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岐阜 1-0 讃岐
J3/第10節
(25/04/20:長良川)
DAZN



岐阜スタメン

粟飯原____ドゥドゥ_____中村
________荒木________
______北___萩野______
外山____野澤__甲斐_____文
_______セランテス______



讃岐スタメン

________川西________
____牧山______森_____
森川____岩本__長谷川___内田
____左合__附木__井林____
________飯田________



内容としては五分と言っていい90分間。
結果を分けたのは岐阜のGKがセランテスであったこと。



岐阜。
基本として4-2-1-3の並びがありつつ、
攻撃時には北が左IH化、荒木が右IH化する4-3-3のイメージを持ち、
押し込める雰囲気の時には文が偽SBとなり
こぼれ球の回収や被カウンターの防波堤として機能。

2+1(萩野)でスタートして最後尾から繋いでいく形と
ドゥドゥ、粟飯原に長いボールを入れる形との併用で前進を試みていて、
どちらがメインというこだわりは無いようだった。

興味深かったのは粟飯原。
ボックスストライカーの印象を持っていた選手だったんだけど、
左サイド(後半途中からは右に移動)でしっかり収めて起点となり、
クロスの精度もまずまず。
新しい一面を見せていたように思う。
(神戸にいた頃の渡邉千真に近い感じかな。クロスは粟飯原の方が上手い)

粟飯原と、左利きでSBらしいSBの外山との二段構えでクロスを入れることが出来る左サイドと、
単騎で仕掛けられフィニッシャーにもなれる中村の右サイドという非対称な構成は魅力があるし、
CFで相手を引っ張っておいて
クロスに対して遅れて入っていく、こぼれ球に突っ込んでいく北、荒木の2人は効いていた。
(先制にして決勝のゴールとなった北のミドルもまさにこの形)


守備では、讃岐のCBを追い回すドゥドゥの姿が印象的だったけど、
これは大島監督としてはここまでは求めてなかったのではとも感じられた。
(ドゥドゥのチェイスによりサイドにボールを逃がす讃岐のパス回しに対して
 粟飯原、中村の反応がそれほどでもなかったので)

そして、何と言ってもこの試合はGKセランテス。
彼が、そして彼をJ2に連れて行かなかった今治が、憎い(苦笑)
試合途中に熱中症の症状を訴えていたそうだけど、
翌日以降に影響してないといいね…。






讃岐。
不甲斐なさを感じさせた前節からのバウンスバックは見せたものの、
結果に結びつけることが出来なかったのは残念だった。

岐阜の3トップへの対策なのか、
勝ち点3を得られない中で変化が必要との判断だったのか、
その変化として井林が選ばれ、彼を組み込むための方策だったのか、
これらの要素の合せ技だったのか。
この試合での最大のトピックは、
最終的な自陣での5-4-1守備の前に
段階的に4-4-2を導入していたことでしょう。

スタメン出場を続けていた左HVの藤井に代えて、右HVに井林。
右HVだった左合を左HVに回して左合・附木・井林の3バックでスタートしておいて、
相手陣内にボールがある時は牧山を前に、内田を後ろにズラしての4-4-2へ変化。
自陣右サイド深く(相手の左サイド奥)に予め内田を配することで
スピードが不足している井林が同所に迎撃に出なければいけない状況を予め潰し、
相手CFのケアや前方へ競り合いに出ることに専念出来る環境を整えていた。

この4バック化により井林を抱える中でも高いDFラインを保とうという試みが表現出来ていたのも、
昨季から続く讃岐のサッカーのスタイルにおいては必要なことで、
今後も井林をスタメン起用するのであれば選択されるであろうやり方だと思う。
(井林を3バックの真ん中に置いて、右HVに右SB化出来る選手…宮市など…を置くのもアリでしょう)

井林右HVは攻撃面においてより好影響があったことにも触れておく。
右利きで配球に長けている彼が右HVに収まり、
左利きでサイドプレイヤーとしてプロに入ってきた左合が左HVに回ったことで
最後尾からのボール保持での4バック化(と言うか2+n化)がスムーズになり、
且つ、その質が高まったのは明らか。
井林・附木・長谷川・岩本は岐阜の前4枚による牽制に対しても余裕を持ってボールを回せていたし、
井林のところで落ち着きがあるので内田も予めより高い位置へ進出することが出来、
しかもそこへ長谷川を経由することなく直接ボールが出てくる。


いいことづくめに見える井林起用がここまで叶わなかったのは、
彼自身のコンディションの問題だったり、
左合の右HVがどハマりしてなかなか監督が踏み切れなかったり、
バランスを見ながらの可変が伴うのでその感覚に秀でた選手が必要だったり…と、
そもそも監督があんまりこうした戦い方を好んでいないのかも知れないし、
様々な要素が考えられるけど、
今回、こうしてひとつの選択肢としてピッチ上に表れて
一定以上機能したのは非常に喜ばしい。


(終盤の、上野を右SHに置いた4-2-3-1も面白いと思う。
 この時の右SBが内田ならなお機能したのではないかな…)


どうしても井林に目が行きがちになるとは思うんだけど、
左シャドーとしてスタメンに名を連ね、
前に出て4-4-2の「2」になって萩野をケアしながら甲斐を牽制したり、
自陣セット守備では適切なタイミングで戻りきちんと左サイド(岐阜の右サイド)のスペースを埋めたり、
前半はカウンターの一翼を担ったりもした牧山のIQの高さも、
注目されて然るべきだと思う。



結果としては敗戦で、早くも4敗目となってしまったことは
昇格を見据えた時に状況が悪化したと評するしか無いのだけど、
試合単体で見るとポジティブな要素が多い試合だったと思う。




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