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【カマタマーレ讃岐】「2022シーズン新加入記者会見」を考える。


2020年1月14日に行われた「2022シーズン新加入記者会見」の会見録が公開されましたので、
(第1部「クラブ経営方針・2030ビジョン」についてがこちら
 第2部「監督と新加入スタッフ、新加入選手による挨拶」についてがこちら。)
読んでみて思ったところを書いてみます。


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「クラブ経営方針・2030ビジョン」について
20年1月、池内社長就任と同時に発表された、
競技面における「3年計画」とそれに並ぶ経営方針の進捗についての報告。
池内社長の説明を待つまでもなく、いずれもが大きな遅れを取っています。

まずは事業面。
平均入場者数と事業規模が目標未達であることは、
大きく悲観することは無いのではないかと考えています。
理由は、コロナ禍。
平時であっても目標が達成出来たかと問われれば
おそらく未達だったろうとは思いますが、
それにしたってコロナ禍というのは未知の現実。
Pikaraスタジアムに足を運ぼうと思ってくれてる人に対しても
心理的金銭的ダメージを大きく強いているわけですから、
その中にあって自分たちだけ上方に設定した目標を達成出来るとは思えません。
経営を考えれば「それでも達成せにゃならんのだ」という話でしょうし、
まったく反省をしなくてもいいということではありませんが、
外部が関わってくる数字の面で大きく悲観することはないだろう、と。
それよりも。
大いに気にすべきは、平均勤続期間だと思います。
各種数字を伸ばしていく中でも、
クラブ理念を深く広く浸透させていくためにも、
新たに掲げた「2030ビジョン」の取り組みを進めるためにも、
継続性というのは非常に大事な要素で、
クラブスタッフがその要素を満たす存在なのは間違いない。
にも関わらず、
この部分の充実がイマイチ見えてこないと言うか、
どうにか仕事ぶりが見える立場のスタッフが短期間で退社してしまう。
そしてこれは、社長が池内さんになる前から続いている事象で、
だから単純な待遇面等の問題ではない何かがあるのだと思うのです。
これがどうにかなれば、
斬新な何かとか額面の大きな企画などが生まれなくても、
各種数字は(急角度とは行かなくとも)右肩上がりになると思うんですよね。
どういうふうに取り組んでいるのか、
会見などでは伝えづらい部分であるのは承知していますが、
「人を育て、持続的に成長するクラブ」へとなるべく、
地道に、粘り強く、取り組んで欲しいです。
今回もパワポで作った「2030ビジョン」という行動指針、目標がありますけど、
△△計画だの□□宣言だのと銘打ったり、それっぽいキーワードを掲げたり、
そういう見栄えの部分ってのは、正直、どうでも良くて。
「プロスポーツクラブとして当然やらなきゃいけない本質的なこと」は
いつの時代の、どの土地でも変わらないと思います。
(一応付記しておくと、「2030ビジョン」はここで指す本質から外れていないと思います)
そして、それを成していくのは人でしかない。
まずは池内社長が向こう何年かもその役職に留まりつつ、
(「三豊市宝山湖公園におけるスポーツを核とする地域活性化に関する協定」がわかりやすいですけど
 環境面における地盤固めという点で池内社長は大きな功績があり、永く社長職を務めて欲しいと思っています)
「2022は一からの立直しに取り組み」、
是非とも人を育てて欲しいと思います。

次に、競技面について。
これは、育成型クラブに舵を切ったにも関わらず目標設定で背伸びをした(2022年シーズンはJ2で上位争いをすることを掲げた)ことが
すべてだったと思います。
目標達成のために迷走した結果、
競技成績は伴わないわ、スタイルを定めるために召集したGMも失うわで
上積み出来たものと言えば20年大卒組が得たプレータイムくらい。
非常に残念な2年間となってしまいました。
この結果を踏まえ、
更に、後述する西村監督の言葉に対する所感も含めて考えた時に、
22年シーズンに「結果として[J3]1桁順位」は現実的で良い目標設定だと思います。



「監督と新加入スタッフ、新加入選手による挨拶」について
まずは西村監督による挨拶。
ここで挙げた、21年シーズンを最下位で終えてしまった3つのポイントは、
まぁ、どれも成績が悪い際によく挙げられるものですよね。
それぞれに対する評価として「やっていないわけではなかったが足りなかった」という評価まで含めて。
そして、新たに出て来た「サッカーフィロソフィー」では、「足りなかったものをやるよ」と。
この辺までは、非常に無難な内容かと思います。
踏み込んだ話は、スタイルへの言及が始まったところから。
20年シーズン開幕前に掲げた「最高のファーストタッチ〜」は
もう触れることはないのかなという雰囲気で
(20年、21年を完全に捨てる覚悟は良し悪しあると思います)
攻守の切り替え強調。
更に長い距離のスプリントを挙げており、
西村監督のサッカー観なのか
前職であるトップチームダイレクターとして分析した末にた辿り着いた考えなのは不明ですが
「J3はハードワーク出来ること、走力が大事」という一般的な認識と合致していますね。
セットプレーとスローインに言及していること、
(スローインについては思わず膝を打ったサポも多いのでは。
 この2年間、自分たちのスローインは本当に酷かった…)
ベースの重要性をコメントの終盤に再度強調していることなど、
J3降格後、いちばん現実に即していている監督コメントではないかと思います。

そして、質疑応答。
池内社長が「西村監督を選びました」とするのは
様々事情があって結果的にそうなったのだろうとは思いつつ、
やはり「可及的速やかにこの流れを脱して欲しい」と強く願います。
トップチームダイレクターの席が空きましたよね。
そして、強化担当には地域連携リーダーと兼務となる「一年生」竹内彬のみ…。
西村監督の「改善ポイントは僕なりに整理できた」は
挨拶の内容を考えれば、
言葉通りに評価していいと思います。
あとは実際に改善出来る手腕が備わっていれば最高。
気になるのは2点。
1つ目は「フォーメーションは、基本的に去年のベースでやろうとは思っています」。
21年シーズン中にも触れましたが、
ウチ、WBを置いて戦う編成になってないと思うんですよね。
最低左右2枚ずつは揃えておきたいところなのに、
21年は川アと薩川に、何とか及第点かという渡辺悠の3枚のみ。
22年は薩川が移籍し、川アと、何とか及第点かという渡辺悠と、
新加入選手のコメントで判断して内田を加えたとて、やはり3枚のみ。
臼井は組み立てをアピールしているのに…。
武下、田尾がキャンプで急成長して及第点に至れなかったらどうするのか。
2つ目はFWが多い編成への言及内容。
フォーメーションと絡めて考えた時に、
小山、福井、重松、神谷辺り、もしかしたら栗田まで含めてIHを兼務させることになるんだろうけど、
それ、最低限の守備強度を担保出来ますかね…?
あるいは被カウンターからの玉砕を覚悟で、
ビハインドであれば単純に前線に人数を増やすのか…。
この2点について、
出来ればキャンプのうちに、
遅くとも開幕3試合目くらいまでに、
確固としたものを決めてシーズンに望んで欲しいです。


・22/01/21追記・
「長い距離をスプリント」に代表されるハードワークをするためには
相応の体が必要だと思うんだけど、
そう言えば、22年シーズンの体制にはフィジカルコーチが不在ですね…。


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総合的に見て、会見の内容に対するワクワク感、期待度というのはさほど得られなかったけど、
それは事業面で三豊市との協定という大きなインパクトの直後であることと、
当たり前ゆえに地味に映る内容を(きちんと)掲げていること、
競技面で現実を見つめることが出来たことなどによるのかな、と思います。



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