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福岡 1-0 G大阪
J1/第37節
(25/11/30:ベスト)
DAZN



福岡スタメン

________碓井________
____名古______重見____
藤本____見木__松岡____橋本
____前嶋__安藤__奈良____
________小畑________



G大阪スタメン

_______ヒュメット______
奥抜_____ 満田______山下
______美藤__安部______
黒川____福岡__中谷____半田
________一森________



前後半で比率と性質を変えながらも福岡が良い内容を継続して披露。
ホーム最終戦を会心の勝利で飾った。



福岡。
前半はプレッシングの位置の使い分けとショートカウンター、
後半は自陣でブロックを敷いての跳ね返しとロングカウンター、
そして90分を通してG大阪のハイプレスを掻い潜る人の配置とボールの動かし方…。

いずれもが見事な質の高さだったと言える。

プレッシングのキモはG大阪がサイドにボールを逃がした時の、
WBの果敢で速い縦スライドと、それに連動したHVの動きにあったように思う。
前者だけであるならば、
ワンタッチを用いて一旦中に預けることでG大阪も福岡の守備の圧力を回避、
サイドを変えたりあるいは寄せてきた福岡WBのウラを使ったりして
スムーズな前進に繋げてくるだけの力があると思うんだけど、
後者が同時に行われていたことで
サイドで受けるG大阪の選手から一旦中に預けるという選択肢を取り上げ、
シャドー、DH、WB、HVによるスペースと時間の圧縮によりボールも奪ってしまう
(あるいはやむなくCBへと戻させる)
守備が出来ていた。

ショート/ロングカウンターではシャドーがG大阪のCB~SB(DH~SH)の間に上手くポジショニングして
ボールを引き出していたことや、
G大阪からボールを奪った選手が前方を確認、「行ける」と判断すれば
誰であれ自らのドリブルで長い距離を運んでいたことが非常に有効だった。

G大阪のハイプレスを掻い潜るビルドアップにおいては、
CB化するGK小畑とSB化する左HV前嶋(彼は藤本を前に押し出す効果も持っていた)、
たっぷり幅を取る右HV奈良と中央CB安藤とで
ピッチを幅広く使い、
G大阪が4-4-2化から前4枚でかけてくる圧力に対し余裕をもって対処出来るスペースを創出。
その上でG大阪「2」の背中やSH~SBのスペース、HSにタイミング良く人が入り込むことで
G大阪の選手に捕まらないままパスレシーブ、
容易に前を向いてノープレッシャーでの前進に繋げていた。

特に右サイドではHS~大外レーンで重見と橋本のコンビネーションが良く、
これに名古までもが絡んでの仕掛けはG大阪左SBの黒川を大いに苦しめていた。


問題があるとすれば、
前進のスムーズさに比して好機の数は少なく
(それでもシュート数は前年比で相当増えているらしい)
必然的に決定機の数もそこまで多くはなっていないことか。

ここまでの内容を見せられるのであれば、
相手がG大阪であったとしてももっと圧倒的にゴールに迫れていいのでは。


快勝の90分を振り返ってなおそう思わせるくらいに、組織として抜群に機能してたと思う。






G大阪。
殊更内容が悪いというわけでもなかったが、
結果として福岡に快勝を許してしまう90分となった。

福岡のプレッシングに対しては
「ヒュメットへのロングボールで逃げればいい」との思いがあったように映ったが、
ここで彼に思うようにボールが収まらなかったのはひとつの誤算か。

また、後半に何度か見せていた「CB間に安部が降りる」形が仕込めているのであれば、
前半の半ばくらいからもっと積極的に活用しても良かったのではないかとは思う。

ビハインドになる前(HTの段階)からヒュメットに変えての食野投入で
奥抜を下げ気味にしての左から満田、食野、山下という並びの変則3トップ導入で前線を流動的にし、
「一箇所にボールが収まらないのなら動かし続けて押し込めばいいじゃない」という発想は面白かったし、
スコアが動いたことで自分たちが押し込む時間が長くなる中で
一定の機能を見せていたのは興味深かったけど、
最終的に福岡ゴールへ迫る手段が
ヒュメットを交代させてしまったにも関わらずクロスばかりだったのは
なかなかに切なかった。

「跳ね返せるしクロスを上げさせるぶんにはOK」という
福岡の割り切りがあったにせよ、
もう少し、ポケットを取るとかペナ角アタックなどのバリエーションをもって迫らないと、
ネットを揺らすのは難しかっただろうなというのが正直な印象。


ポヤトス監督には「ボールを捨てて守り直す」という発想が無いと思うので、
福岡のカウンターに対して「後ろの選手が頑張る」以外には
保持から崩しの質を向上させてその回数を減らしに減らす以外に手立てが無いんだけど、
「後ろの選手が頑張る」部分での脆さみたいなものは無かったのは、
流石、能力の高い選手が揃っているなという感じだった。




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