定以上機能していたと言える。


しかし、前節同様に、自動昇格圏を見据える相手に対して、
やはり後半は押し込まれる時間が長くなってしまう。

決定的だったのは66分に行われた鹿児島の2枚替え。
ここで投入されたうちの一人であるンドカに比較的自由にボールを収めさせてしまい、
彼からのパスの振り分けで多くのピンチを招いてしまった。

この要因としては、
・ンドカ自身の体の強さ
・押し込まれ始めている中で讃岐のDFラインの後方撤退の判断が自然と早くなっていたこと
・5-3-2守備の「3」に疲弊が見えてきていてンドカへのパスコースが大きく拓けていたことなどが挙げられるが、
3つ目についてはンドカ投入の少し前からこの傾向が感じられていたので、
外から観ている人間としてはもっと早く手当をして欲しかったところ
(結果として、ンドカ投入から9分後に、
 江口から吉田への交代で強度維持を図ろうという意図を見せた)



「何とか守れている」時の選手交代というのは
「何とか」のバランスを自ら壊してしまうリスクとの兼ね合いがあるけれど、
ベンチの選手層がよほど心許ない場合を除き、
チャレンジャーの立場にあるチームは積極的に動き強度維持に務めた方が
良い結果を呼び込む可能性が高いのでは?、
…というのが個人的なサッカー観である。



話を戻して。

結果として後半は押されっ放しにはなったものの、
ピッチ上の選手たちが特に自陣ボックス内で体を投げ出し続けたことで
どうにか無失点で90分を終えることが出来た。

前節と同じ轍を踏まないで済んだのは
苦い経験をした選手たちが同じ思いをしたくないと奮起したこともあるだろうし、
鹿児島がJ3でいちばん得点を多く奪っているチームではあるものの
得点者とその数が分散していることが影響していたのかも知れない。
(河村10点、アンジェロッティ7点、ンドカ7点、吉尾、福田、近藤5点。
 66分のンドカ投入以降、ここで名前が挙がった選手でピッチ上にいたのはンドカだけ)
(前節の栃木Cは田中パウロ9点、ウタカ7点(讃岐戦の前まで9)、バスケス6点、ヨニッチ5点。
 ゴールしたのはウタカ、名前が出ていない大嶌、佐藤ではあるが
 得点数付きで名前が出ていた選手は全員後半ATまでピッチ上にいた)

(…や、まぁ、そんな単純な話でもないだろうとは思いつつも、
 こういうところに目を向けてしまうくらいにやっぱり苦しい後半ではあったな、と)






鹿児島。
基本フォーメーション4-4-2で、
前半の終盤辺りから見せ始めたように
保持して、狭い地域でパスを繋いで崩して…ということも出来る能力がありつつ、
攻撃の最優先は2トップによるウラ抜け。
まずはこれで相手DFラインを押し下げつつ、
中盤でパスが引っ掛かってしまうリスクを低くしたところで
次の段階として繋いでの崩しに入りましょう…ということなのだと思う。

また、第一攻撃手段であるウラ狙いをしやすくするために
相手を自陣に引き込む意図があるのか、
単に讃岐のロングボールでのウラ狙いを見切っての上で
「跳ね返して中盤でセカンドを拾おう」という意図だったのかは不明だが、
前線からのプレッシングについてはその意欲が無く、
ハーフウェーライン前後に4-4-2の「2」を設定し、
讃岐最終ラインに対する牽制もそれほど行っていなかったのは印象的だった。


攻撃に話を戻すと、
相馬監督らしいサイドでの人数のかけ方に加えて、
今季積み重ねてきて辿り着いたやり方なのか、
山口が前に出てトップ下然として振る舞う4-4-2ダイヤモンドの時間帯も長く、
サイドを突破してからのクロスに対しより人数をかけるんだという狙いを感じられて、
先手先手の選手交代も含め、
「点を奪って、勝ち切るんだ」というメッセージが強く発せられていたのは
押し込められていた側としてはやはり怖さを覚えた。




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