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讃岐 ０－２ 長野
Ｊ３／第１節
（21/03/14：Pikara）
DAZN
讃岐スタメン
＿＿＿＿＿＿栗田＿＿林＿＿＿＿＿＿＿
中村駿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿高木
＿＿＿＿＿＿岩本＿＿西本＿＿＿＿＿＿
松本＿＿＿＿竹内＿＿遠藤＿＿＿＿川﨑
＿＿＿＿＿＿＿＿渡辺健＿＿＿＿＿＿＿
長野スタメン
＿＿＿＿＿＿＿＿高窪＿＿＿＿＿＿＿＿
森川＿＿＿＿＿＿東＿＿＿＿＿＿＿三田
＿＿＿＿＿＿藤山＿＿宮阪＿＿＿＿＿＿
山本＿＿＿＿広瀬＿＿喜岡＿＿＿＿水谷
＿＿＿＿＿＿＿＿矢田貝＿＿＿＿＿＿＿
好機の数はさほどでもなかったが、危なげがまったく無かった長野が完勝。
讃岐はあらゆる部分の強度、精度で劣った。
讃岐。
ヴェールに包まれていた上野山サッカーがついにお披露目。
「『（当時の望月監督と）サッカー観はあっていますし、指導の話もしています』とした
2020シーズン新体制・新加入記者会見での言葉は嘘偽りの無いものだったな」
「だけど、昨季を観た中で、望月前監督よりは（わずかだけど）枠組みを与えてスタートしたのかな」
…というのが、自分の感想です。
サッカー観と指導の方針については
「ゴールという目的に対し無数の選択肢の中から最適解を選び続けていくことが大事で
そのことによって選手は成長する。
枠組み、型は少ないほど（残してあげる選択肢が多ければ多いほど）
選手の可能性を広く保ち大きく伸ばすことが出来るので
必然、チームとしての約束事は可能な限り少なくなる」
といった感じでしょうか。
この考え方に則ると、
選択するフォーメーションはオーソドックスな４－４－２BOXに落ち着くと思います。
望月前監督、上野山GM兼監督が開幕戦にこのフォーメーションで挑んだのは
彼らの考え方からすれば当然のこと。
そして、GMの立場から昨季のチームを見守った上野山GM兼監は
望月前監督よりは最初から枠組みを与えたなと感じました。
この試合で見えたのは
「川﨑の攻撃力を活かして右から崩して仕留めよう」（61分まで）ということと、
「ドリブルで仕掛けられる中村亮と渡辺悠の両サイドでオープンな試合に持ち込んで追いつこう」（61分から）の２つ。
前者について。
左HSで縦のパス交換から中村駿が抜け出した41分の形のように、
良い攻撃が出来るなら別に右からの崩しにこだわらなくてももちろんいいんですけど、
現状、あらゆる選択肢の中から常に良いものを実行し続けられるようなチームではないので
（欧州のトップ・オブ・トップを観てもそのようなサッカーは理想の領域だとは思うのですけど）
抱えてる選手の能力に見合った「右から行くことを優先しようか」という提示が為され、
それをやりやすい配置と約束事が用意されていたように感じました。
・昨季、右IHに入り右WBの川﨑と良好なコンビを見せていた高木の右SHスタメン起用
・攻守両面で右SHの高木が左HSまで積極的に絡んできて右SB川﨑が仕掛けるためのスペースを与えていた
（46分～61分まで右SHを務めた後藤も右に固執せず動き回っていた）
・左SHにストライカー能力のある中村駿を配し川﨑のクロスを仕留める選手を増やした
後者については特に他のポジションに連鎖するような仕掛けは無いのですが、
中村亮と渡辺悠が交代の準備をしているのを見た段階で意図がわかるものだったと言えるでしょう。
後半は最後尾からの前進もままならない時間が長く、
ならば個人に預けて打開してしまおうという選択は理に適っていると思います。
ましてやビハインドだったわけですし。
これを踏まえて個人的に思うのは、
もう一つ、ビルドアップのパターンを幾つか仕込むことまで
やった方がいいんじゃないかということです。
長野がやり方を変えたのかどうかが画面からはわからなかったのですが
後半からボールを相手陣内に運ぶことがままならなくなって、
閉塞感が強い時間帯が続きました。
（たぶん、長野の２DHの、讃岐の２DHに対する距離感が
前半から変わったんだと思うんですけど、
画面に映ってた範囲ではそう断言出来るものが見えませんでした）
その打開策として61分の中村亮、渡辺悠の同時投入があったわけですけど、
彼らの投入は言ってみれば諸刃の剣。
守備のバランスを崩してよりDFが晒されることになると思うんですよね。
ビハインドを追いつくという点でアイデア自体はいいものの、
守備のバランスを崩すというリスクを背負うには、
61分（残り時間29分）は、ちょっと長いな…と。
これが、相手の守り方に応じてビルドアップのやり方を選択出来るチームであれば、
諸刃の剣を抜かなくても済む、
抜くにしてもよりリスクを軽減した状態で抜けるよな…と思うのです。
この試合を観る限りでは、
「２CB＋２DHがポジションを動かさずに４人でどうにかしろ」というのが
上野山GM兼監督の方針なんだと思うんですけど、
（ここでは細かく触れませんが
ディフェンシングサードでの守備際にも
２DHはなるべくバイタルから動かないよう求められていると感じました）
後半の長野に窒息状態に追い込まれたにも関わらず、
４人の中で工夫を見せていたのは遠藤（持ち上がりにより長野のバランス崩しにトライ）だけ。
その遠藤の工夫にしても周囲の十分な連動が得られていたとは言い難く、
トライに伴うリスクが最大値の状態で行われていました。
上野山GM兼監督とすれば
「そこはピッチ内の君たちが即興で擦り合わせなさい」ということなんだと思うんですけど、
讃岐に限らず、Ｊ１クラブであっても、なかなかそうはいかないですよ。
ならば、「仕込んでおくしかないじゃないか」と。
今季は15チーム全28試合という「短距離走」の様相が強いＪ３リーグ。
Ｊ２昇格を本気で求めるのであれば、
もっとガチガチの仕込みを早期に行う必要があると思います。
……そうしたところで昇格レースに食い込めるかどうかというレベルでしょう、現状は。
個人について。
栗田。
スペースへ蹴られたボールへの反応で、広瀬に完敗。
走り出す瞬間、走りながらの駆け引きを習得して
自身のスピードを最大限活かせるようになって欲しい。
林。
もしかしたら、ハイボールの落下地点の見極めがあんまり上手くないのかも知れない。
要・継続審査かな…。
後藤。
左サイド特化のアタッカーかと予想してたんですけど、
前めならどこでも…という感じでした。
現時点では下川よりも序列が上みたいで、今後も期待出来そう。
西本、岩本。
ビルドアップの際の役割分担をハッキリさせることと
（どちらかが常に片方の役割を担当するということではなく、
西本がＡの動きをしたら岩本は自動的にＢをする、
逆もまた然り……というような話）
バイタル守備の際に人への意識をもう少し強めることを求めたい。
１失点目、東がフリーになっていたこと、
後半に２度ほど長野から見て右HSで藤山が浮いていたことなんかは
DHの責任で防いで欲しい。
……ゴールエリアの幅から動くなみたいな指示が出てそうな印象だったけれども。
長野。
開幕戦だからなのか、はたまた今季の方針か、
前線の流動性が幾分昨季よりは抑えられていた印象で、
前半は左サイド、後半は右サイドと、
攻撃するサイドとそこに関わる選手が固定されていた。
昨季、左で佐相がしていた仕事は森川が引き継ぎ、
右に回った水谷は三田や藤山の右ポケット抜け出しを促すパスを出すなど
マイナーチェンジはあれどもサイドの崩し方は今季もスムーズ。
守備とビルドアップについては今日の讃岐を物差しにすると正確なものは見れないと思うので割愛するけど、
昇格争いには間違いなく絡むチームだと思います。
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