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【カマタマーレ讃岐】「顔」候補を失った悲しみ



本日(20/12/30)、森川裕基がAC長野パルセイロへと完全移籍する旨が
讃岐公式及び長野公式より、リリースされました。

和泉彼方の第一声「マジかーっ!」。


チームには「顔」となる存在が必要だと思っています。
強いチームにも、弱いチームにも、「育てて売る」育成型を掲げているチームにも。

サポーターが誇らしく思い、
他クラブのサポーターからは「あのチームと言えば彼だよね」と
迷いなく名前が出てくるような存在。

現在の讃岐において、それが高木和正であることに異論を唱える人は少ないと思います。

地元出身で、
アンダー世代の代表も経験しながら高卒でJ1の広島に入団。
幾つか移籍を経験しそれぞれのクラブで主力を張りながら、
讃岐がJリーグに昇格(JFLよりJ2へと昇格)するタイミングで凱旋。
以降は10番を背負いその番号に見合ったプレーを見せ続けている…。

「顔」として、申し分ない存在です。


しかし、そんな高木和正も20年シーズンを終えた時点で36歳。

プレー面からはそれを殆ど感じさせませんけど、
現役の最終盤に差し掛かっていることは明らかです。

彼が現役を退く時に、讃岐の「顔」を引き継ぐ選手は誰になるのだろう…。


この不安、疑問に、この2年で(少なくとも自分にとって)明確な答えを出してくれた選手がいます。
それが、森川裕基です。

大卒ルーキーとして讃岐に加入。
高木和正に次ぐ今季で6年目となる在籍の長さに加え、
その間にレンタル移籍で他クラブに居た時期も無し。
様々なポジションで起用されながら少しずつ出場時間を伸ばし、
(2017年:379分、2018年:1142分、2019年:2066分、2020年:2721分)
昨季より主力を伺える立場になると
今季は左WBのレギュラーとして単なる便利屋から脱却、
6年かけてついに一本立ちしてみせたというストーリーは
「顔」を引き継ぐのに十分なもの。
更に、「顔」足り得る存在であることを決定的に印象づけたシーンがあります。

今季の第23節、アウェイでの今治戦。
躍動したこの試合で、自身のゴール直後に讃岐サポが見守るアウェイ席へ向けて見せた咆哮は、
普段は穏やかでシャイな彼からはなかなか想像し難い姿で、
それゆえに「俺たちには森川が居るぞ!」とサポに強烈に焼き付いたものでした。
(DAZN越しにそのさまを観ていた私のツイートがこちら。)



そんな森川裕基が、長野に完全移籍する、と。

少しでも高いレベルでプレーしたいという選手の意思は尊重しますし、
誰の目にもステップアップなわけですから応援しようとも思います。
(今季の讃岐は18チームで行われたJ3において16位。
 一方の長野は同じJ3において最終節開始時点まで2位でのJ2昇格が濃厚だった、3位)
今、森川に言葉をかけられるなら、
「来季は長野でスタメン張り続けて絶対にJ2に昇格しろよ」なんですけど…。

ただ、そういう感情とは別に、大きな喪失感がある、ということなのです。



GK以外のポジションはどこでも及第点でこなせるし、
プレーぶりには波が無く、
怪我にも強い。
20年シーズンを終えた時点で27歳という年齢も
一般的にはアスリートとしていちばん良いとされる時期。

引き抜かれることはアタマに置いておくべきだったんですけど……。

先に語ったストーリーもあってか、
「森川はこれからもずっと讃岐に居てくれる」
「毎年入ってくる新たな選手にこれまでの讃岐を伝える存在になる」と、
勝手に思い込んでしまっていたんですよねぇ……。



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