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熊本 0-0 讃岐
J3/第24節
(21/10/24:えがお)
DAZN



熊本スタメン

________高橋________
ターレス__伊東______杉山__
竹本______河原______上村
____酒井__菅田__黒木____
________佐藤________



讃岐スタメン

________重松________
____中村駿____渡辺悠____
薩川____西本__鯰田____川﨑
____遠藤__西野__小松____
________高橋________



前半はひたすらに熊本が攻め立てる45分となったが、
後半開始と同時に讃岐が力強く前に出たことで試合の様相が一変。
勝敗がどちらに転んでもおかしくない展開となった。



熊本。
一応、基本フォーメーションは前回対戦時と同様の3-3-2-2である、と
DAZNでは紹介されていたけれど、
実質的には、上図のような変則的な3-3-3-1と言い切ってしまっていいと思う。

ターレスが左サイドで槍、
伊東がバイタル付近でのアクセント、
杉山が右HS~右サイドに君臨、
竹本と上村は状況を見ながら中央に寄って河原の仕事を攻守に助ける
…といった役割がそれぞれ課されていた。

右サイドに関して上村と黒木の大外攻撃参加が前回よりは控えめだったけど、
これは左からのサイドチェンジがあんまり見られなくなったことや
(竹本の個性の関係なのか、これをやめるから竹本の起用なのかは不明)
可変により高まる被カウンター時へのリスク管理を考えてのことなのかな…。
もしかしたら、讃岐が前回対戦時には5-3-2でセットしていたのが
今回は5-4-1でセットするようになっていたことも
影響しているのかも知れない。

いずれにせよ。

それでも圧倒的なボール保持力と、
特殊タスクを負ってる選手たちによる多彩な攻撃というのは
かなりの脅威だった。

また、後半になり讃岐が急にギアを上げたことに対しても、
選手たちが慌てず騒がずしっかり受けて讃岐の勢いが落ち着くのを待ち、
ここというタイミングでベンチが交代選手を送り込み、
呼応して選手たちが反撃を開始し讃岐ゴールへ迫る場面を再度作り始める
…という、ピッチの内と外との「呼吸」が感じられた。

なるほど、首位を走る強いチームだな……と思わされましたね。






讃岐。
前半は熊本にボールを握られ続けるも、
大きく崩されるようなことはなく
「持たせていると思え」と精神的優位性を訴えてもそれが決して無理ではない、
堅い守りを披露出来ていた。

個人的には、
後述の理由で川﨑はターレスとデートでいいから小松には中央に残っていて欲しいと思ってたんだけど、
(非常によくやれていたものの)
右シャドーが不慣れ且つ元来守備が得意ではないユウガ(渡辺悠雅)であるからか、
川﨑はターレスを気にしながらも竹本の監視のために縦スライドし、
その際には小松が右サイドに出張してターレスを封じた。
伊東がもっと最前線まで顔を出して来るようであれば
小松がそちらのケアをせねばならず、
連動して川﨑の守り方も変わっていたと思うけど、
(この可能性を気にして小松には中央に残っていて欲しいと思ってた)
伊東は幸いにしてそのような動きに乏しかったため、
川﨑と小松による右サイド守備は彼らのやろうとした通りに機能していた。

左サイドに関しては熊本のところで書いたように、
上村、黒木が上がってくることで誰を捕まえればいいか惑わされることが無く、
薩川と遠藤がしっかり仕事をしてくれたし、
中央は2シャドーと2DHで封鎖。
河原を中心に竹本、上村らに讃岐陣内に入ったところで保持されようとも
そこまでは持たせていいという割切が出来ていた。


後半になって全体で前から奪いに行き始めたのには驚いた。

もちろん、
「前半はスコアレスで折り返して後半勝負」というプランだったのだろうけど、
勝負のかけ方として後半開始と同時に前に出ていく足が残ってるとは思っていなかった。

相手の急所を突いていくというのではなく
強度で押し切るような攻め入り方だったけど、
前半との様変わりぶりもあって、
十分に好機を作れていた。

幾らか勢いが落ち着いて熊本が押し返し始めても
そこからガクンと運動量が落ちることもなく、
オープンな展開も上等とばかりに走る選手たちを見ていて、力が入った。

勝たせてあげたかったなぁ…。


攻め方だ選手の配置だ云々の前に、
こういう「伝わってくる」試合を1試合でも多くやれるようにならなきゃいけないし、
今日ほどではなくてももっと毎試合の強度を上げていかなければいけない。



ゼムノビッチ監督。
前回の熊本戦もそうだったけど、
バランスが壊れないよう我慢しなければならない展開では適切に我慢が出来て、
且つ、そこからの交代策も士気を落とさず勝ちに向かうものを行える監督であるように思う。
リョウ(中村亮)が右WBで吉馴が右シャドーというのは「逆だろ」と感じたけど、
吉馴に何故かボールがこぼれてきてヒーローになれそうだったのを見るに、
その辺の見極めも悪くないのかな。

ユウガ。
前節の右シャドー投入はその場でのひらめきではなく、
ある程度練習で目処が立ったから行われたものであったことを、
この試合で示した。
誰もが守備面を懸念していたと思うんだけど、
ボールが自分よりも前にある場合はほぼほぼ問題なくやれていたと感じる。
また、WBではまずもって見られない「相手を背負ってキープ」というプレーも
そこから逃げずに一定以上こなせていた。
これは嬉しい誤算だし、
左サイドで少し可能性を見せた第21節の長野戦に続いて、
彼のJリーガー寿命を延ばすのに意味のある試合となったと思う。

高橋。
最終盤の2連続ビッグセーブには痺れた…。
これだけいい試合をしたのに勝点0では残り試合にも響いたと思う。
この試合のみならず、残り試合の士気の部分も救ったセーブだと言える。




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