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讃岐(J3) 1-0 愛媛(J3)
J2・J3百年構想/第8節
(26/03/29:MEGLIO)
DAZN



讃岐スタメン

________前川________
____石倉______淺田____
上野___禹相皓__岩本____牧山
____田尾___岡__林田____
________今村________



愛媛スタメン

________舩橋________
斉藤______日野______竹本
______宮本__前田______
森山____谷岡__杉山____阿部
_________辻________



ハイプレス&ハイラインに奪ってからの速い攻めという讃岐と、
繋ぎながらサイドで人数をかけた崩しとシンプルなウラ狙いとを使い分けた愛媛。
好機、決定機の数で愛媛が上回るもCKからの流れで一刺しした讃岐が勝利。



讃岐。
メンバー構成と讃岐公式Twitterでの「慣習」から
「フォーメーションは3-3-2-2で
 『2-2』で愛媛の2CBと2DHをがっちり捕まえるんだな」と予想したが、
試合が始まってみれば石倉が左シャドーに入る普段通りの3-4-2-1で、
(「慣習」が崩れた)
・CF前川で愛媛2CBを強めに牽制
・シャドーは背中で愛媛2DHを消しながらSBへのパスを誘導
・WBが愛媛SBに縦スライドで対応
・DHは愛媛2CBからボールが出された先に素早く寄せて「+1」を作るために待機
といった守り方を採用していた。

今季から愛媛を率いる大木武監督のサッカーは
彼が熊本でJ2昇格を勝ち取った2021年シーズン以来なのだけど、
J2でサヴァイヴするための修正と言うか適正化を経て、
「大木サッカーの尖った部分を発揮するのは条件が整った時に留め、
 そうではない時はオーソドックスな攻撃もやっていく」
というものに変化/進化したのかな…という印象を抱いた。

そして、この変化/進化こそが
大嶽監督が3-3-2-2でなく3-4-2-1を採用した上で
前述した守り方を採用した理由なのだろうな、と感じた。
(讃岐2DHがあまりに果敢に前にボールを狩りに行ってしまうと
 ハイラインのウラを狙われた時にカバーに戻り切れない)

そういう意味でこの試合の守り方は正解だったと言って良いと思うし、
「そうは言っても前で奪い切る力は他のチーム相手の時より持っていたい」ということで
石倉をシャドーでスタメン起用した判断は極めて合理的であった。
(その上、彼はゴールをもたらしてくれたのだから万々歳である)

また、先制ゴール後の愛媛のキックオフでの再開時には
既に石倉の立ち位置を下げて5-3-2のミドルブロックで構える選択をしていたのも
語り落としてはいけない点だろう。

67分での先制点から生まれる(であろう)状況に即座に対応、
前に奪う意識は弱めつつもベタ引きによる完全な受け身にはしない選択をし、
選手がこれに見事に応えたことは評価されていい。

(ベタ引きしなかった結果、愛媛のクロスは浅い位置からのインスイングのものに限定され、
 これをGK今村が前に出て処理する場面が何度かあった)
(GKは「自分に向かってくるボール」に対しては前に出てキャッチする選択肢を持てる)


攻撃面に目を移すと、
開幕当初に比べると「奪ってから縦に速く」の質が間違いなく向上してきている。

「縦に速く」の意識は持ちつつも「即、前に出す」のではなく、
状況を見ながらワンテンポ、ツーテンポ置くことで後方の味方のサポートを待ち、
確実に繋ぐ回数が増えてきている。
(この試合では禹相皓、岩本が何度か「即、前」をキャンセルして
 サポートに入った選手にパスをつけ、
 そこから全体で縦へと移行する場面が何度も見られた)
(もちろん、「即、前に出す」ことが叶う状況ならば前に出す)
(サポートを待って繋ぎながらも「縦に速く」が損なわれていないのは
 サポートする選手の判断、走力が向上しているからである)
これにより、自分たちの焦り、ミスでボールを失い不必要にトランジションを行わねばならない回数が減り、
結果、「走る」「戦う」を強調するサッカーを掲げ、実践しながらも
そうしたサッカーでは総じて負担がかかるDHの選手が(ほぼ)フル出場出来ている現状が生まれている。


最後に、自分たちのCKについて。
ここまで、CKから直接仕留めることは出来ていないものの、
一定以上は狙い通りにやれていると思う。

相手に跳ね返された先にかなりの高確率で禹相皓がいて、
拾ってミドルシュートで一連のプレーを終えていられることがその証左。

CK(を含むリスタート)は、
ハッキリした狙いがあってそこへ質の良いボールが供給されれば、
跳ね返される先もある程度は計算出来るもの。

蹴って、中での合わせなり折り返しを交えるなりで
狙い通りに仕留められればそれがいちばんだけど、
跳ね返されてもこちらが確実に拾う、
とりわけ禹相皓がミドルに持ち込める状況が頻発しているのであれば、
CKの質について嘆く必要はないと思う。






愛媛。
讃岐のところでも書いたけど、
大木監督が過去に率いたチームで実践してきた彼らしさは踏襲しつつ
(最後方からの繋ぎやサイドで人数をかけての保持と崩し)
それに囚われずに「今、シンプルにウラが狙えるなら狙おうよ」という姿勢が見え、
日野、前田、宮本といった、そうした「両取り」が出来る選手を抱えもしているという印象。

基本的にはトランジションゲームを志向している讃岐を相手に、
特別そういうわけでもないのにトランジションの部分で普通に五分にやれていることからも
選手個々の能力が高いことは間違いない。

この試合ではWG化する阿部を使っていこうという狙いも感じられたし、
日野と前田で仕切り周囲がそれに応えていくというチームの骨格も見えた。

ひとつ、噛み合って気持ちよく勝利する試合が来れば、
そこから躍動感が出てくるんじゃないかなぁ。


唯一気になったのは、
ビハインドを追いつくために4-4-2への変更を選択した結果、
日野を左サイドに縛り付ける状況が生まれてしまっていたこと。
ハブになれて技術とアイデアもある日野が左サイドに留まってくれているのは
守る側としては非常に助かる。
「追いつくために2トップにしたいから4-4-2」は良いとして、
日野には、スタート位置は左だとしても自由を与えておいた方がいいと思う。
鹿島における鈴木優磨のように。




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