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讃岐 1−1 岩手
J3/第1節
(24/02/25:Pikara)
DAZN



讃岐スタメン

________大野________
____冨永______森_____
福井____川西__前川____内田
____深港__宗近__奥田____
________今村________



岩手スタメン

________深掘________
____小松______ケネス___
西_____弓削__新里____宮市
____斉藤__深川__大和____
________大久保_______



立ち上がりのドタバタからどうにか持ち直し、
後半の修正後はまずまず良い戦いが出来た讃岐。
岩手は攻守両面で見せていた縦への強さが時間を追うごとに
出せなくなっていった。



讃岐。
まず、3−4−2−1でスタートしたことに驚いた。
「昨季のいい守備をベースに」という話をずっとしていたので、
当然4バックが基本になると思っていたからだ。
相手のフォーメーションを読み切っていてそれに合わせたのか、
可変しての攻撃(後述)を試してみたかったのか…。

それから、2DHの人選にも驚かされた。
前川がDHにも対応してるとは思っていなかったし、
そうした選手と川西の組み合わせで中盤守備の強度が維持出来るのか、と。
(案の定、特に前半は問題があったと思う)

驚きに包まれたまま始まった前半、とりわけ立ち上がりは酷い内容だった。
バイタルでまったくフィルターにならない2DHに、
守備時5バックだというのに簡単にクロスを入れられる守備(両WB)。
福井は逆サイドにボールがある時のポジショニングも怪しくて、
左WBで出場させるなら攻撃面で余程のリターンが無いと厳しいと言える。

幾らか試合が落ち着いてからは上記指摘部分を含めて多少マシにはなったものの、
8分に先制点を献上しているのだから
その後に多少マシになったのでは「遅い」わけで、
この練度では、3−4−2−1はスクランブルで攻撃を仕掛ける時の選択肢のひとつにしかならないでしょう。

逆に、スクランブルで攻撃を仕掛ける時の選択肢のひとつとなり得ると思えるのは、
ボール保持時に可変して前の人数を増やせるという部分。
具体的には…
1)
左WBの福井が中に入り、シャドー化ないしFW化
(これに連動して、福井がシャドーなら冨永がFW化、福井がFWなら冨永はシャドーのまま)
2)
左HV(3バックの左)の深港が左WB化
3)
中央CBの宗近が左に開いて最終ラインは奥田との2バック状態に
…と、立ち位置が変わる。

なお、奥田と宗近の2人で前に運べなければ
(実際に運べない場面が圧倒的に多かったけど)
川西ないし前川(主に川西)が奥田と宗近の間に降りてきてタクトを振るうことになる。

3−4−2−1ではCF+2シャドー+両WBで前にかける人数が5枚のところを、
この可変で2FW+2シャドー0+両WBの6枚を前にかけられることになるし、
可変を伴っているので相手の目先を惑わせることも出来る。
攻撃のオプションとしては十分に「アリ」だと思う。


ところで。

四国新聞のインタビューで
「今年は縦パスも積極的に狙っていく」という主旨のコメントを
米山監督が残していたのはご存知だろうか。

前半の讃岐は、
このコメントをチーム全体で強く意識していたのがハッキリをわかる程に
HS〜中央レーンでの素直な縦パスが多かった。
そして、これが岩手というチームの特徴に対して非常に相性が悪かった。
攻守両面で縦への強さを発揮する彼らを相手に、
自分の真正面の味方へまっすぐ縦パスを入れていては、
後方から寄せてくる相手に強く当たられ、その勢いで前に持ち出されるのは自明。
加えて、可変でバランスを攻撃に傾けている上に守備強度に問題のある2DHな讃岐なのだから、
岩手が讃岐の縦パス奪取からショートカウンターを仕掛けるための、
言わば「お膳立て」が出来ていたわけで…。

前半の酷い内容の原因は、
3−4−2−1の練度と共に素直過ぎる縦パスへの偏重だったと言える。

WBを置いて幅取ってるのだからもっとサイドへの展開の比率を考えるべきだったし、
縦パスも真正面に素直なボールを蹴るんじゃなくて受け手との角度をつけるべきだったでしょう。


0−2、0−3で迎えていてもおかしくなかった後半は、
アタマから吉田源を投入して4−2−3−1へ変更。
可変をやめて後方を安定させただけでなく、
ロングボール攻勢で相手のショートカウンターを回避するサッカーへと修正されていて、
これが奏効。
最終盤こそオープンになって左から上笹貫らに何度もクロスを許して危なかったけど、
戦い方としては正解と言えるもので、あとは質の部分という感じだった。

あれだけペース握れてたのだから逆転にまで至りたかったのが本音だけど、
攻撃の質を見れば1得点は妥当かなと思えるし、
前半にもっとビハインドを負っていた可能性を思えば
1−1での引き分けは喜ぶべきかなとも感じる。

…昇格を口にするのであれば寂しい感情だけれどね。



2DHの人選について。
大野を獲得できたことで川西をゲームメイクに回す考えは理解出来る。
問題は、彼を誰と組ませるかということになるわけだけど…。
前川では、志向がボール保持に寄り過ぎではないかと思う。
時間を追うごとにマシにはなっていったけど、
前川はゲームメイクの部分で川西の補助は出来るけれど
守備面で圧倒的に不安が残る。
江口は前に奪いに出る強さに特徴があるので、
その結果川西だけを後ろに残すのもやはり不安が残るので、
竹村、長谷川、岩本、吉田陣からの選択ということになると思うんだけど、
(吉田陣はプレーを観てないので何とも言えないのでここでは外すとして)
前にも後ろにも細かく動き直せて、
守るべきところのツボも理解していて、
ゲームメイクにも関われるというところで
川西と組ませるのであれば岩本がベストなのではないかな…。
もちろん、川西をDHに置かないという選択もあるので、
その際にはまた話が変わってくるわけだけど、
今日の試合を観て思うのは、
前川のDH起用は相方が誰であれもうやめて欲しいということですね。

CBの並びについて。
3バックであれ、4バックであれ、
宗近と奥田の2人は常に奥田を宗近の左側に置くべき。
これはもう絶対。
奥田はそれなりに左足でも蹴れるけど、宗近はそうではない。
左サイドにパスを出す時に左足で蹴れるかどうかは大きな違いがある。
今日の試合でも、
可変をやめて4バックでビルドアップして行こうという中、
簡単に深港に預ければ前進の取っ掛かりが出来る場面で
左足で蹴れない宗近はやり直しのバックパスや
右足で出して深港に寄せた相手の足が届く範囲にボールが行くといったことが
何度かあった。
小さいようでいて大きなマイナスになる。
今日のスタメンで表すなら深港、奥田、宗近。
後半で表すなら深港、奥田、宗近、内田。
宗近と奥田は常に奥田を宗近の左側に置くべき。

奥田。
スライディングによるシュートブロックで3点くらい防いでた。
実はこの試合のMOMではないかと思う。






岩手。
攻撃時3−4−2−1、守備時5−2−3(5+五角形)のフォーメーション。
チームとして攻守両面で縦に強い/速いのが特徴で、
讃岐のところでも書いたけど、
前半は中盤での縦パスカットからショートカウンターで好機を幾度も作れていたし、
後半はロングボール攻勢を受けて強みを発揮しづらい内容を強いられていた。

ポジションを動かしてどうこうという雰囲気は殆ど無くて、
3バック+2DHでボールを保持しながら機を見て前にパスを刺して、
それをスイッチに両WB+2シャドー+CFの5人が相手ゴールへと雪崩込んでいくイメージ。
なお、押し込んでいる際にも中央CBの深掘だけは深い位置に留まり、
ボール保持で困った際の逃し口になっていた。

讃岐が修正を見せた後半は、
選手交代で盛り返しを図ろうとはしていたけど
戦い方に変更を施せていたわけではなかったので
前にフレッシュな選手を入れてもプレスも何もなくロングボール入れられて
それ以前と変わらない展開という感じだった。

ハイプレスを整備するとか、
(前半にある程度前から追って奪えていたのは
 岩手のやり方が上手かったというよりは
 讃岐の後方の選手がビビッていたたことが大きいと思う)
3−4−2−1でなく3−4−3にしてWGに蹴ることで陣地回復を図るとか
(上笹貫が前残りしていてWBというよりWGになっていた感じはあったけどね)
相手に押し込ませない方法、
押し込まれた時に挽回する方法は
間違いなく必要になってくるのでは。

ただ、DAZN実況によると中三川監督が
「(開幕を迎えるにあたり)手応えのある部分とそうでない部分がある」と
コメントしていたそうなので、
その辺は織り込み済みなのだろうな、と。
(ついでに言えば、手応えのある部分は攻守両面での前への強さなのだろうし
 そうでない部分はその他全般なのでしょう)




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