menufootballmatch




滋賀 3-2 沼津
J3・JFL入れ替え戦/1st Leg
(25/12/07:HATO)
DAZN



滋賀スタメン

________日野________
____人見______田部井___
秋山___ロメロ__海口____小泉
____西山__宇田__藤谷____
________櫛引________



沼津スタメン

________白輪地_______
_____森 _____向井____
宮脇___鈴木拳__徳永____一丸
____沼田__宮嵜__篠﨑____
________ゲギム_______



割り切りのもと迷いなく思い切りプレーできていた滋賀と、
拙攻とセットプレー守備の脆さが出てしまった沼津。
出来と手応えにはかなりの差があれど、点差はわずか1で2nd Legへと向かう。



滋賀。
沼津のビルドアップに対してミドルサード出口辺りを頂点に5-2-3で牽制から
自陣での5-4-1へと移行しての守備。
奪ったら躊躇なくサイドへ奥へ蹴り出して陣地回復。

攻撃はやはりスペースへのロングボールと、
逆足WBによるインスイングのアーリークロスを徹底。
ゾーンで守る沼津のCK守備に対しての準備も周到で、
極力リスクを冒さないという意識がチームで徹底されていた。


おそらく、
「とにかく負けないこと。
 出来ればCKから一刺しして勝てたら最高」
という意識で試合に入って、
見事にそれを為したという格好だと思うし、
想定していた範囲の中で最上に近い結果を持って
2nd Legへと向かうことになったと言えるだろうけれど、
頑張ってはいたものの自陣守備に関しては沼津の拙攻に助けられていた部分も大きいため、
組織と個人の両面で守り方の見直しは必要じゃないかな。


特に印象的だったのは2点。

1つは沼津ビルドアップに対する前3枚の守備の上手さ。
当初は「3+2」で始めていた沼津の、当事者5人を3人で完全に阻害。
積極的に奪いに行くことはしなかったが見事な牽制ぶりで
早々にボランチを降ろしての「4+1」への変化させてみせたし、
対「4+1」でも的確にサイドへの誘導が出来ていた。

もう1つは右WB小泉のキャラクター。
リスタートも担当する正確な左足の持ち主なんだけど、
左利きのボールの持ち方で右のタッチライン際をガンガン縦突破で仕掛けていく姿勢には
対面の宮脇も対応が後手に回ってしまっていた。


有効だったのは逆足WBと長いボールでも狙えるのであれば右HS→右ポケットを狙うという意識。
後者では日野が本当によく走っていたね。






沼津。
早々の失点と滋賀が選んだ戦い方のために、
90分を通じて望み通りにボールを持つことは出来ていたものの、
ミドルサードを抜ける辺りからは大いに苦しんでいたのが印象的だった。

基本フォーメーションのままに「3+2」で始めたビルドアップが
滋賀に上手く阻害されているとみるや、
すかさずボランチのどちらかが降りて「4+1」へと形を変えて
ハーフウェーラインまでは難なく運べるようになったのはとても良かったのだけど、
前述したように問題はその先。

左サイドではSB化した沼田、前に押し出されたWBの宮脇、
左シャドーから外に流れてボールを受けたがる森の3人で
使いたいレーンが被って常にノッキングを起こし、
(川又による2点目を生んだシーン以外はずーーーっとノッキングしてた)
仕方なく中に持ち出した沼田が半身の姿勢になったところを強く寄せられて、
奪われるかバックパスかという展開が何度も何度も見られた。

右は右で、やはり向井が大外で受けたがり一丸が仕掛けるスペースを潰すことが多く、
こちらは30分過ぎくらいからは修正されて一丸の果敢な突破が見られるようになったものの、
拙かったとの評価は免れないだろう。

サイドが詰まりがちなので「ならば後方からCF白輪地目掛けて」との選択も何本か見られていたが、
滋賀の前3枚の守備の上手さゆえに蹴り込むタイミングが丸わかりだったため
高さ強さが備わっているわけではない白輪地が収めたり抜け出せたりという場面はほぼ作れず、
加えて、シャドーの2人がサイドに流れたい意識が強くて白輪地が孤立していたのも
彼にとっては厳しい戦いとなる原因だった。
1点目のシーン、最前線でポストプレーから白輪地のゴールをアシストしたのはボランチの鈴木拳ですよ。
あの時、森と向井はどこにいたの?、と。


かように、沼津の攻撃には悪い意味で気になる点が多く、
何と言うか、閉じこもる相手をどうやって崩そうかと考える前の段階。


また、守備面にも大きな不安が残る戦いぶりで、
とりわけ滋賀CKの際の脆さは目を覆わんばかりだった。
1失点目、2失点目以外のCKも、
特に前半のそれは仕留められておかしくないものであったことを思えば、
2nd Legでの修正は必須。


1点のビハインドでホームに帰れるのはかなりの幸運だったように思えるけど、
考え方を変えれば、
自分たちがやるべきことを正しく理解してやれさえすれば、
ビハインド1なんかはすぐにどうとでも出来るくらいに、
局面ごとの個の能力差はあるのではないか。

とりあえず。
2nd Legで滋賀が並びや戦い方を変える可能性とは無関係に、
スタメンのフォーメーションと人選で自分たちの能力を最大化して見せられるよう、
監督及びコーチ陣は熟考して欲しい。




menufootballmatch