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群馬 3-3 讃岐
J3/第16節
(25/06/15:正田)
DAZN



群馬スタメン

山中______高澤______下川
____藤村______西村____
________米原________
高橋____大畑__小柳____玉城
________ジェヒ_______



讃岐スタメン

________大野________
____後藤______牧山____
藤井____岩本__長谷川___河上
____附木__井林__左合____
________飯田________



主導権もスコア状況も行ったり来たりの展開で、
互いに「勝てていた試合だった」という印象を残してのドロー決着。



群馬。
一応、キックオフ時の配置は上図の通りなんだけど、
最後尾からの組み立てからアタッキングサードの入るところから、
はたまた相手の保持時から、
アタッキングサードに入るところでも入り方によって、
とにかく並びが目まぐるしく変わるチームだった。

根底には徹底した保持とショートパス主体で全体で押し込んでからのサイド攻撃という志向があり、
その実現のためのポジション移動と
移動した先からどのようにしてスムーズ且つなるべく堅い守備に移行するかという考えのもと、
その実現のためのポジション移動というものが行われていた。

具体的に。
ビルドアップは可能な限り2+1(アンカー米原)(+GK)で始めて、
相手の守り方を見てここに偽SBとして玉城が右ボランチとして加わっての2+2(+GK)、
(この試合ではこのパターンがいちばん長い時間行われていた)
(玉城が厄介なのは右サイドから中に加勢する左利きであることだった)
更にはここに藤村が降りてきての2+3(+GK)のパターンと、
その亜種として米原が入れ替わりで右ボランチ化した玉城の前にふらふら出ていっての
2+2(+GK)と
藤村が降りるのと同時に米原も降りての3+2(+GK)というパターンも持っていた。
(また、藤村が降りてくると左SBの高橋が藤村のやっていた左IHに移動するおまけも付いている)
このように、幾つものパターンを抱えてとにかく中央レーンから相手陣地に入りたいという強い意志があり、
ポジションを動いても剥がし切れない時には
予め高澤の右隣に構えて2トップの右FWのようになっていた西村が列を降り、
彼にスキップパスを打ち込むパターンも持っていた。

狙い通りに相手陣地へと運んだあとは、
山中、下川の両WGでしっかりと幅を取りながら、
純足WG(山中と、下川に代わって投入された加々美)には縦の突破を狙わせつつ、(
どちらのWGに対しても付近の選手が複数絡んでのコンビネーションによるポケット侵入も
常に選択肢として持っていて、
なかなかの破壊力があった。


また、保持時のポジション移動からロストして守備に回る際には、
基本的には右WG下川が(時に左WG山中が)最終ラインに戻っての5-3-2(2は高澤と西村)、
ないし5-4-1で、
純足の山中は縦突破の期待もあるのでDFラインにまで戻るのは逆足の下川であることに
守備に戻りはしつつもそのさなかで奪えた時に速い攻撃を繰り出したい意図を感じさせた。


前半半ばから讃岐がこれらのやり方に慣れて来たこともあり、
後半に選手交代を行うまでは主導権を明け渡す時間帯もだいぶ長かったが、
それでもやはり相手を振り回すパスワークがボディブローのように効いていたのだろう。
一気の3枚代えにより1-2、しかも相手にペースを握られていた状態から
一時は3-2にまで持っていったのは素晴らしかったと思う。


福島との試合が行われる時に、時間に余裕があれば観てみたい。
(どちらも尖ったサッカーをしていて面白い)






讃岐。
相手のビルドアップに対して普段の5-2-3ベースではなく5-3-2(2は大野と後藤)で構えたところからして、
きちんと群馬を意識して守備を仕込んで来たという印象。

立ち上がりこそ目まぐるしい群馬の保持時ポジションチェンジに、
(おそらく事前のミーティングによりアタマでは理解してはいたものの)
振り回されこそしたが、
徐々に狙い通りに相手を捕まえ始め、
結果として疲弊させられた面はあるものの、
前半の終わり頃から後半の半ばまではハッキリと守備から試合を支配出来ていた。

5-3-2の「3」の右に入り、
相手最後尾の様子と藤村の様子を見ながらポジションを調整したり
山中へ通された後に迎撃する左合へ加勢するなど
知性と運動量を遺憾無く発揮した牧山。
時に左IH化する高橋をしっかり捕まえていた河上。
降りて受けようとする西村にデートして地空両方で潰し続けた附木。

この3人は特に貢献度が高かったように思う。


後半開始から半ばまでで得た3つ前後の決定機をどれか1つでもモノにして
1-3に出来ていれば…というのが、
この試合で最大に悔やまれるところであろうし、
その決定機を得るに至ったショートカウンターを実らせられないことには
残りのシーズンで大きく浮上していく道も険しいと言わざるを得ない。

この試合を終えてPO圏までの勝点差は10。
まだ間に合うので、どうにかして間に合わせよう。




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