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富山 １－０ 讃岐
Ｊ３／第23節
（21/10/17：富山）
DAZN
富山スタメン
＿＿＿＿レイリア＿＿吉平＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿姫野＿＿＿＿椎名＿＿＿＿＿
安藤＿＿＿＿＿＿末木＿＿＿＿＿＿音泉
＿＿＿＿戸根＿＿林堂＿＿今瀬＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿西部＿＿＿＿＿＿＿＿
讃岐スタメン
＿＿＿＿＿＿＿＿阿部＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿中村駿＿＿＿＿中村亮＿＿＿＿
薩川＿＿＿＿西本＿＿鯰田＿＿＿＿川﨑
＿＿＿＿遠藤＿＿西野＿＿小松＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿高橋＿＿＿＿＿＿＿＿
降雨がピッチに浮かび上がらせたのは「地力の差」。
安全第一のサッカーに徹した富山が
目論見通りの安全さで讃岐を寄り切った90分。
富山。
前回対戦時の印象と今日のメンバーとを見るに、
本来はもっと全体で押し込んで、
サイドアタックからのクロスや中央でのコンビネーションを志向してるのだと思うけど、
（60分くらいまでスコアレスが続けば、そういうサッカーが見られただろう）
この日はピッチ状況を鑑みてか、
ロングボール中心の中盤で変なロストをしないサッカーを心掛けていた。
タクトを振るうのはIHから降りてくる椎名で、
ロングボール攻勢でも一定以上に攻撃の回数を担保していたのは
前線でピッチの幅いっぱいに駆け回るレイリアと、
キープ出来た時にフォローに絡んでいった姫野や音泉だった。
押し込んだ際には今瀬も高い位置に進出してアーリークロスを伺うなど、
ボールと人の位置によるポジショニングの循環もスムーズ。
（椎名が元来はボランチの選手であることも大きいか）
武器との自覚があるリスタートでサクッと先制してからは、
後半立ち上りからウォーターブレイクまでの時間帯で讃岐に流れを明け渡すも
ピンチらしいピンチも殆ど無く、
危なげなく勝点３を得た。
昇格に向けてソツのない90分だったと言えるのではないか。
讃岐。
スタメン１トップに阿部を抜擢したのは、
彼に経験を積ませること以上に、
格上である富山を相手に後半勝負を見込んでいたからであろう。
その意味で、14分に先制点を献上してしまったのは本当に痛かった。
椎名から始まる富山の攻撃に対する守り方は、そんなに悪くなかったと思う。
もっと椎名にくっついて行ってそもそも彼に蹴らせないという考え方もあるだろうけど、
レイリアの頑張りで富山が前進出来た際にもさほど穴を開けずに守れていたのは
変に陣形を崩さなかったからという見方も出来るわけで。
富山のシュートが讃岐ゴールを襲った場面はほぼほぼミドルシュートで、
そこには高橋がしっかりと立ちはだかっていた。
繰り返しになるが、守り方はそんなに悪くなかったと思う。
一方の攻撃面では、
流れを掴めていたと言える時間帯でも人数をさほどかけることが出来ず、
個で勝ってるとは言い難い力関係の中で
局面を数的不利でありながらも打開しなければならない場面が、
ただでさえ少ない攻撃回数において、多々。
ここで上手くやれていれば引き分けには持ち込めたかなぁ、
という雰囲気があったんだけど…。
全体で押し込めない＝攻撃にかけられる人数が少ない時のプレーの選択肢は、
（カウンターとは別に）
増やしていかないといけないと思う。
個人について。
薩川。
少し前にユウガ（渡辺悠雅）への言及でも書いたことだけど
仕掛ける姿勢も見せずにバックパスを選択し、
その質も低いというのは頂けない。
フェイクでも仕掛ける姿勢は見せた方がいいし、
バックパスについてもどう下げるのかは一考が必要。
薩川の場合だと、
パスをもう少し自身の真横に近い角度から出してくれるように
遠藤や西本に要求するといいかも知れない。
そうして、タッチラインに対して身体が90度に近い角度の状態で
左足にピタリと収めて相手と正対出来れば、
仕掛けやすいんじゃないだろうか。
今日の試合では特に、
タッチラインと身体が平行に近い状態での左足受けになっていて、
仕掛けるにも一旦身体の向きを整える必要が生じ、
そのワンテンポの間に相手にしっかり構えられてしまっているように感じた。
（サイドの左右の違いはあるが、19年まで在籍した武田有祐と同じような感じ）
鯰田（と岩本）。
もしかしたら、完全に序列が入れ替わったかも知れない。
より縦パスを刺す意識が高い鯰田の方が、
今の讃岐にマッチしていると感じる。
ゼムノビッチ監督。
阿部のスタメン抜擢は前述のように後半勝負を見越してのものだと思ってるんだけど、
それにしたって…否、であればこそ、
阿部と他の選手に
「前半はとにかくこういうパスを阿部に入れて行け。
阿部は何とかそれをものにして味方に繋ぐんだ」
という策を授けて欲しかったな、と思う。
ハイボール蹴って林堂と競らせるのでもいいし（林堂を疲弊させる）、
足元に楔を狙いまくるのでもいいし（末木に神経を使わせる）、
サイド奥に蹴ってそこへ流れさせるのでもいい（今瀬＆音泉or戸根＆安藤を走らせる）。
ひとつのプレーに集中させることで阿部にそのプレーでの成長を促しつつ、
重松投入の後半勝負に少しでもアドバンテージを作るような、
そんな前半45分にして欲しかった。
今日の阿部は、（もちろん彼なりに考えながらだけれども）ただ45分プレーしただけで
経験値の積み上がり方としては効率が悪いと思う。
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