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讃岐 4-1 栃木SC
J3/第20節
(25/07/12:Pikara)
DAZN



讃岐スタメン

________川西________
____後藤______木許____
藤井____岩本__長谷川___河上
____附木__井林__林田____
________飯田________



栃木SCスタメン

________太田________
___五十嵐______中野____
川名____佐藤__藤原____高橋
____岩崎__高嶋__大森____
________川田________



シーズンの折り返しに新たな目標を設定した両チームの一戦。
互角と言って良い前半を経ての後半早々に讃岐が流れをモノにして
勝ち試合の空気を作ることに成功。
金新監督の就任第1戦を勝利で飾ってみせた。



讃岐。
米山監督を解任、金新監督で臨む初戦。
フォーメーションは前任者の流れを踏襲しつつも
7月に新加入となった選手が2人、スタメンに名を連ねた。

金監督が就任間も無いこともあり、
志向していたサッカー自体は今季ここまでのものと変わらなかったように思うが、
ひとつ違ったのは、
[フリーマン]川西 が組み立てのために3列目まで降りてくることを
より積極的に行っていたこと。

これまでも見られた川西が降りてくるという光景は、
ビルドアップに詰まりが感じられる時の打開策として行われていたが、
この試合では最初から栃木SCの守り方を掻き乱そうといった感じで、
川西が自身の感性のままに行っていたように見受けられた。

また、川西が降りてくることとどこまで連動していたかはわからないが、
川西による「+1」が中盤中央で却って渋滞に繋がることのないよう、
ボランチの片方(主に岩本)が井林の左に降りることで最後尾を4バック化し、
この可変の流れから附木、連動して藤井を前に押し出す形がスムーズに出来ていたのも印象的。

川西が降りた分、後藤と木許が最前線となり、
2人と同じ高さで左サイドに藤井がポジショニングする変則3トップのような形や、
可変した上でのチーム全体でのボール保持は、
ポゼッション率で言えば特に圧倒的ではなかったものの、
栃木SCの足が讃岐のそれよりも先に止まったことに寄与していたのではないかと思う。
(栃木SCの感覚からすれば「振り回された」ほどではないにせよ
 想定外の連続で常に後手を踏むことで疲弊に繋がったのではと推察)


守備面では、3+2でスタートする栃木SCに対して
前3枚で「3」を牽制しながら「2」を消すことに主眼を置き、
外回りの攻撃に誘導出来ていた。

特に川名と五十嵐による左サイド攻撃は
栃木SCも望んでいる形ではあるものの、
最初からそこで迎え撃つ覚悟がある状態なのと、
諸々ケアしながら相手がそこに来たために迎え撃たねばならないのとでは
全然違うわけで。

先制点を栃木SCの左サイド攻撃から献上してしまったわけだけど、
90分トータルで見た場合に、
上手いこと彼らの攻撃をこちらの守備でコントロール出来ていたのではと感じる。

このコントロール(と、スコア状況で栃木SCの気持ちが前掛かっていたことと)が、
幾度も見せたカウンターからの決定機に繋がったとも言えるでしょう。

もう2点くらいスコア出来ていてもおかしくなかった。



自分たちの流れの時に得点することの大事さがよくわかる試合で、
後半早々の長谷川の2得点が無ければ
前半のような試合展開がまだしばらく続き、
交代選手等の采配でゲームが違う転がり方をしていたであろうことは
容易に想像がつく。

米山前監督がマイナーチェンジを繰り返しながら掴もうとしていたものが、
こうした形で結実したことには、色々と思うことがある。

金監督には、この試合の内容、結果、雰囲気を上手く使って、
シーズン残り半分の「反撃」を是非為してもらいたい。






栃木SC。
守備に関する印象は1ヶ月半前のと同じで、
よく組織された水も漏らさぬ守備といった形容からは遠く、
この試合でもまずは5-2-3で讃岐の雰囲気を伺いながら
自陣に入るところから守ろうという雰囲気だったが、
自由に降りてくる川西と4バック化する讃岐の最終ラインによる保持の前に
意思統一も上手く行っていなかった様子があり、
「これは早々に引いた方がいい」という2DHと、
「牽制しながら次第に5-4-1化するんでしょ?」という2シャドーの間で
特にそれが顕著だったように思う。
その結果、
五十嵐と佐藤、高橋と藤原のユニットのところで綻びが生じ、
讃岐が左を押し出そうとしていたこともあって
高橋と藤原のところで附木に上手くパスを通されてしまっていた。

それでも、何度も決定機を作られるような崩れ方はしておらず、
後半早々の2失点目、3失点目の連続失点とそれに伴って前掛かりになることが無ければ、
まったく違った試合展開、内容になっていたハズで、
その意味では、この日は勝負のアヤを讃岐に持っていかれただけ、と、
割り切ってもいいのではと思わないでもない。

攻撃についても前回大戦時と同じ印象で、
この試合では出場選手と配置の違いにより左サイドで川名、五十嵐による崩しからの
太田、中野でのフィニッシュという絵を描いていたのは明らかで、
先制点はそれが綺麗にハマッた。
これは非常にポジティブな要素だと思う。

前回の右、今回の左のように、
強みとして出してる部分と特別そうではない部分とを
上手く使い分けながら攻めることが求められるわけだけど、
その点についてはベンチの采配も含めて課題を感じた。

まず、「3+2」スタートを基本にじわじわ前進して行きたい中で、
その質がさほど高くないという点が1つ。
ボールの動かし方、受け方は
WBとシャドーも含めて更にブラッシュアップが必要だろうと思う。

また、これはコンディションの考慮などで仕方なかったのかも知れないが、
2点を追う展開になって、
「3+2」を機能させるのにいちばん寄与していた佐藤をベンチに下げたのは、
讃岐としては大いに助かった。

2DHの一角を担う藤原は、
足元の技術とパスセンスには素晴らしいものがあるけど、
この試合では「3」からボールを引き出す動きが乏しく、
前進への貢献度は低かった。
そこを良い顔出しで補っていたのが佐藤だったので、
彼が退いてくれたことで
栃木SCの前進が力任せになるであろうことは想像出来たし、
実際にそうなって、
途中で引っ掛かっての被カウンターが増えていたのは
試合を観ての通り。
(そうした試合展開の中での、GK川田の奮闘は称えられるべき)



最終盤には矢野を投入しての放り込みというのは
戦い方として持っているのだから、
もう少しCFにロングボールを当てることを意識しても良かったのではと思う。


また、ケネスはシャドーではなく最前線で使うのが良いのではないかな…。
CFやWBと連携して何かを起こすというよりも、
最前線にて独力相手最終ラインにバグを引き起こす選手じゃないかな、と。




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