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八戸 １－１ 讃岐
Ｊ３／第15節
（21/07/10：プライフーズ）
DAZN
八戸スタメン
＿＿＿＿＿＿＿＿上形＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿島田＿＿＿＿丸岡＿＿＿＿＿
前澤＿＿＿＿坪井＿＿新井山＿＿＿黒石
＿＿＿＿近石＿＿赤松＿＿伊勢＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿蔦＿＿＿＿＿＿＿＿
讃岐スタメン
＿＿＿＿＿＿栗田＿＿重松＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿中村駿＿＿＿＿岩本＿＿＿＿＿
川﨑＿＿＿＿＿＿西本＿＿＿＿＿渡辺悠
＿＿＿＿遠藤＿＿竹内＿＿松本＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿高橋＿＿＿＿＿＿＿＿
アタッキングサードで迫力を見せた八戸と、地上戦で優位性を見せた讃岐。
前半は互いにビルドアップに対するマンツーマン守備とその攻略、
後半はオープンがちという試合展開はドロー決着となった。
八戸。
基本的にロングボール中心であることが伺える90分だった。
相手を押し下げておいてスペースが出来る２列目の攻撃力を活かすという発想なのだろう。
島田も丸岡もゴールに対して直線的という印象を受けた。
そして、これが讃岐相手にある程度はハマッていたが、
あくまである程度でしかなく、
もっと強靭な１トップを据えるとか、
前に蹴るにしても
相手の誰を狙うとかどのスペースにどのタイミングで蹴るか等を突き詰めるとか、
最後尾から繋ぐ選択肢も（実用レベルで）持つとか、
何かしらの大きめな上積みが出来ないと、
得点数は思うように伸びて行かないんじゃないかな。
新井山が担う組み立てとアクセントを誰かが引き継ぐだけでも
少しは違うと思う。
シャドーに入った時の前澤にはその意味で可能性を感じたけど、
実況によれば彼は前節まで１トップで出ていたというし…。
守備では、讃岐の３＋１ビルドアップに前３枚と新井山でデート。
岩本が加勢するようであれば岩本には坪井がデートして
人数を揃えていたけれど、
後半から上形が竹内に圧力を欠けるのをやめてしまったように、
前で奪い切るという意識でなく蹴らせて跳ね返すためのハイプレスだった。
これに関してはちょっと読みが外れていたように思う。
（讃岐は八戸の予想よりも繋げていた）
讃岐がハイプレスを掻い潜ったあとにミスなく攻め込めるチームだったら、
たぶん何失点かしてたのではないか。
他のチームを相手にした時にはもっとベタ引きだったり
パスコースの誘導があったりするのならいいのだけど、
（誘導するような守備が出来るのなら後半からそうしてただろうから、
実際のところはそういった守備は出来ないのだと思う）
ここまでの失点数を持ち出して堅守とするのは、
ちょっと無理があるように感じた。
讃岐。
八戸の３＋２ビルドアップに対して
重松が右（近石）、１つ前に出てシュンタ（中村駿）が左（伊勢）、
マーク（栗田）が中央（赤松）、
２DHには岩本と西本でハメに行っていた。
これは、ある程度は成功していたと思う。
ある程度、というのは、
八戸DFのロングボールが、
元よりそれほど精度やその先の意図が感じられるものが乏しいであろうことが
90分を通じて感じられたからであり、
前からハメに行った守備の成果とは言い切り難いからだ。
八戸の３＋２がこのレベルであったなら、
ボールホルダーの利き足を常に切り続けるとか、
逃げのショートパスを誘導するトラップを仕込むとかして、
蹴らせずに奪い切ってのショートカウンターまで持ち込めたんじゃないかな…。、
この試合に限らず、
前から奪いに行くにしてもその質というのは考えなければいけないので、
中断期間でレベルアップ出来るといいな、と思う。
この試合に限らずということで言えば、
「一旦相手の攻撃を受けて押し戻させた時等に、
遅れてバイタルに入ってくる選手に対する一歩が出ない
（DFラインの細かな短い押し上げが無い／遅い）」
というのは、是非修正してもらいたいポイント。
強烈なミドルや余裕を持ったラストパスを繰り出す余裕を
バイタルで相手に与えてしまえば、
失点の確率は必然的に上がってしまう。
一方、ボール保持の局面では、
ビルドアップにおいて大きな進歩が見られた。
ボールホルダーに対して近い味方がアクションを起こした際に、
同時に、遠い味方が近い味方のアクションを利用してパスを引き出すアクションを起こし、
ボールホルダーは遠い味方の方にきちんとパスを通す。
例えると……、
左HSでボールを持つ左CB遠藤に対して縦関係に居たアンカー西本が中央方向へ斜めに引いて受けに行く→
同時に右HSに居た重松が西本の居たスペースへと斜めに落ちてくる→
遠藤は西本へのパスをフェイクにして重松へ縦パスを刺す
……みたいなことです。
サイドでのコンビネーションではこういう３人が絡んだ動きが出来るのに、
何故かビルドアップではいちばん近い選手としかパス交換してはいけないという
チーム内でのルールがあるかのように振る舞って来たのがこれまでの讃岐なんですけど、
この試合ではそこから脱却。
主にロングボールを蹴らせる目的で前から人数合わせをしてきた八戸の前線守備をサクッと剥がし、
相手陣内に前を向いて侵入出来る回数がこれまでの試合よりも飛躍的に増えた印象を受けました。
相手の守り方との兼ね合いもあるので回数だけで語るのは危険なんですけど、
これがやれるのであれば
より良い状態で攻撃を仕掛けられるわけで、
今後の試合でも継続的にやって欲しいし、
バリエーションを増やして
相手の守り方や守備の弱い選手を狙うような使い分けが出来るようになれば、
好機の数が増えていき、その質も高まるハズ。
試合直後に岩本がインタビューで口にしたように
「どちらにも勝つチャンスのある試合だった」のは間違いないけど、
八戸のサッカーと、ビルドアップで進歩が見られたこととを考えると、
勝って欲しい試合だったな…。
薩川不在。
怪我でなければいいけど…。
ユウガ。
初先発で、まずまずだったように思う。
今季、ここまでに見えた彼の変化として
相手の背後を狙うフリーランが増えたことが挙げられるけど、
先発で長い時間プレー出来る状況だったこの日は、
簡単に味方に叩いてから受け直すプレーが多かったのが好印象。
ドリブルは間違いなく彼の武器なんだけど、
その武器を最大限の効力で発揮するためにはどうするのがいいか、
という部分に着手出来ている。
現在のプレーぶりをアベレージにしつつ、
パスやクロスの精度向上、
左足で短く中に持ち出した時にどっかんミドルなんてのも出来るようになったら
なおいいよね。
福井。
相生学院高校の３年生で、特別指定での加入（今季は２種登録）。
讃岐が相生学院高校からゼムノビッチ監督を奪ったような形になっていることと
彼の経歴とで、
「罪滅ぼし的な獲得なのでは」との疑念がどうしたって拭えなかったんだけど、
ベンチ登録を１枚減らしているアウェイにおいてメンバー入りを勝ち取ったことで、
自分はもう気にしないことにしました。
この試合では出場時間が短くて何もわからなかったけれど、
これから、期待の目で観ていきます。
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