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藤枝 5−0 讃岐
J3/第17節
(21/09/04:藤枝総合)
DAZN



藤枝スタメン

________大石________
____横山______押谷____
温井____鈴木惇_杉田____河上
____鈴木翔_川島__久富____
________杉本________



讃岐スタメン

______栗田__重松______
____中村駿____佐々木____
薩川______岩本_____渡辺悠
____遠藤__竹内__松本____
________高橋________



中断期間に就任した須藤監督のサッカーに対し
手応えと確信を得たであろう藤枝。
讃岐は立ち上がりのパニックのままへし折られてしまった。



藤枝。
前回対戦時からけっこうメンバーが変わったよな?」と
「久富を3バックの右で使うのか」というのが
スタメンを見た第一印象。
監督が代わったで前者はともかくとしても、
後者に関しては久富の特徴を考えれば何かがあるハズ…。

その何かは、すぐに明らかになった。

藤枝のビルドアップは鈴木惇が4バックの左CBの位置に降り、川島が同右CBの位置、
鈴木翔と久富がそれぞれSBの位置にまで開く可変式。
つまり、久富は最初からSBとして考えられているのだった。
なるほど納得。

基本的に鈴木惇にボールを集め、
前進のさせ方は相手の出方を見ての鈴木惇のタクトに任せる。
任せると言っても鈴木惇のアドリブでやるのではなくて、
相手の出方の逆を取る動きが全体で設計されていて、
その動きに合わせて鈴木惇がパスを供給していくという形。

鈴木翔と久富がいわゆる偽SBのようなポジショニングでボールを引き出すこともあったし、
杉田が鈴木惇の左に降りて最後方3枚で始めることもあった。
横山と押谷も1列降りる動きを織り交ぜていたし、
大石が高さを決める讃岐のDFラインの裏へ、シャドーなりWBが飛び出していくことも。

相手を押し込んだあとは、
大石を最前線の基本としながらその下に選手が次々と湧いて出てきて、
あるいは大石を追い越していく。
その役目を担うのはシャドーとWBの4枚が基本線だけど、
状況次第で杉田も、鈴木翔、久富までもが前線へと進出していく。
やり方がハッキリしていて選手がそれを理解しているので、
「その瞬間にそれを為すべき選手が為すだけ」ということだ。

象徴的だったのは先制点のシーン。
二次攻撃三次攻撃の流れの中、
左のタッチライン際、ミドルサード出口辺りの高さで温井がボールを持った時に
「あ、この状況、俺が出ていくべき形になってるじゃん」と、
それまで供給役に徹していた鈴木惇が左ペナ角へと飛び出して温井からボールを引き出して
強烈な左足シュートを放ち、
その跳ね返りを押谷がプッシュしてのゴール。
守っていた讃岐としたら、
出てくるハズのない選手(鈴木惇)が出てくるハズのないスペースへと飛び出してきたため、
寄せが遅れてシュートを許してしまったということになる。
ゴールを決めたのは押谷だったけど、
鈴木惇が飛び出してきて温井がきちんとそこに通した時点で
「勝負アリだった」というわけだ。


遅攻でミスが少なく且つ仕掛けの精度が高い相手に対してどう守れるかとか、
今日の讃岐戦では確認しようのない未知の部分はもちろんあるけど、
2列目に人を多くしているし、
その後ろの選手も状況次第では出ていくように言われてるハズなので、
敵陣バイタル付近でパスが通らなかったとしても即時奪回に繋げ易くなっていて、
攻撃の回数を増やすための設計が出来ている。

しばらくの間は猛威を振るうんじゃないかな…。


HTの須藤監督の指示「3点目を奪って試合を決める」も的確だし、
応えた選手たちも素晴らしい。

お見事でした。






讃岐。
主力の西本と川アがベンチにすら入らず、
前節途中出場の福井、阿部もベンチ外。
「試合を壊さない程度に(それが主力2枚という読み)メンバーを変えつつ
 来季のための底上げを図るのかな」
というのが、メンバーを見ての第一印象。
(竹内に代えての長谷川投入でこれは確信に変わった)

大幅な補強など望むべくもない財政状況のクラブなので、
これは悪くない選択だと思う。
同時に、
「これを現場に依頼するからには(監督はいつだってフルメンバーで勝ちに行きたいであろう)
 来季もゼムノビッチ監督なのだろうな」
との予想も立ち、
これに関しては、
「昇格を狙うのであれば代えた方がいい」というのが正直な気持ちだ。

(そう言えば、久しぶりにアウェイにベンチ枠7名を帯同させたね)



試合の内容に関しては、
スカウティングと対策に問題があったと感じずにはいられなかった。
自分は藤枝の前節(富山戦)を観ていないけれど
実況やDAZNの紹介画面に出てくる一文では
「敗れはしたものの手応えを掴んだ内容だった」とのことなので、
藤枝はこの試合と同じことを志したと思うんだよね。

だったら、分析して、対策を立てていなくてはおかしいわけで。

先制されるまでの讃岐の守備は明らかにパニックに陥っていた。
「どうすんの、これ」
「俺は誰を見ればいいの」
「何か常に相手が一人二人多い状況なんだけど」
といった選手の声が聞こえてきそうな程に。

それは、ベンチの責任だよね。
(藤枝が前節も同じことを志したという推察でモノを言ってるので
 そもそも藤枝の前節の戦い方が全然違うものだったら本当に申し訳ない)
(でもさ。
 中断期間中に就任した監督が、指揮の1試合目と2試合目で違うサッカーを志すかね?)



何とか0−1で前半を折り返して、
ベンチから策を授けることで
(ゼムノビッチ監督にそれが出来るかは非常に怪しいと思っているけど)
後半に盛り返して1−1のドローまで持ち込めれば…と思いつつ観てたら、
前半のラストプレーで2失点目を喫してしまい、
(これは鈴木惇のFKを褒めるべきだと思う)
試合は事実上決してしまった。

ただ、これにより小山と長谷川を後半アタマから投入出来たのは
(特に長谷川は、竹内に代えて入れるにしても後半半ばからの予定だったのではないか?)
来季に向けての底上げという面では収穫な気がしている。

後半早々の3失点目ですっかり心が折れてしまったけど、
あのケースも、
たぶんベンチからは「早めに1点取って同点、逆転まで行くぞ」と
HTに檄が飛んでいて
(普通は飛ぶ試合展開だと思う)
だから松本が前で奪おうとした(そして入れ替わられた)のだと思っていて、
彼を責める気にはなれないし、
「西野との交代を懲罰だと感じないで欲しい」
「監督はそう感じさせないようしっかりコミュニケーションを取って欲しい」
と、強く思っている。



文章がとっ散らかってしまっているな…。

この試合で思ったことをざっくりまとめると
「メンバーをある程度落とすのは支持。続けて欲しい」
「ただし試合を壊さないことは重要で(それを理解してるから2枚落としだったのだろう)
 スカウティングや対策はしっかりやって欲しい」

これに加えて、
「この試合、戦い方に関しては、選手には非が無いと思うけど、
 劣勢の時に、画面越しに観ていてももわかるくらいに
 強烈にチームを鼓舞する選手が中堅〜若手から出てきて欲しい」
「あの時間帯の3失点目で更なる失点を覚悟したけど、それはもうどうでもよくて。
 プライドとか、来季へ繋がる・繋げるものとか、
 そういうものの象徴として何でもいいから1点取って欲しかった」
…かな。



色んな意味でターニングポイントな試合になったと思います。




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