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鳥取 1−0 讃岐
J3/第5節
(20/07/19:Axia)
DAZN



鳥取スタメン

________田口________
_____坂井____三沢_____
魚里____可児__新井泰___小牧
____石井__井上__上松____
________田尻________



讃岐スタメン

______重松__林_______
下川______________池谷
______森川__高木______
薩川____竹内__西野____柳田
________清水________



後半の修正がハマり勝ちきってみせた鳥取。
讃岐は、優勢に試合を進めた前半にゴール出来なかった代償を払うことに。



鳥取。
前半は攻守両面で讃岐のやり方に対応出来ず。
ゴールライン上のクリアが三度にバーの助けを得ての、
幸運も味方した無失点だった。
具体的には、
攻撃面ではWB、シャドー、DHの連携が上手く行かなかった(阻害された)こと、
守備面では3−4−2−1のまま構えたことによるシャドーの守備の曖昧さが、
それぞれ大きな問題点だった。

これらが後半になると見事に修正される。
攻撃面では、開始の選手交代とポジション移動が奏功した。
(左シャドーに新井光を投入し坂井が右シャドー、三沢が左DHに)
前半の魚里(WB)、坂井(シャドー)、可児(DH)のトライアングルが
池谷に上手く見張られていたことに対し、
後半の魚里(WB)、新井光(シャドー)、三沢(DH)トライアングルでは
三沢のボールを受ける位置が良く、
池谷は魚里(WB)と新井光(シャドー)の両方を同時に消すことが出来なくなってしまった。
前半は活かせていなかったここでの数的優位を取り戻した上に、
シャドーに入った新井光が強烈な仕掛けを見せ続け(最初のそれは得点に直結した)、
更には、新井光のケアを試みるようになる讃岐を嘲笑うかのように
大外を魚里が駆け上がるに至る好循環。
これは木監督の素晴らしい采配だった。
守備面では2つ。
ボールサイドのシャドーが最前線に出て2枚で讃岐の2CBに圧力をかけるようになったことと、
讃岐が活用し起点を作っていたHSレーンでのミドルサードの出口に対し
主にWBの選手が強く当たりに行くようになったこと。
これにより、讃岐が前半に見せていた、
角度のついたスムーズなパス交換による前進を阻害し、
守勢に回る時間を大幅に減らすことに成功した。

このように、後半に入るところでの修正が見事だったのは間違いないけど、
これがしっかりと勝ちに繋がったのは
前半を執念の無失点で折り返せたことと、
先制点にして決勝点に繋がった新井光の仕掛けだよね。
讃岐サポとしては、
自分たちの甘さを感じつつも「木監督と新井光(と三沢)にやられた」という印象です。


四中工出身の高卒ルーキーだという田口はいいねぇ。
試合中の態度が「THE・CF」という感じ。
自身に荒めのファウルをした讃岐の大ベテランCB・竹内に食って掛からんとした場面と
その後特にプレイが乱れたり荒れたりしなかったのは、凄く好印象。

湘南からレンタルという新井光も、
自身の立場を理解したギラギラ感が良かった。

木監督の修正能力は素晴らしいねぇ。
昨季の第25節も、讃岐が試合中の修正で盛り返しを見せていた中で
大屋翼の投入で無効化されてしまった苦い記憶があるよ…。






讃岐。
とても良かった前半で先制出来なかったのが痛かったし、
後半立ち上がりでアッサリ失点してしまったのが残念だった。
総じて、この試合を含めた5試合で1分4敗のチームだな…という印象になるが、
これまでの試合とは違うポジティブな点も見られた。

それは、望月監督の能力。

実は、金曜の夜中にこういう連続ツイート(全7つ)をしていたんだけど、
この試合においては、望月監督は明らかに戦い方を授けていた。
(鳥取の前半の問題点は試合開始直後から讃岐が意図してもたらしていた)
後半の相手の修正に対しては更なる修正は見られなかったけれども、
こうした試合の入り方が出来るのだから、
勝てないにせよなるべく負けないようなサッカーを、
やろうと思えば今すぐにでも仕込めるレベルにはある監督で、
だけど今は授け過ぎないように我慢している……という考え方を、
自分はまだ継続しようと思う。

望月監督が「授けていた」と感じた部分を3つ。
1)最初から明確な2トップで試合開始
・長いボールを蹴らざるを得なくなった時の負担軽減(分散)
・前線でロストした時に中央からの被カウンターを阻害する
・最初から横並びにすることで相手ビルドアップに対しても常に中央に2人から守備開始
(→1:相手の低い位置からの楔を阻害)
(→2:より明確に相手ボールをサイドへ誘導)
・サイドからのコンビネーション攻撃の際に最低でも1人が最初から中央に残れる
2)SHの守備のポジショニング
・池谷による鳥取左サイドのトライアングルのパス交換阻害
(DAZNで観てた人は前半、ベンチから下川への声掛けが多かったのが聞こえたと思うけど、
 これは単に手前サイドだから指示を飛ばしてたという以上に、
 守備のポジショニングが池谷ほど取れてなかった修正の声だと思う)
3)普段よりも両SBを高い位置に出してからのビルドアップ
鳥取のシャドーは前に出てこないのでCF田口に対し竹内と西野で余裕を持ち、
鳥取シャドーが届かずWBも縦にスライドするには遠い位置に置いたSBに当て、
鳥取の全体が対応を始めたところで今度は鳥取のHV、WB、DH、シャドーの菱形の中央に当たる場所に
(HSレーンのミドルサードの出口)
入り込んだ選手に出して起点とする

この3つが、讃岐が前半を優勢に進めた大きな要因だと思う。
授けた望月監督も、遂行した選手たちも、 あとはどれか1つでも決めておけば最高だったんだけどね…。

……と、まぁ、自分としては勝てないことにネガティブな言葉を吐く気持ちになるよりも
「これが出来るんだから伸びていけるでしょ」と思える試合でした。

とはいえ、我慢の限界はあるので(苦笑)、
仮に今後も勝ち点3がなかなか得られないにしても、
今日の前半のような内容を90分の中で長い時間出来るように、
最低でも今日のように45分はコンスタントに続けられるようにして欲しいな、と思います。

あとは、安い/若さ丸出しな失点を、減らして行きたいよね…。


個人について。

西野。
リスタートでの高さは頼もしかったけど、
試合の中でイエローカードを貰うのが早いのは気にして欲しい。
出場した試合すべてでもらって、もう累積3枚目というのもマイナス評価。

森川。
低い位置で奪ったあとの最初のパス、大事に行こう。

神谷。
右サイドはたぶん練習でもやってたとは思うんだけど、
今日は周りと意図が合わない場面が多かったね。
特長を考えれば、サイド起用の際にはポケットへの抜け出しを求められてるのだと思う。
そういう狙いを増やして欲しい。




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