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宮崎 3−3 讃岐
J3/第18節
(24/06/22:いちご)
DAZN



宮崎スタメン

________橋本________
井上______吉澤______阿野
______力安__遠藤______
辻岡____大武__黒木____青山
________青木________



讃岐スタメン

________川西________
____岩岸______下川____
吉田源___前川__長谷川___内田
____深港__奈良坂_宗近____
________今村________



前半は宮崎、後半は讃岐が試合を支配し、
その結末は後半ATに2度スコアが動いての劇的なドロー決着に。
下位同士の直接対決だけに痛み分けと評するべきだろう。



宮崎。
考え方としては4−2−3−1でスタートして、
ボール保持時には3−2−4−1のような形へと可変。
「2」を担うのは右DHの遠藤と右SBの青山で、
遠藤は中盤の底での掃除屋的な仕事を、
青山は1列前の阿野の動きを受けての後方サポートを担当。
「4」は左から井上、力安、吉澤、阿野。
左利きでキープも突破も出来る井上が左で幅を取り、
IH化した力安がタイミングよく左ポケット/最前線に飛び出してボールを引き出す。
最初は右外に位置している阿野も左利きのドリブラーで、
積極的なカットインで相手守備網にズレを生じさせる。
吉澤は阿野の移動を受けて入れ替わるように右奥に飛び出したり、
あるいは素直に橋本、阿野との絡みを見せたりと捕まえづらいことこの上ない動き。
「1」の橋本は基本的にはポストプレイヤーなのだけど、
「2−4」でのボールと人の動きを見ながらわずかに降りるタイミングが抜群で、
彼を基準に定める讃岐のDFラインを上手く操作し、
味方が入れ替わりでオフサイドにならずウラへと飛び出していくことに一役買っていた。

こうした役割分担をベースとした前線の流動性が素晴らしく、
特に前半は美しい攻撃を披露し続けた。
ショートカウンターから生み出した2点目は、
複数人が関わったものの中では今季のJ3ベスト候補ではなかろうか。
(1点目の力安はミドル部門でベスト候補)

スコア状況もあり、ある程度受けて入った後半においても、
回数は多くないながらカウンターを発動させる際には
4−2−3−1の前4枚の流動性を活かしてボールを運べていたし、
60分くらいから少しの時間帯では
「押されっ放しではマズイ」とばかりに
チーム全体で前からボールを奪いに行く姿勢を見せて
試合の流れをコントロールしようと試みていたのも良い判断だったと思う。

讃岐がこれまでの讃岐であれば、
あるいは宮崎が現時点で昇格圏内を伺う位置に着けているチームであれば、
2−0ないし3−0で勝っていた試合だったでしょう。

この試合をクリーンシートで、
もしくは讃岐に一度も追いつかせずに終われていないからこそ
現在の順位であるということだとなんだろうけど、
(偉そうな物言いで申し訳ないけど)
この順位にいるチームではないサッカーをしていると思う。






讃岐。
宮崎が非常に素晴らしかったことを差し引いても、
前半は守備面で酷い内容の45分間となってしまった。
その主要因はスカウティングのミスではないかと思う。
流動性があり後方から次々と人が湧き出してくる宮崎の攻撃に対し、
CF橋本以外の選手をまったく捕まえることが出来ず、翻弄され続けてしまった。
1トップに対する3バックの非効率も含めて、
事前の準備次第ではもっと守れたハズ。
(スコア状況もあって押し込み続けたことで目立たなかったけど、
 後半も3バックを継続して守り方の基本は変わっていなかったのには悪い意味で驚いた)
ここ何試合もいい内容のサッカーが出来ているフォーメーションを崩したくないのはわかるが、
自分たちのやり方を貫く部分と相手にアジャストする部分とのバランスが、
今季の中でもワーストレベルだった前半と評せるでしょう。
「人を捕まえる」ことでいい内容のサッカーが出来ていたのだから、
「流動的な宮崎の攻撃においてどう人を捕まえるか」は落とし込まれていなければならなかった。

一方で、自分たちのやり方を貫いたことで
(2失点目の際の連続しての最後尾からの繋ぎのミスを除き)
攻撃面では前半から悪くはなかったように思う。
ただ、機を見て列を降りる川西と入れ替わりで最前線となる岩岸、下川で
ボールを引き出す/収めるという部分や迫力を出すという部分が不足していたために
シュートに至れるシーンが少なかっただけで、
後半は選手交代によるこの点の改善が為されたこととスコア状況とで
ここ何試合かのように押し込み続け、シュートを打つ/CKを得ることが出来るようになった。

赤星は相変わらずハイボールで勝ち続け、
川西、吉田陣、前川、江口らは吉田源にボールを集め、
吉田源は縦に中に対面の選手を交わしフィニッシュに絡んだ。
左の仕掛けからファーへのクロス、ボールが流れてくる場面では
前半から激しく上下動を繰り返す内田が必ず右サイド高い位置でボールを拾い
二次攻撃へと繋げた。

劇的に何かが変わったわけではないが、
壁を超えるという現象はやり続けた際に不意に訪れる。

ようやく相手守備陣をこじ開けてスコア出来たこと、
2点を追いつけたこと、
後半ATに突き放された直後に再度追いついたこと…。

2−3には出来なかったけど3−3で終われたのはやはり前進と捉えるべきだし、
3−2で終わらなかったことは
結果に繋がらない試合が続きながらも手応えのある自分たちのサッカーを貫いてきた中で鍛えられた、
精神的な強さが表れてのことかも知れない。

この引き分けを、今度こそ反転攻勢のきっかけとしなければ。
昇格POに絡むための、ラストチャンスだと思う。




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