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讃岐 2−1 福島
J3/第5節
(19/04/07:Pikara)
DAZN



讃岐スタメン

________重松________
森川____林____池谷____西
________佐々木_______
荒堀____麻田__竹内____柳田
________清水________



福島スタメン

_________武________
田村___樋口____諸岡___池田
________橋本________
宇佐美___岡田__阪田____輪笠
________堀田________



ミラーゲームにより繰り広げられた、J3っぽくない90分。
優勢を得ていたのは福島だったと言えるが、
ホームの讃岐がセットプレイの差で勝利を拾うこととなった。



讃岐。
上村監督の志向するサッカーを表現しようと選手は奮闘したが、
福島の後方の選手の適応力と用意されていた攻撃の前に、
これまでの試合ほど具現化することは出来なかった。
(この点については福島の項で言及します)

そんな中でも粘り強く戦って、結果として勝ち点3を得たことは大きく評価したい。
先制出来なかったら負けていた可能性も大いにあったし、
追いつかれた時にもひっくり返されそうな雰囲気が感じられた。
にも関わらず、先制してみせたし、勝ち越してもみせた。
これは、勝負強いチームになりつつあると考えてもいい兆しだと思う。

この試合で気になったのは3点。

1つ目は、Pサイド( この記事を参照ください)のコンビネーションと精度。
讃岐側が人数をかけるのだから、当然相手も人数をかけてきて守る。
そこを突破していけるコンビネーションと精度が、
今日のユニット(重松、森川、林、荒堀)には無かった。
その原因は、重松が殆ど左奥に流れないこと、荒堀の左足の精度にあるように感じた。
仮に福家、森川、林(池谷)、麻田のユニットだったら、
今日のユニットよりも左サイドで押し込めていたのではと思う。
が。
諸々の兼ね合いがあるのは理解するので、
TRから、どのようなユニットになっても一定以上の能力を発揮出来るよう頑張って欲しい。

2つ目は、相手の守り方に対する柔軟性。
1トップの武がハーフウェーラインに構えるだけで
讃岐の最後尾にはほぼほぼノープレッシャーだった福島に対して、
讃岐は左に麻田、底に竹内、右に柳田、頂点にワタルの3+1のひし形によるビルドアップに終始。
3+1のビルドアップが前節で手応えを感じさせていたのは間違いないけど、
今日の状況では、福島陣内で圧倒的に福島が数的有利で守ることが出来てしまう。
まだ3+1ビルドアップを熟成させていく段階だということはもちろんあるのだけど、
相手の状況を見てより効率的なやり方を選べるようになったら…と。
いちばん確率が高いように思う。
左サイドのユニットと絡めた解決策を例として挙げてみると、
ボックス幅よりやや広いくらいの間隔で左に竹内、右に柳田のラインと、
武の背中にワタルという三角形でビルドアップ開始。
荒堀の位置に麻田が上がり、麻田に押し出された荒堀が左奥へと侵入していくようなカタチになれば、
重松が左奥に流れずとも左サイドで相手を押し込むことが出来たのでは。

3つ目は、コンディションの問題。
森川、林、麻田あたりは判断の質が低く、動きもやや重かったように思う。
代わりを立てられない選手層と言えばそれまでなのだけど、
上村サッカーは消耗の激しさを感じるので、コンディションには細心の注意を払ってもらいたい。


おまけ。
池谷、あれは決めないといかんよ…。




福島。
ショートパスを基本にしながらも相手のウィークを突く戦い方や、
それを可能にする基本的な技術。
球際で負けない強さ。
チームとしてそれらを備えていて、とてもいいチームだと思いました。

前半は、対讃岐に用意していたと思われる2つの攻撃パターンを披露。
右サイドから荒堀と麻田の間を通すスルーパスと、
同じく右サイドからのサイドチェンジで左大外の田村によるアイソレーション。

チームとして全体的に押し込めるようになったことで
(運動量の問題なのか意図的にそうしたのか、讃岐が前半より引き気味だったのもある)
(また、永田が投入されてからの讃岐は守備が4−3−3化して、
 荒堀と麻田の間のレーンを予め永田で埋めていたというのもあるハズ)
前者は後半開始して少しするとやめてしまったのだけど、
「荒堀と麻田の間に出す」は状況に関わらず半ば自動的に行うように決められていたのだと思う。
後半開始すぐにHSから中央へ斜めへ飛び出そうとした武の後ろから
彼がいたレーンを真っ直ぐにスルーパスが転がって行き、
結果としてミスパスとなったシーンが象徴的で、
あれは、チームとしては「斜めに飛び出した武が悪い」ということになっているハズ。
…いずれにせよ、荒堀が高い位置を取る讃岐に対して、非常に有効な攻め方であったのは間違いない。

後者は試合を通して行われていて、
橋本を中心に池田辺りも左サイドへ蹴っていた。
失点シーンに限らず、田村の仕掛けが讃岐をピンチに陥れていたことに異を唱える人はいないでしょう。

ビルドアップに関しても、讃岐のハイプレスへの対応が早かった。
池谷が枠を捉えられなかったシュートを「アシスト」したミスパスがわかりやすいけど、
試合序盤は讃岐のハイプレスに対して戸惑いを見せていたのだけど、
橋本が立ち位置を変え続けたり、
輪笠と池田が縦のポジションチェンジをしたり、
右寄りで組み立て始める中で左SBの宇佐美があえて左大外まで開いてみたりで
ボールの逃しどころを確保。
讃岐のハイプレスを空転させる場面を増やしていった。


…書いていて、讃岐、ホントよく勝てたなという気になってきた(苦笑)
用意していたものと試合中の対応力では、明らかに福島の方が上回っていたよなぁ。

たぶん、優勝争いに絡んでくるチームだと思います。





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