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YS横浜 1-2 讃岐
J3/第17節
(23/07/08:ニッパツ)
DAZN
YS横浜スタメン
______福田__カローヨ____
____道本______佐藤____
古賀______冨士田______柳
____花房__藤原__二階堂___
________児玉________
讃岐スタメン
______赤星__岩岸______
森_______________下川
_____長谷川__江口______
臼井____宗近__小松____川﨑
________今村________
互いの特徴がよく出た試合となったが、
その噛み合わせは讃岐に相性が良いものであった。
風との付き合い方でも上回った讃岐が、
アウェイの地で連敗脱出に成功。
YS横浜。
3バックが目一杯に広がるところから始まる自在のビルドアップが特徴的で、
アンカーとの3+1、GKを交えた4+1、
アンカーが降りた4+0といったパターンを有していた。
これによりハーフウェーを超えると、
そこからはレーンを意識したサイドのコンビネーションがスムーズ。
特に左サイドの古賀、道本、佐藤のローテーションは見事で、
左外と左HSで3人が自在に立ち位置を変えながらボールを動かして
ポケットにまで持ち込むことが出来ていた。
(先制点もその形からだった))
また、この日はポストプレイヤータイプのカローヨが初先発とのことで、
真ん中に軸を置くことで新たなボールの経路を創出しようという試みにも
トライしているようだった。
(後半になり萱沼が投入され
フリーマンとしてピッチ内の各所でハブ役になっていたのを見れば、
その差異は一目瞭然だ)
しかし、後半は選手交代が裏目に出たように感じられた。
赤星に制空権を握られたことが原因なのか、
3バックの中央に入っていた藤原が大嶋へと交代すると、
(左から大嶋、二階堂、花房の3バックに変更していたように見えたので、
間違ってもビルドアップ部分で藤原>大嶋という話ではない)
前半に見せていた多彩なパターンのビルドアップの機能性が大幅に低下。
良い形での前進が出来なくなってしまう。
更に、後半は強い風が吹いていたピッチの風下だったことと
カローヨをベンチに下げてしまっていたことで
ロングボールでアクセントをつける選択肢も失ってしまっており、
YS横浜サポには申し訳ないが、
讃岐サポとしては安心して見ていられる展開となっていた。
(また、仮にカローヨが残っていたとしても
前半の様子から見てハイボールを収められたかは非常に怪しいのだが)
守備面では、基本的には前から奪いたい意識があり、
付随して、DFラインもかなり高めの設定となっていた。
自分たちが特徴的なビルドアップを用いてなるべく全体で押し込みたいという狙いを持っていて、
必然、DFラインも高い位置に進出していくことになるので、
ならば高いDFラインをチームのベースとしようというのは合理的だと思うが、
YS横浜のこの設計は、
この日のショートカウンター仕様の讃岐とは相性が最悪であった。
中盤で引っ掛けたあとに2トップですぐさまウラを狙う讃岐に対し、
その狙い通りに2点を献上する形となってしまったのは、
チームのスタイルとして内包しているリスクとはいえ
やるせなかったと思われる。
(おそらくこれまでもあって)今後も起こり得る失点の形だけど、
特徴的なビルドアップを採用していることを考えれば、
許容せざるを得ないと思う。
あとは、高さ問題が少し気になるところだけど、
ビルドアップの仕方と保持したい意識が強めなところは、
おそらくそれを覆い隠したい意図もあるのだろうな。
これも、ある程度の劣勢は許容してやっていくしかない部分だと思われる。
讃岐。
この数試合軸としていたCF森本とトップ下後藤のセットから切り替えての2トップスタート、
それも後藤はベンチからも外す選択をしたというのは、
おそらくYS横浜の高いDFラインが計算に入っていたからだと思うし、
開幕当初から掲げていた「まずはウラ」で2ゴールを奪っての勝利なのだから
米山監督からすれば「会心」の一言ではなかろうか。
また、YS横浜の流麗な左サイドのローテーションに対し
試合開始直後、目が慣れる前にやられてしまったものの、その後は粘り強く対応。
全体としても4-4-2セットの守備は強度があり、
ボックス幅で人と人の間をバンバン抜かれてしまっていた前節の前半がウソのようだった。
このレベルを基準に出来ればどこを相手にしてもそう簡単にはやられないハズだし、
開幕当初はここ最近よりもこの基準に近いレベルでやれていたことを思えば、
やはり守備における「やれる」「やれない」は自分たちに因ると言えるでしょう。
(少なくともJ3では自分たちの「やれる」を軽々上回ってくるチームは無いと思う)
前節に続き奥田が欠場となり、
最後尾から地上で繋いでいく部分はやはり上手く行ったとは言い難いものの、
この日は前半が向かい風であるにも関わらず
長いボールを増やすことがチームで共有出来ていたし、
(これも相手DFラインの高さを見て出ていた指示かもしれないね)
風でボールの伸びが読みにくい中で赤星が素晴らしい働きで空中戦を勝ちまくってくれた。
この試合の空中戦に関しては、ゴール以上に彼を称えるべきだと思う。
風上に立った後半は逆にロングボールの制御が難しくなったことや
選手交代により、
前半のような好機創出は回数を減らしたものの、
守備面で最後まで強度を保てていたので、
安心して観ることが出来た。
今季初のアウェイ勝利で3連敗から脱出。
ぼちぼち本当に「これをきっかけに」いい流れを掴みましょう。
まずは勝敗を五分に戻すところから。
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